View of the World - Masuhiko Hirobuchi

February 18, 2006

かもめ食堂・フィンランド・トナカイ -学生へのメール

10日の金曜日、「かもめ食堂」という映画の試写会を観てきました。フィンランドのヘルシンキと思われる町に、かもめ食堂という日本食の店があり、若い日本人女性(小林聡美さん)が一人で経営しているのですが全然客は来ません。そこにまた一人の日本人女性が現れ、さらにもう一人が加わります。彼女たちをめぐる、フィンランド人との心の交流があり、辛い人生ドラマも描かれてゆきます。やがて食堂は大繁盛となるという心あたたまる物語でした。群ようこさんの原作です。試写に先立ち在日フィンランド大使館の女性書記官が流暢な日本語で挨拶しました。
フィンランドは日本人にはけっしてそうなじみ深い国ではありませんが、フィンランドの人々は非常に親日的だそうです。人口は北海道くらい。正式な国名は「スオミ」で、フィンランドというのは、外国人が付けた名前です。「フィン人の土地」といういう意味でしょう。しかし人々はムキになって「スオミ」と呼んでくれとは言いません。ここまで定着した呼び名を静かに受け入れている感じです。
フィンランドといえば連想はどうしてもサンタクロースに飛びます。ラップランドというトナカイがいっぱいいる地域です。私はかつてヘルシンキを訪れ、いわゆる「白夜」を体験し、三日連続でトナカイの肉を食べたことがあります。美味でした。
フィンランドはかつてソ連の重圧の下で、国の生存のために必死の努力を続けた国です。この苦しみについても日本人の多くはピンと来てはいませんが、小さい国には、私たちの想像もつかない苦悩があるものです。

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COMMENTS

1 : tiakujo : February 18, 2006 06:21 PM

「スオミ」なんて、びっくり!
またまた、知らないことを教えてもらいました。
たしか先生がおっしゃいましたよね。
「知るということは、本当に楽しく面白い。」って。

2 : エセ男爵 : February 18, 2006 06:25 PM

是非、観てみたい映画です。
また、
フィンランドは、ハンガリー滞在中に一度行ってみたい国でした。
そして、
>>フィンランド=正式な国名は「スオミ」で・・・
知りませんでした。
ハンガリーも、現地の人間は「マジャール」と言います。
文法的にハンガリー語とフィンランド語はよく似ているそうで、たぶん民俗的にも同じルーツに近いものがあるのではないか。と、思っています。
話戻って、
そんなフィンランドを舞台にした「日本レストラン」の物語、是非とも観てみたい映画です。
すてきな情報、たいへんありがとうございます。

3 : 湖の騎士 : February 18, 2006 06:59 PM

tiakujo様 「スオミ」という正式国名に驚いて下さって感激です。記事を書いて本当によかったです。試写のあとのパーティーで、私は子供のように、フィンランド大使に向かって「私はお国で3日連続トナカイを食べた」と言いました。大使は大変喜んでくれて、私が取材した国際会議の話をしました。その会議がやがて世界を変えてゆく大きな分水嶺になったのでした。

4 : 湖の騎士 : February 18, 2006 07:03 PM

エセ男爵様 ご指摘のとおりフィンランドとハンガリーは同一人種だという説が有力で、私もそう思います。言葉が他のヨーロッパ語とはまったく違うファミリーに属しているようですね。「かもめ食堂」に興味を示していただいてありがとうございます。いまの日本にはないほのぼのとしたものを感じさせる映画です。ぜひご覧ください。

5 : mix : February 19, 2006 06:36 AM

私はフィンランドには行ったことがないのですが、ハンガリーには友達がいて何度か遊びに行っています。
はじめに行ったのは返還後すぐのころ。東のパリと呼ばれるようにすばらしい建築物が立ち並んでいるきれいな街なのですが、なぜか灰色がかって見えました。
使っていたガソリンが悪かったためにすすが付いていたとのこと。次に行ったときはもうきれいになっていましたが、そこに私たちの知れない歴史の悲劇を感じました。

6 : 悠々 : February 19, 2006 07:31 AM

スオミという言葉、久しぶりに聞きました。余り一般ではお目に掛からないですからね。
私の卓球のコーチがアルバイトにフィンランド大使館で働いていて、(逆かな?アルバイトで卓球のコーチしていたのかも?)フィンランド紹介の16m/m映画やパンフレットをお借りして職場で上映会をしたりしていました。本格的サウナの入り方とかも憶えていました。
森と湖の国でトナカイは家畜化されていたようでした。
若い頃のあこがれの国でしたが、未だに訪問していません。
懐かしい想い出を思い起こさせて下さり有り難うございました。

7 : 湖の騎士 : February 19, 2006 10:10 AM

mix様 そうですか。ハンガリーに行かれましたか。私もブダペストだけですが一度訪れました。ベルリンの壁が崩れるだいぶ前です。しかしその時は迂闊にも建物の壁面がくすんでいることに気付きませんでした。そこを鋭く見抜かれたというのはすばらしいですね。私はハンガリーについては強烈な思い入れがあり、「中央公論」の1990年2月号に「ハンガリーに王冠が返ってきた日」という、長編のルポルタージュを書きました。フィンランドについても、チェコについても、強い思い入れがあります。

8 : 湖の騎士 : February 19, 2006 10:21 AM

悠々様 この記事から「スオミ」という名前を久々に思い起こされたとか。嬉しいです。卓球をなさっていたというのも、偶然の一致で楽しい発見(?)です。私も中学・高校時代に卓球の選手をしていました。「かもめ食堂」の一つのテーマは、日本人が慌しい日常にまぎれて見失っているスローライフのよさ、人生のより本質的なものが森と湖の国に見えるということですが、少しも説教臭くなく語っています。トナカイが家畜化されているというのは知りませんでした。貴重な情報をありがとうございます。

9 : のりまき : February 19, 2006 11:23 PM

この映画、二週間ほど前にテレビで30分間特集をやっていて知りました。主な役者の三人が個性的で、映画の雰囲気もふしぎな映画だと感じました。(あの日本の三人の役者はけっこう前からスキなんです!)この映画の特集を見てすぐに、おにぎりとトンカツを食べたくなりました。私は日本食がとても好きなのでごじゃります。
舞台がフィンランドだということに最初はとても驚きました。なんでフィンランドなんだろうか~??と。しかし、すぐに、「所さんの笑ってこらえて」という番組で5年くらい前にフィンランドは日本について大学で詳しく学んでいるという特集を思い出し納得しました。その密着取材されていた日本文化学科の学生は日本語がとても流暢で親近感が沸きました。
今回の記事を読んで私も早く映画をこの見たくなりました!
レッツゴー映画館!!

10 : 湖の騎士 : February 20, 2006 09:23 AM

のりまき様 テレビで情報を仕入れ、この映画のことをいちはやく知り、フィンランドに親近感を抱いたというのはすばらしいですね。映画の中ではおにぎりを食べるシーンが何回か出てきます。トンカツもそうです。カモメもたくさんいます。とにかく封切りが楽しみですね。ところでフィンランドの教育水準は高いです。たしか数学は世界でトップだったのでは?