View of the World - Masuhiko Hirobuchi

September 10, 2005

スモークサーモンと言わないで -学生へのメール

Don't call them "smoke salmon", please.

日本で使われている英語のミスを言い出せば、一生かかっても不可能かも知れません。こんなことに腹を立てるというのはいかにも人物が小さいと思うせいか、それとも人間あきらめが肝心と思うのか、皆さん隠忍自重(?)してぐっと言いたいことをこらえているようです。でもねえ、だれにでも分かることで、これ一つを聞いただけで目からウロコと思えることくらいは言わせてほしいもの。許しがたい(?)誤用の典型が「スモークサーモン」です。「え、なぜ?」と思う人は30秒ほど考えてください。ヒントは「ケンタッキー・フライド・チキン」です。「ますます分からなくなった」ですか? この商品は登録商標のおかげか、じつに正確な英語「フライド」で表現されます。だが哀れにも我が親愛なるサーモン(鮭)君は、「スモーク」です。つまりチキン君(ニワトリ)はフライになって、「フライド」(揚げられた)という「受身形」で呼ばれているのに、何の恨みがあってか鮭君は「スモークド」(煙で燻された)という受身形では呼ばれないのです。それどころかレストランなどで「スモークドサーモンを」と注文すると、「は、スモークサーモンでございますね」と訂正されます。正しいことを言う人間の方が肩身が狭いのです。しかし学生の皆さんはこういう圧力(?)にめげず、断固として「スモ-クドサーモン」で通してください。だれも「ケンタッキー・フライ・チキン」とは言わないのですからーー。
Why Japanese waiters call it "smoke salmon" rather than "smoked salmon"

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COMMENTS

1 : fujimino : September 12, 2005 10:16 PM

多分昔から呼ばれているカタカナの名詞は、間違って使ってしまったことが多かったのかも知れません。
しかし、最近は明らかに故意に読み方を変えて使っている例も多く、お店やメデアも積極的にそれを採用してしまいます。
カタカナにして表現しているため、勝手に日本語化してしまう傾向もあるのかも知れません。

全ての言語は無理としても、英語くらいは、カタカナで書かずに、英語で書くなんて方法でも採用しないと正しく使うようにならないのかも知れませんね。

2 : ラ・マンチャの男 : September 12, 2005 11:34 PM

fujimino様 いつも的確なコメントをありがとうございます。こんなことを指摘するのも大人気ない気もしましたが、あえて書いてみました。それを言えば「アイスティー」も「スクランブルエッグ」もみんな訂正してほしいということになってしまいます。でもなぜか小説などは「ハードボイルド」と受身なのです。仰せのとおりいっそ英語で書くなり頭の中に英語を思い浮かべて使うようになれば事態はずいぶん改善するでしょう。折にふれて多くの人がこういう指摘をしてほしいですね。

3 : mii : September 24, 2005 01:06 AM

正しいか正しくないかでいえばご指摘の通りですが,言語現象としては面白いといえるのではないかと思います。fried や boiled の場合は,有声音でおわるため,日本人の耳にも聞こえやすく音が残っているけれども,smoked や iced の場合は無声音なので,残らなかったのかもしれません。明治時代に聞こえたままを表記したラムネなどにある意味似ているかもしれません。iced tea, iced coffee に関しては最近はアメリカのメニューでも ice tea, ice coffee が見られるようですし。

4 : ラ・マンチャの男 : September 24, 2005 11:11 AM

mii様

まことに面白いご指摘をありがとうございます。とくに「ラムネ」=レモネード=との関連を言われると、小さいことにこだわらず「耳に聞こえたまま」をカタカナにしていった明治の人々の柔軟性は大したものでした。アメリカ英語では昔は「異端」とされたものが、だんだん「正統」となってゆく場合がありますね。そういうことをよく心に留めておきます。

5 : メガネくん : September 26, 2005 09:30 PM

なるほど・・・普段全く気にもかけなかった新たな事実を知ることが出来ました。まさに目から鱗ですね!そう指摘されると、日本で使われている英語はどこまでが正しい英語なのかわからなくなります。以前から確かに日本では間違った英語が当たり前のように使われているという事実は耳にしましたが、まさかこんなにも身近に存在するとは驚きです。他の投稿者の方も書いていますが、わざと間違えて名前などを記載しているものもあるそうですね。間違った名称の方がインパクトを与えることが出来ると思ってつけているのでしょうが、今の日本人の中にどれだけ正しい英語を理解している人がいるか、と言えばかなり少ないのではないかと思います。こう言うことから、間違った英語が浸透していくのではと、ふと思いました。