View of the World - Masuhiko Hirobuchi

April 28, 2007

2人の文化人の死 -

今週は世界的に有名な2人の文化人が亡くなりました。アメリカ人でピューリッツアー賞を受賞したデビッド・ハルバースタム氏(73)とロシアのチェロ奏者ラストロポービッチ氏です。新聞もテレビもかなり大きく扱いましたが、はたして一般の人はどのくらいこのお二人に関心があったでしょうか? ハルバースタム氏は1980年代に日本に半年ほど滞在し、名作『覇者の奢り』(Reckoning)を書き上げました。2メートルを越す巨漢でタクシーに乗るのに足がつかえて困っている写真が週刊誌に載りました。ケネディ政権の『ベスト・アンド・ブライテスト』のスタッフたちが、国の政策を誤ってゆく様を描いたあと『メディアの権力』を書きました。マスコミ人間には必読の書で、かなり日本でも大きな話題になりました。こういう固い話だけでなく、氏の関心はきわめて広く『男たちの大リーグ』(原題は『49年夏』)は本当に名作中の名作です。ボストン・レッドソックスとニューヨーク・ヤンキースのペナント争いの白熱ぶりが、手に取るように描かれています。しかしこの本は日本ではそれほど評判にはなりませんでした。今翻訳されていたら、松坂大輔対松井秀喜の対決とも絡んでかなり売れたのではないかと思いますがーー。友人の車に乗っていての事故死というのが、なんとも悔やまれます。私は90年代に夏期休暇中の氏に電話して、私の勤務するテレビ局が主催する国際セミナーへの講師としての参加を打診しましたが、予算的に折り合わず断念しました。東京在住中にも何度かお目にかかったことがありますが、親しい口はきいていません。20世紀を代表する著作家の一人です。心よりご冥福をお祈りします。ラストロポービッチ氏については、またべつに書きます。

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