View of the World - Masuhiko Hirobuchi

December 10, 2006

硫黄島からの手紙 -

渡辺謙主演、クリント・イーストウッド監督の「硫黄島からの手紙」を観てきました。9日の土曜日には、フジテレビで同じ硫黄島での戦闘を扱った「戦場の郵便配達」を観たばかりなので、いろいろと比較しながら観ました。映画の方は、281座席がほぼ満席でした。驚いたのは10代の若者がけっこう来ていたことです。中には小学生も何人かいました。映画の出来ばえについては、ここであえて批評しないほうがよいでしょう。ただ1つ気になったのは、若い兵士たちの日本語の汚さ、品のなさです。「こんなことできねえよ」とか、「俺は知らねえよ」とか、やたらに「ねえ」言葉が出てくる。いま、自分たちが仲間同士で使っている言葉しかしゃべれない役者たちがいっぱいいるのです。監督が日本語を理解できないのをよいことに、こういう品のない言葉を乱発しているのは許せないと思います。言葉が美しくない者は、思想も行動も美しくないという当たり前のことを知らない俳優が多すぎます。そのことが描かれた歴史そのものの価値を貶(おとし)めているという感じでした。それでもアメリカ人監督がスポットライトを当ててくれたおかげで、この島での戦闘のこと、太平洋戦争のことを考えるきっかけが生まれたわけですから、ぜひご覧になってください。我々の考えている戦争と平和と、実際のそれとのギャップがいかに大きいものかが、ひしひしと伝わってきます。

[Post a comment]

COMMENTS

1 : 濱の海猿 : December 12, 2006 09:24 AM

ご無沙汰しています。
先日仕事の都合で硫黄島に行きました。
滞在はものの20分程度でしたが、自衛隊の滑走路上から島の一端を目にしました。海岸付近には戦時中に使用された船舶と思われる残骸が打ち上げられ、スリバチ山ひっそりと島にたたずんでいました。島には自衛隊関係者の他、気象庁?の観測員もいるといった話を耳にしています。

なかなかいけるところではないだけに、貴重な経験となりました。映画のほうは2部作ともまだ見ていないんで、ぜひ硫黄島の記憶が定かなうちに鑑賞したいと思います。

2 : 湖の騎士 : December 12, 2006 10:02 AM

濱の海猿様 硫黄島を実際に訪れることのできる人は少ないです。貴重な体験をなさいました。お仕事そのものにも非常に役立つと思いますし、これからの個人としての人生にとってかぎりなく大きな力になることでしょう。「こういう恐ろしい戦闘場面は見たくない」と思う人も多いでしょうが、我々は「歴史に目をつぶることはできません」。そして「いま大勢を占めている戦争観・平和観では平和は維持できない」というのが私の思いです。どんなに苛酷な過去でも、正面から見据えていかないと、人は同じことを繰り返すものです。ぜひ2本ともご覧になってください。貴重なコメントをありがとうございました。