View of the World - Masuhiko Hirobuchi

June 21, 2006

ストップウォッチの魔力 -

テレビ番組は大きく分けて「報道」と「芸能」に分かれます。「ドラマ」も「歌(音楽)」も大別すれば「芸能」に入ります。前回は「社旗を立てた車に乗るとバカになる」ということを書きましたが、これは報道部門にいる人の思い上がりについて書いたものです。そこで今回は「芸能部門の局員を思い上がらせる魔力を持った物」について書きたいと思います。それはなんと「ストップウォッチ」です。ディレクターたちは、スタジオ内でみんなこれを首から下げています。番組を作る際に、いったんスタジオに入ってしまえば、どんな有名人でも大女優でも、ディレクターの指示に従わねばなりません。とくに生番組におけるディレクターの権限は絶大です。天下の有名人たちが、自分の指示の下で動くという快感は、時に人を舞い上がらせます。その快感の象徴が、長い黒紐で首から下げたストップウォッチなのです。これを首に吊るした瞬間、よほど謙虚な人でないかぎり「ああ、自分は大物なのだ!」と錯覚するものです。どの大学の「マスコミ論」でも、こんなことは教えていないでしょうが、メディアの本質にかかわる情報としてお伝えしたいと思います。

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COMMENTS

1 : ひばり吹雪 : June 21, 2006 10:11 PM

へぇ~。そんな感じなんですか。。。

2 : 悠々 : June 21, 2006 10:12 PM

記者には社旗を立てた車、ディレクターにはストップウオッチ、権威の象徴でもあるわけですね。
医者には聴診器、警官にはピストル。確かに廣淵先生のご指摘のように、その職業を権威付ける品物を持つことによって、人格が変わることがありますね。
医者が聴診器を持つことで高い倫理観とか責任感を持ってくれればとても良い事ですが、人の命運を握ったと勘違いされたら困ったことになりますね。
それにしても日本の警官は、何故あんな強力な軍事用の拳銃を携帯するんでしょうね?
敗戦後、米軍の余り物のスミスアンドウエッソンを採用したという経過があったとしても、それから50年以上経って居るんだから一発必殺の大型拳銃は必要ないと思うのですが、、、
イギリスの警官はゴム製の警棒だけですからね。

3 : tiakujo : June 22, 2006 12:37 AM

「メディアの本質にかかわる情報としてお伝えしたいと思います。」

この記事を読ませてもらった私どもだけが知ってると思うと、何だかとても嬉しくて、うふふとほほ笑み得意顔です。

4 : 湖の騎士 : June 22, 2006 11:04 PM

tiakujo様 この記事はある現象をクローズアップで捉えたようなものです。しかし番組を作っている人間の気持ちのウラを分かってテレビをご覧になるのも面白いのではないかと思います。まさに「ウフフ」です。

5 : 湖の騎士 : June 22, 2006 11:10 PM

悠々様 この記事から警官や医者の権威の象徴へと話を広げられ、いろいろなことを想像しました。たしかに日本の警官には拳銃はほとんど要りませんね。ロンドン警視庁を創ったロバート・ピールのよき影響がいまも残っていて警棒ひとつでパトロールしているイギリスの「おまわりさん」(愛称ボビー)のような警官もいていいと思います。私のこの記事はいくらか「戯画化」の要素が入っています。お気付きと思いますがーー。

6 : 直 : June 22, 2006 11:21 PM

こんばんは
 私には借りれる虎の威もなし、ストップウォッチを持てば自分で走らねばならないし、地に着けた大根足で歩かねばなりません。決してたくましくもなく、あっちこっちに躓き足元を見つめながら三歩進みまた二歩戻ったりしています。
 でも、先生のブログを読んだ後は颯爽と前進した気持ちになります。

7 : 湖の騎士 : June 22, 2006 11:34 PM

直様 番組を作っている人間もこの程度のことで舞い上がっているのかと思えばかわいいものだとも言えます。しかし中には舞い上がって害毒を流す者もいます。視聴者の皆さんはそうした事情をできるだけ知っておかれて、時に厳しいご意見をテレビ局にお寄せください。それが番組をよくすることに繋がります。私のブログでいくらかでも颯爽と前進したお気持ちになってくださってありがとうございます。

8 : VIVA : June 23, 2006 07:59 PM

先生、ご無沙汰ばかりで申し訳ございません。また、先日は、tiakujoさんにoff会に来ないかとお声をかけていただき、先生も参加されると聞きまして、ぜひお目にかかりたかったのですが、予定が合わず失礼させていただきました。残念でなりません。
ところで、2005年版のベストエッセイ集を拝読し、ぜひ本と一緒に先生のことも、経歴などを含めて、拙ブログで紹介し、その折にリンクを貼らせていただきたいのですが、よろしいでしょうか。もちろん失礼のないようにご紹介するつもりですが、いかがでしょうか。

9 : 湖の騎士 : June 24, 2006 10:12 AM

viva様 私の方こそご無沙汰で貴ブログの貴重な情報を見落としています。「’05 ベスト・エッセイ集 片手の音」(文藝春秋)をお取り上げになるのですか? 次の「’6」版が出るまでにはまだ2か月ありますから、読んでくださる方もいると思います。よろしくお願いします。

10 : VIVA : June 26, 2006 05:27 PM

先生、ありがとうございます。