View of the World - Masuhiko Hirobuchi

December 01, 2006

NHK朝ドラマの決定的誤謬(ごびゅう) -

NHKの朝ドラマ「芋 たこ なんきん」は好評のようですが、またしても気になることが多々あります。その1は、空襲警報が鳴る大阪でこれから軍隊に志願しようとする大学生(ヒロインが思いを寄せている従兄)の髪の毛が長いことです。このころになると、もう男子のほとんどは丸刈り(坊主頭)になっていたはず。ディレクターがそれを知らないか、俳優に遠慮しているかのいずれかです。坊主頭になるのがいやだというような役者はどんなに人気があっても断固として使わないと決めるべきです。 その2はヒロインたちが、同年輩の中学生男子を「- - くん」と呼んでいること。戦後もずいぶん長いあいだ、女子は男子生徒を「くん」などとは呼びませんでした。ましてや戦時中はなおのことです。男子に対する敬意を抱いていました。「くん」というのは、明らかに「目下(めした)」の者に用いる言葉です。私は同年の女子から、一度として「君付け」で呼ばれたことはありません。それが正しいとか正しくないとかの問題ではなく、NHKの朝ドラマは常に「歴史を歪曲している」のです。「小さなこと」と思わないでください。「ディテイルを誤る者は、大局をも誤る者」であり、「真実はディテイルの中にこそ宿る」ものだからです。

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COMMENTS

1 : tiakujo : December 1, 2006 10:48 PM

はい、わかりました。
明日からは、先生のおっしゃてることを思い起こしながら
役者の演技をみていったら、これまでと違った見方ができて
また面白いかもしれません。
だって、少しつまらなく思えてきた所だったのです。

2 : 悠々 : December 2, 2006 12:05 PM

私はドラマ、特に帯びドラは時間に縛られるから見たことはありませんが、先生が仰るような誤りは、有ってはいけないことですよね。
昭和の時代の話でも、今の制作者には時代考証が必要になって居るんですね。
NHKのディレクター達も、六本木や赤坂のクラブで情報収集に精を出してばかり居ないで、制作費は優秀なブレーンやスタッフを使う費用に回して欲しいですね。
贅沢な海外取材をしてみたり、交際費や服飾費を製作下請けに付け回ししたりしているから、肝心の脚本家や考証スタッフ、その他縁の下の力持ちへの待遇が粗略になるんだと思います。
良い作品はそうゆう人達の努力の積み重ねで出来上がるんですからね。

3 : dashi : December 2, 2006 08:47 PM

ほんと、おっしゃる通りです。民放ならともかくNHKですからねえ、出演者に媚びないでほしいものです。やるなら中途半端な五分刈りとかじゃなくて、青々した丸刈りにしないとウソだと思います。俳優も、これも仕事のうちだといさぎよく頭を丸めてほしい。
原作者の田辺聖子さんもいらっしゃるのですから、もっとちゃんとしてもらいたい。
以前、大河ドラマの「武蔵」に出たヒロインがマニキュアをして長いままの爪だったのには、とーーっても白けました。お歯黒だって、最近はしてないことが多いですよね。
言葉使いを言い出したらきりがないけど、時代考証のお粗末さは目に余ります……。

4 : 湖の騎士 : December 3, 2006 10:25 AM

tiakujo様 「自分たちの知識は間違っているかも知れない」という意識さえあれば、もっと物事に対して慎重にかつ謙虚になれるはずです。大組織に働いていて、有名な俳優たちを使える立場になるとどうしても「おごり」が心に生まれます。とくに「歴史」を扱う場合は「自分は本当は何も知らないのだ」という謙虚さが必要です。間違った情報により、世論が形成され、それが戦争を引き起こしたり、他国を不当に軽蔑したり逆に悪の巣窟のような他国を崇拝したりする恐ろしい結果を招くことがあるからです。坊主頭と「君付け」を軽んじてはいけません。

5 : 湖の騎士 : December 3, 2006 10:32 AM

悠々様 NHKのディレクターたちには「自分は歴史を扱うだけの知識はないのだから、よく知っている人に聞いてみよう」という謙虚さがないのだろうと思います。制作予算も民放に比べて数倍はもっているのですから、その気になればよいものはいくらでも作れるはずです。難関を突破して入社試験に受かったというだけで、エリート意識をもってしまうとすれば、もうどうしようもありません。折にふれて電話などで、こうした間違いを指摘すべきです。

6 : 湖の騎士 : December 3, 2006 10:43 AM

dashi様 そうですか「武蔵」でヒロインがマニキュアをしていましたか? それは気が付きませんでした。私がいちばん腹が立ったのは、武蔵(市川新之助=当時)が柳生石舟斉に向かって「俺は強くなりたいんだ!」と叫んだシーンでした。天下の柳生家の総帥で剣豪として名声かくれもない石舟斉に向かって、一介の武者修行者が「俺」という言葉を使うはずがありません。「私」「拙者」「身ども」その他いくらでも一人称はあったはず。この新之助が海老蔵になりやがて団十郎になるのかと思うとやり切れません。人がなんといおうと、この「俺」という一言で、私は今の海老蔵を「大根役者」と断じたい気持ちです。同時にこういうことを役者に言わせているディレクターもとっとと制作現場から消えてもらいたい。マニキュアをした女優はもっともっと干されるべきです。

7 : tiakujo : December 4, 2006 11:20 AM

電話をするのもいいでしょうが、NHKの掲示板へ書き込むのはどうでしょう?
私は先だって、質問に対して、きちんと回答までもらいました。

8 : 湖の騎士 : December 6, 2006 10:15 AM

tiakujo様 そうですね。電話よりも掲示板への書き込みのほうが効果があるでしょう。どうも私はまだ頭が古いようです。ところで4日の「芋 たこ なんきん」でヒロインが「算術の試験のない学校を受験する」と言っていました。昔の高等女学校で教えていたのは「数学」であって、「算術」というのは小学校用の言葉です。もう抗議する元気も失せてきました。しかしやはり諦めずに「言うべきことは言う」姿勢でいたいと思います。tiakujoさんもどうか頑張ってください。