View of the World - Masuhiko Hirobuchi

February 03, 2007

おしゃれなはずの街のインチキ英語 -

久しぶりに原宿を歩いていました。お腹をすかしていたので、なにか早く食べたいと思い、その気で食べ物屋を(レストランというほどのものでなくていいと思い)探していたのですが、こういう時は意外と見付からないものです。しかしようやくそれらしいビルを見付け、看板を見たら、なんと Itarian と書いてありました。もちろん店の経営者は「イタリア料理」のつもりです。おいしそうなパスタやサラダの写真も店名のそばに貼ってありました。しかし私はもちろん中に入りませんでした。いくらなんでも  Itarian はないでしょう。とにかく Italian としてほしい。ちょっと見ると気が付かないかも知れませんが、「l (エル)」とすべきところを 「r (アール)」と間違えているのです。こういう店を信用できますか? 天下の原宿でこのありさまです。
それを言えば、これもかなりおしゃれな(はずの)ある市の市営プールの脱衣場での話。なんと「rocker」
となっていて、たぶんだれかに指摘されたらしく 「r (アール)」の字をうしろめたそうに削りとったあとがあり、まだ r が残っていました。 「l (エル)」にする予算がないのかどうか? オープンしてから6、7年が経っている税金で建てた体育館がこの始末です。
さらには横浜にある「メルパークホテル」での話。男子トイレの表示がなんと「Mens」となっています。お気付きでしょうが、「Men」そのものが「複数形」なのに、さらに複数のつもりで語尾に 「s」をつけている。このホテルは旧郵政省の関連事業です。その間違いを指摘しても、従業員はなんのことやらぴんと来ていない様子。
もっとひどくてまず90パーセント以上が間違っているのが、 Ladies についての表記です。昨日も渋谷でいくつかの店の前を通りましたが、婦人用品売り場が Ladie’s となっていたり、Lady’s となっていたり、惨憺たるものでした。女子トイレでも満足に書けていないものが圧倒的です。
小学校から英語を教え、教育基本法の改正が行われ、教育再生会議が初会合を開いている日本で、かくもお粗末な英語が街に氾濫しているのです。
「英語のスペリングミスごときにいちいち目くじらを立てるな」と言われるかも知れませんが、日本人の精神のどこかで根本的な退潮現象が起きているのではないでしょうか?

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COMMENTS

1 : 悠々 : February 7, 2007 09:37 AM

私もLとRの区別は出来ない人ですから、とやかく言う資格は無いのですが、オフィシャルに使うときは、調べて正しい用語を使うのは当然ですよね。辞書を引けば済む事ですから。
海外でTシャツのデザインで日本字が使われているのをよく見掛けます。それが変な日本語だったり、漢字が間違っているのとか、裏文字になっているのとかが多見されます。
着ている人に漢字の素養がないのは仕方ないですが、デザイナーは自分の仕事にもっと責任を持って欲しいな、と思ったりします。
デザインだから、と考えればご愛敬で済む範疇かも知れませんが。
逆に日本で売られている横文字をデザインしたTシャツにも随分おかしなものがあります。
スペル間違いもあるけど、書いてある意味が品格を疑わせるような意味の言葉だったりすると、その国の人が見たら誤解するだろうな! なんて余計な心配をしたりします。
「言葉は神なりき。」ですからね。慎重に正しく使いたいものです。

2 : 湖の騎士 : February 7, 2007 11:46 AM

悠々様 こういう類の記事というのはコメントを寄せにくいものだと思います。ご自分のスペリング力に自信がない人が多く、反感を買いがちです。しかしせめてレストラン、プール、交通機関、官庁などには「スペリングミス」のない外国語を書いてほしいものです。おっしゃるとおり辞書を引けばよいのですが、間違った英語を書く人は「自分はあるいは間違っているかも知れない。待てよ、ちょっと調べてみよう」という頭がはじめからないのでしょう。Tシャツにはときどき「環境問題」などを論じた文面がありますが、こちらは文章としてまったくなっていません。驚くべき自信過剰人間がのし歩いている感じです。

3 : 悠々 : February 7, 2007 12:06 PM

湖の騎士様
私の語学力で巷に氾濫しているいい加減な外国語表記を論ずるのには躊躇してましたので、コメントを遠慮していました。
何方もなかなか書き込みをなさらないので、浅学非才の私が浅知恵を披露すれば、他の方が書き込みやすくなると思っての事でした。お恥ずかしい限りです。

4 : 湖の騎士 : February 7, 2007 01:20 PM

悠々様 他の人たちが書き込みやすいようにとのご配慮まことにありがとうございました。「アイスブレーカー」という言葉があります。パーティーやシンポジウムなどで、なかなか誰も発言しないので、一座が氷が張ったように緊張しているときに、座の空気を一気にあたたかくする人がいます。まさに「氷を割る人」「緊張をほぐす偉大な貢献者」です。その役割を荷ってくださった悠々さんにあらためて敬意と感謝を捧げます。

5 : tiakujo : February 7, 2007 04:24 PM

私なんか出る幕ではないけれど、
お二方のコメントを読ませてもらって、とっても為になってます。

6 : 悠々 : February 7, 2007 09:01 PM

アイスブレーカー、良い言葉ですね。日本語には該当する言葉が思いつきません。
話の糸口を探す、ではないし、口火を切る、も違いますね。
座を取り持つ、と言うのが近いかも知れませんが、どうもピッタリの言葉は私の語嚢にはありません。
座が白ける、と言うのはあるんだから、その解決法をピタリと表す言葉があっても良いですよね?

7 : 湖の騎士 : February 7, 2007 09:53 PM

tiakujo様 「出る幕じゃない」などとはとんでもない。どうか気楽にお入りください。悠々さんとのやりとりを楽しんでくださり、しかもためになると感じてくださって本当にありがたいです。どうも話が外国語になると、苦手と感じる方が多いですが、私とて「見るに見かねる」こと以外はコメントしないようにしているつもりです。もっともっとひどい例はいくらでもあります。ちょっと辞書を引いてみるか、という気になってくれれば、世の中はもう少し落ち着くのですがーー。

8 : 湖の騎士 : February 7, 2007 09:58 PM

悠々様 「アイスブレーカー」という言葉がお気に召したようでなによりです。欧米の会合ではだれもしゃべらないとき、「じゃ、私がアイスブレーカー(皮切り、始め屋)になりましょう」といって座を和ませる苦労人がいるものです。いま(  )の中に拙訳を入れましたが、これだとそのものずばりで面白くないですね。こういう時こそ「原語」の出番だろうと思います。

9 : 悠々 : February 7, 2007 11:51 PM

湖の騎士様
そうですね。他に言い換える言葉がない時には、それも誰でも理解できる言葉の時には原語を使うのが自然ですね。
阿部総理が、やたらと横文字を並べて、話をしますが、言い換えられる日本語がある時には、「美しい」日本語を使って欲しいものです。

10 : 湖の騎士 : February 8, 2007 02:35 PM

悠々様 安倍総理は英語を使うことの「マイナス面」を理解していないようです。塩崎官房長官もまた外国の要人との会見に際して「私は通訳は要らない」というそうです。どんなに英語ができても通訳を用い、通訳が訳しているあいだに次に自分が言うべき内容を考える、というのが国際交渉の鉄則です。この内閣にはどうも「必要な知性」というものがない気がします。小泉内閣に知性があったかと問われればちょっと困るのですがーー。