View of the World - Masuhiko Hirobuchi

July 26, 2006

ジダンのフランス語とベッカムの英語 -

ジダンが頭突きで騒ぎを起こしてから数日後にフランスの「カナルプリュス」というテレビに出演して語っていたのをご覧になった方も多いでしょう。その時の印象としては「訛りのないフランス語を話しているな」というものでした。語彙の選択とか、言い回しの芸の細かさまでは私には分かりませんが、ごくごく標準の割り合いきちんとしたフランス語だったようです。念のためにパリに20数年住んだ先輩と、8年くらいいた後輩に聞いてみたら、「南フランス訛り(「ミディ訛り」)」がないのに感心した。ということでした。マルセイユ出身にしてはミディ訛りがなく、これは彼が努力して標準語をマスターしたのだと思います。
片やベッカム選手ですが、自らゴールを決めた勝ちゲーム後のインタビューでの談話を聞くかぎり、相当にひどい英語でした。これを言い出すと「差別」ととられかねないので、みんな黙っていますが、「読書をしない」「知的なことに関心がない」といわれる彼は、育った環境から脱してもう少し言葉を磨くという努力をしていないーーという印象は拭えません。その彼をありがたがる日本のファンもマスコミも、どうも世界の標準からずれている感じです。

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COMMENTS

1 : tiakujo : July 26, 2006 08:58 PM

小学生からのコメントとしてください。
いずれの分野でも、他人より抜きんでた人物は、それなりに立派ですよね。でも教養というか、一個人としても精進しなくてはなりませんね。 
そして先生がおっしゃりたいことは、ミーハー的(?)はそのことと共に恥かしいということですね。

2 : 湖の騎士 : July 27, 2006 11:15 AM

tiakujo様 「ミーハー的であることは恥ずかしい」とまでは言いません。実はこの記事は前々回の「イギリスの寅さん」との絡みです。「マイ・フェア・レディ」のヒロイン、エライザ(オードリー・ヘップバーンが演じた)が話す「コックニイ」の英語というのがロンドンにあります。これは社会のかなり下の方の階層の言葉です。これをヒギンス教授が矯正し、立派なレディが話す英語を教えてゆくというのが、あの物語でした。ベッカムの場合は、純粋なコックニイの英語というわけではありませんが、出自を思わせる品のない英語とされているものです。どういう出身であろうと、それを恥じることはありません。堂々と誇りを持って訛った英語を話していいと思います。しかし自分を磨く努力をしていれば、話す内容も発音ももっと洗練されてくるべきだ、とイギリス人は思っています。やはりそれなりの品のある英語を話さないと尊敬は得られないものです。ベッカム選手については、そのことを日本人もよく知っておくべきだと思い、あえてこの記事を書いた次第です。

3 : VIVA : July 27, 2006 02:32 PM

先生、拙ブログに貴重なコメントありがとうございました。
ところでジダンのフランス語とベッカムの英語ですか。気にも留めていませんでしたが、非常に興味深い指摘です。今度インタビューがあったらじっくり聞いてみます。

それとは別ですが、どうして日本人は
『ベッカム様』とか『ヨン様』と、『様』付けするのが以前から気になっていたというより、気味悪く感じていました。『ジダン様』とか『ジーコ様』とは言いませんから、あこがれの王子様のようなもんでしょうか?

失礼しました。またおじゃまします。

P.S. tiakujo様もおられたのですね。先日『エイロクスケ様』をご紹介しました(笑)。

4 : 湖の騎士 : July 27, 2006 10:35 PM

VIVA様 今日も友人たちとベッカムの英語の話になりました。英語を使う本場の人間の英語を外国人である我々が論評するというのもおこがましいと思う方もいるでしょう。しかし一度じっくり聴いてご覧になれば私の指摘にご賛同なさると思います。さて「ヨン様」とか「ベッカム様」といい、「ジーコ様」とは言わない理由の一つが「甘いマスク」であるかどうかだと思います。この尺度で一度ご覧になってみてはいかがですか?

5 : mix : July 28, 2006 09:34 AM

単語を並べているだけの私には人の英語をどうのこうのとは言えないのですが、ベッカムの話し方は "?" と思ったことがありました。私の直感当たったようですね。
「ヨン様」にしても、「ベッカム様」にしても、日本人の大多数がマスコミに操られて、ただキャーキャーといっているような気がしてなりません。
今度はどっちに傾くのかしら?

6 : 湖の騎士 : July 28, 2006 10:13 AM

mix様 ベッカム選手の英語について「?」と思った人は相当いると思います。しかしそれをはっきりとは口に出せないのでしょう。そこでだれかがそんな遠慮を取り払う必要があると思って書きました。ところで「ベッカムさま」「ヨンさま」「キャーキャー」というこの現象は、ミサイルが飛んでこようがどうしようが当分なおりそうもありません。こういう意識の上に乗っかった「世論」というのは、本当に危ういですね。

7 : 悠々 : July 29, 2006 08:51 AM

訛りは国の手形と言いますが、今ではTVとかの普及で、放送界の発音とかイントネーションが、標準語みたいに思われていますね。昔なら、NHKのアナウサーの話す言葉を真似ていれば標準語の習得はOKだったのですが、今のNHKのアナウサーの発音とかは真似たりしたらとんでもない事になります。
徳川家の流れを汲む重鎮アナウサーの撒き散らす害毒は恐ろしい程です。
日本では日本語をきちんと話す授業が学校教育に取り入れられていませんが、親や放送界がきちんとした日本語を教えられないなら、学校でやって貰うしか、正しい日本語を伝える方法はないのかも知れません。
かくいう私も自分の話す言葉を標準語だと思っていたら、地方出身の友人から、それは東京弁だと指摘された事があります。
お国言葉で朴訥と話す人には好感が持てますが、汚い乱暴な言葉で話す人には教養とかが感じられませんね。

8 : 湖の騎士 : July 29, 2006 10:37 AM

悠々様 自分の生まれた土地の訛りがあるのは当然ですし、少しも恥ずかしいことはないです。しかし少しは「良識ある人たちの使う言葉」に近づく努力をしない人というのは、あまり評価されません。方言を使っていても人の心を打つ人はけっこういます。サッカーが上手いということは結構なことですが、日本人はやはり人物評価を総合的におこなう癖をつけるべきだと思います。ベッカム選手をただ有り難がるというのは、情けないですね。NHKアナが日本語を悪化させていることへのご指摘にも共感します。