View of the World - Masuhiko Hirobuchi

July 31, 2005

ケルンの水 -学生へのメール

「オーデコロン」という言葉を聞いたことがあるでしょう。今の若者の間ではそれほど人気のある言葉とは思えませんが、けっこう長続きしている人気商品です。香りを伴った水で、おしゃれな紳士もさり気なく身にふりかけるものとされています。今日のポイントは、この「水」の効果や人気ではありません。「言葉の意味」がポイントです。「オー・デ・コロン Eau de Cologne」というのは「ケルン(コローニュ=コロニー=植民地)の水」という意味。古代ローマ帝国は、各地に「植民地」を作りました。その中でも代表的なものの一つが現在のドイツのケルン(Koln、(この 「オー」の上にチョンチョンが二つつきます=ウムラート)です。ケルンはフランス語ではコローニュ。オー(水)デ・コロンは「ケルンの水」という意味です。ケルンの水がすべて香水になるわけではありませんが、上質の水だったことがうかがえます。それよりもはじめは砦を築いて、せいぜい数百人単位でそこに駐屯(ちゅうとん)していたローマ人たちが、やがて文明的な「ローマ風の」都市を築いていったヴィジョンとローマに反発する原住民たちの戦いが繰り返されたこと。その後にはやがて「ローマによる平和」(Pax Romana)が訪れたことなどを、あれこれと考えてゆくと興味はつきません。一びんの香水の中から、帝国の植民政策が見えてきます。 

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