View of the World - Masuhiko Hirobuchi

May 31, 2006

ダービー馬と古代の豪傑の関係 -

今年の日本ダービーは、皐月賞につづいてメイショウサムソンが優勝しました。この名前を聞いて旧約聖書にでてくる怪力の豪傑(ここは英雄というより豪傑でしょう)サムソンをただちに思い出す人が多いといいな、と私は思っていました。ダービー当日の新聞には、この名前の由来を記したものもありましたので、悲運のサムソンのことをあらためて知った人も多かったと思います。子供のころの知識で、その後調べなおしたわけではないので、正確さを欠くかも知れませんが、記憶のままに書いてみます。サムソンは今のイスラエル人の先祖の一人です。ものすごい怪力の持ち主なので、敵国は彼がいるかぎり戦争には勝てませんでした。サムソンの力の源は髪の毛にあるとされ、もし髪を切られたら力が発揮できないという情報を敵の国はつかみます。そこで彼らはデリラという絶世の美女を彼のもとに放ちます。勇者サムソンはたちまちデリラと恋に落ちます。自分の腕の中で深い眠りにおちいった彼を見届けたデリラは、気付かれぬように彼の髪の毛を切ってしまいます。敵が攻めてきたとき、サムソンは力を発揮できず、捕らえられ、ガザという町で両眼をくり抜かれます。これが2000年以上の時を経て「ガザに盲(めし)いて」という名作小説になるのですが、盲目になった彼の頭にはふたたび髪の毛が生え始め、ここから彼の逆襲がーーというところで今日は終ります。私が「国際教養論」という講義の中で、このサムソンとデリラの話をしても、ぴんと来ていなかった人は多かったですし、トロイ戦争の話もどうも理解する人が少なかったです。アーサー王伝説にしてもそうでした。しかしそれから二年後くらいニハ、ブラッド・ピットが「トロイ」に主演し、「キング・アーサー」という映画もできました。そして今回の「メイショウサムソン」です。「自分たちとは関係のない話」と思っていた諸君も、私の講義と現代生活が意外に密接に結びついていたのだとわかってくれるといいなと思います。

[Post a comment]

COMMENTS

1 : tiakujo : June 1, 2006 02:44 PM

[私の講義と現代生活が意外に密接に結びついていたのだとわかっ てくれるといいなと思います。]

 はい、私は、先生のブログのおかげで、いろいろ大切な結びつきなどを教えていただいてます。

 余談ですが、社交ダンスの掲示板で、横須賀市教育委員長だった先生を知ってるという方と知り合いになりました。近いうち、こちらに訪問なされるかもしれません。

2 : 湖の騎士 : June 1, 2006 04:05 PM

tiakujo様 初めは学生向けに書いていたものですから、いまもそのトーンが残っていて、社会人の方がご覧になれば「なにを今さら」と思われるかもしれません。それでもマスコミが伝えないことで、意外な知的エアポケットになることは書いておこうと思っています。その意図を受け止めてくださりありがとうございます。ところで社交ダンスの掲示板で知り合われた、私を知っている方にお会いになりましたら、どうかよろしくお伝え下さい。

3 : 悠々 : June 2, 2006 05:14 PM

10日振りに先生のブログを拝見し楽しませて頂いています。
日本人は木と竹の家に住んでいた為か、私を含めて、自分が歴史の中で生まれ育っていると言う実感が持てないで居ると思います。自分の姓の成り立ちも分からないし(尤も庶民が姓を名乗れたのは明治以降のことですが)由緒ある地名とかも簡単に変えてしまう国ですから無理もないのでしょうが、歴史の中の自分と言うことには関心が薄いと思います。
私がフランスのアルル地方をドライブしていた時に、落ち着いた感じのシャンブルドット(農家民宿)を見つけたので、泊めて貰いました。夕食の時に(シャンブルドットは宿泊者とホスト、ホステスが、同じ食卓を囲むのです。)この家は300年くらい経っているのですか?と訪ねると、ご主人はさらっと「ワンセンチュリー」と答えてくれました。
博物館で古代の展示物を見ている時よりも、強烈に自分が歴史の中に生きていることを実感しました。
先生が仰る「私の講義と現代生活が意外に密接に結びついていたのだとわかってくれると・・・・」の実体験でした。

4 : 湖の騎士 : June 2, 2006 10:35 PM

悠々様 おひさしぶりです。「歴史」の中に生活している人々の中に本当に入っておられる感じがよく出ていますね。6月号の「文春」で読んだのですが、日本人の学生は「歴史」を教えても、ポツリポツリと「点」としてしか捉えられず、点と点がつながった「ストーリーを構築できない」ということを、小説家で大学教授が書いていました。私も同感です。そこへゆくとヨーロッパ人は「歴史」をけっこう「ストーリーとして」把握できている気がします。貴フランス便りに書き込ませていただきます。

5 : ひばり吹雪 : June 3, 2006 04:44 PM

サムソンさんかわいそうですね。何か敵国に対して腹立ちます。その時代に私がいたなら。。。あ!そうです。湖の騎士さんには修学旅行の話してなかった。。。ってな感じで6/1,6/2と大阪市中央区を離れ鳥羽・志摩の方へ修学旅行へ行ってきました。かなり眠たいですけどかんなり楽しかったです。この詳細はうちのブログでたくさん書いてますのでまた,こちらの方にお越しください。コメントのほうもよろしくお願いします。こちらの方にもまた伺います。

6 : 湖の騎士 : June 3, 2006 10:18 PM

ひばり吹雪様 サムソンに同情して敵国をに腹を立てるというのはいいですね。しかしこれが「国際的な謀略(ぼうりゃく)」というもので、サムソンはデリラのことを「敵のスパイ」と見抜くべきでした。伊勢志摩の旅行は本当に楽しかったようでよかったですね。これからそちらにうかがいます。