View of the World - Masuhiko Hirobuchi

December 06, 2006

「父親たちの星条旗」 -

クリント・イーストウッドが製作・監督した映画「父親たちの星条旗(Flags of Our Fathers)」を観ました。太平洋戦争の末期、硫黄島を死守する日本軍と攻撃する米軍の間に壮絶な戦いが展開されました。当初アメリカは「5日間で落とせる」と踏んでいたのですが、実際は36日に及ぶ攻防が続いたのです。山の頂に星条旗を立てる米兵の写真は人々の記憶に残っていますが、この旗を立てた兵士たちが、政府当局によっていかに戦意高揚のための宣伝に利用されたか。その後彼らが辿った運命がどれほど苛酷であったかを、抑制のきいたタッチで描いています。「反戦」を唱える一部の日本人たちの戦争史観は、おしなべて底が浅く、ステレオタイプ化していますが、この映画が語りかけるのは、もっと重い戦争の真実です。画面には日本兵は一人も出てきません。日本側からこの戦いを描いた「硫黄島からの手紙」(渡辺謙主演)も前評判が高く、来週公開されます。太平洋戦争(実はこの呼び名はアメリカ製の用語ですがーー)が始まってから、この8日で65年が経ちます。これを機に1つの島の攻防をめぐって、日米双方の立場からきわめてフェアーに描かれたこの2つの映画をご覧になることをお薦めします。私は来週、日本にいる外国人特派員たちとともに、硫黄島の取材に行ってきます。この島で起こった真実を皮膚体験として受け止めてくるつもりです。

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COMMENTS

1 : dashi : December 6, 2006 12:06 PM

わあ、なんだかとってもやり甲斐がありそうなお仕事ですね。ジャーナリストらしいというか。うずうず? 往復のおしゃべりも楽しそう。
チャーター機で空から? 海路だと何日もかかるでしょうしね。
風邪など召されずいいお仕事をなさって下さい。
戦争も経験者が少なくなって、証言を聞くチャンスも先細りで残念です。

2 : yoyo : December 6, 2006 10:27 PM

私もこの2つの映画を 見比べたいなと 思っているのですが・・   "硫黄島" にいかれるとか 是非 "皮膚体験" をレポートしてください。 待っています。 かばん持ちで行きたいです。

3 : 悠々 : December 7, 2006 11:42 AM

硫黄島は米軍が占領後、自衛隊が引き継いでいますから、60年前の面影は薄れているかも知れませんね。
少なくとも水がないとか電気がないという状態ではないでしょうからね。
でも自然環境は変わらないし、一般人は入れないから、荒々しい硫黄の島という事は変わりませんよね。
戦争の傷跡も未だあると思うし、日米両軍の戦死者達の怨念も漂っていることでしょう。
先生の鋭い感性で受け止めたレポートを楽しみに待っています。
お気を付けて行ってきて下さい。

4 : 湖の騎士 : December 7, 2006 11:52 AM

dashi様 そんなに恰好よく行くわけではありませんが、とにかく現地に行かねば見えぬ真実というものを見てきます。またご報告しますので、よろしくお願いします。

5 : 湖の騎士 : December 7, 2006 11:55 AM

yoyo様 想像力だけでは見えぬ皮膚感覚的真実というものがあります。どこまでそれに迫れるかはわかりませんが、とにかく人が見ないことをじっくりと見てきたいと思います。コメントをありがとうございました。

6 : 湖の騎士 : December 7, 2006 12:01 PM

悠々様 どこまで独自取材ができるかわかりませんが、とにかく最善をつくしてきます。報告はこのブログに載せますのでよろしくお願いします。