View of the World - Masuhiko Hirobuchi

September 17, 2005

勇士の名前のついたチョコ -学生へのメール

チョコレートが男性的か女性的かというと大方のイメージはやはり女性的ということになるでしょう。ところが世の中は広い。なんと「レオニダス」という名のチョコレートがあるのです。作っているのはベルギーのメーカー。「レオニダス」といわれても、いまの日本人のほとんどはピンとこないでしょう。しかし西洋の人々には非常になじみの深い名前です。これは古代スパルタの武将にして国王レオニダスのこと。イエス・キリストが生まれる280年ほど前、アテネ、スパルタなどのギリシャ諸国はペルシャ(いまのイラン)の圧倒的な大軍の侵攻を受けて亡国の危機を迎えました。そのとき、わずか300人の精鋭を率いて峻険(しゅんけん)テルモピレーで敵に立ち向かったのが勇将レオニダスでした。片側が断崖絶壁で片側が谷底(or海)というテルモピレーは一人ずつしか通れず、どんな大軍といえども、一対一の白兵戦を強いられます。スパルタ軍は死に物狂いで戦い全員が壮烈な死をとげました。この奮闘によってギリシャ側は貴重な時を稼ぐことができ、ペルシャの属国にならずにすんだのです。女性的とのイメージが強いチョコレートに、こういう勇士の名前をつけてはたして商売になるのかと、私は余計なことを考えました。しかしレオニダスは花の東京でもけっこうはやっているようです。銀座ソニービルの裏手エルメスの隣をはじめ、赤坂・代官山・渋谷などに店を出しています。じつはこの会社の社長の名前がレオニダスなのですが、包装紙などにはもちろん兜をかぶった英雄レオニダスの像が印刷されています。自分の名前を古代の英雄と重ね合わせつつ、ビジネスとして成り立たせているところがなんとも憎い(?)ですね。余計なことですが、これは断じてこの店の宣伝ではありません。この名前をとおして古代世界への想像力をはぐくんでほしいと願っただけです。

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COMMENTS

1 : callaway : October 3, 2005 06:44 PM

私はチョコレートが大好きです(チョコレートならず甘いものならほとんどが好物ですが)。レオニダスというチョコレートが西洋人の間で有名であるということは初耳でした。そうとうおいしいのでしょう。日本で言うグリコというメーカーと同じぐらい西洋では人気があるのだと思います。自分の名もレオニダスだからといって、勇将レオニダスを気取って商売をしてるというのだからたいそうな人間であるのだと思います。(実際はどのような人間かはわかりませんが・・・

2 : ラ・マンチャの男 : October 3, 2005 10:37 PM

Callaway様
レオニダスという名前を見てただちに勇将レオニダスを連想できる若者はそういないでしょう。しかしできればそこまで行ってほしいという願望は強いです。いまの日本ではペルシャがギリシャに攻め込んできたといっても、全然ぴんとこない人がほとんどです。しかしアジアの他国の若者は、これくらいのことは知っていて、欧米に留学しても現地人とぐっと親密なコミュニケーションができます。チョコレートの名前ひとつを手がかりに、たまにはキリストが生まれる前の世界の軍事情勢のことなども考えてみたいものです。

3 : メガネくん : October 4, 2005 11:26 AM

 レオニダスですか・・・。確かに日本人には馴染みの無い名前ですね。失礼な話、レオニダスさんよりも、このお話に出て来るチョコレートがどのようなものか気になるところです。世界的に有名な人物の名前ということは、世界でもポピュラーなチョコレートということになるのでしょうか?こんど時間が出来たら、買いに行ってみようと思います。
 チョコレートを食べながら、昔の英雄を思い描くのもおつなものですよね?

4 : 恭華留斐 : October 4, 2005 11:38 AM

「レオニダス」という名前のチョコレートは聞いたことがありましたが、古代スパルタの勇将の名前であるということは始めて知りました。社長の名前もレオニダスということもあるようですが、古代の勇将の名前をチョコレートの名前にするというのは、なんともロマンがあるように感じました。
チョコレートのレオニダスを食べたことはまだありませんが、ひょっとしたら勇将の名前がついていることもあって、ほかのチョコレートに比べてほろ苦く、深い味わいのものなのではないかと、勝手に想像してしまいました。