View of the World - Masuhiko Hirobuchi

August 01, 2007

日本人の特性を見抜いたフランス大使 -

アメリカの下院議会が、日本の従軍慰安婦問題で日本を非難し、日本に謝罪を要求する決議を行いました。戦時中の実態を知らず、そもそもこの決議案が「在米の中国系企業からの多額の献金を受けた」マイク・ホンダ議員の主導によるものであることも全く知らない日本人もいる現在、「自分たちの先祖は何と恥知らずのことをしたのだろう」と思っている人は多いと思います。自分の国に誇りと自信を失っている日本人が、とくに若者の間にふえています。しかし、この決議は歴史的に見て数々の無知と誤解と偏見にみちたものです。それを論破する数々の論文がすでに発表されていますが、そんな論文の存在にさえ多くの人々は気づいていません。まったく気の重くなる毎日です。

ここで思い切って視点を変えて、皆さんが考えてもみなかった(と思われる)日本人の特性を正確に見抜いたフランス人外交官の話をしたいと思います。1921年から27年まで、駐日フランス大使を務めたポール・クローデル氏です。氏は「日本人は経済的にはきわめて貧しい。だが精神的にはどこの国民よりも高貴である」と語っているのです。当時の日本は、今のような自動車産業も、世界に製品が売れる電子機器メーカーもありませんでした。国民の所得は欧米先進国からみればみじめなほど低いものでした。しかし精神的には誇りを持ち、礼儀正しく、約束したことは実行し、清潔で倫理感豊かな国民でした。日本に赴任する前に、ニューヨーク、ボストン、上海、福州、天津、北京、プラハ、フランクフルト、ハンブルクでの領事館勤務を経験し、ブラジルとデンマークで公使を務めて、諸国の国民性をつぶさに知った上での発言でした。彼の日本人観は、10年や20年では変わるはずのない日本人の本質というものを鋭く言い当てたものとして有名です。しかし、この言葉はもとより、クローデルという卓越した外交官の存在そのものを知らない方も多いと思います。詩人にして劇作家、すぐれた美術鑑賞家としても著名で、「都々逸(ドドイツ)」という著作まであるこの方のことをもっと知っていただきたいと思います。

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COMMENTS

1 : dashi : August 1, 2007 07:47 PM

梅雨も明けたそうで夏本番ですが、先生はますますお元気そうで何よりです。(実はちょっと心配していました)

日本の良さは、海外で暮らしてみるとよくわかるんじゃないでしょうか。アメリカ大好きという人が、「レジで間違っても絶対あやまらない」と言ってました。自分が間違うようなことをさせたアンタが悪い、という論法だそうで、私も北京で謝るどころか怒鳴りつけられたことを思い出しました。
言い返す語学力がなくて幸い、えらいことになるようです。空港で女同士の取っ組み合いの喧嘩を見たって話も聞きました。

日本ってつくづく住みよい国だと思います。
駅のホームで、列を作っておとなしくまってますよね。あの光景、考えたらすごいものです。
約束を守る、時間に正確というのも、失ってほしくない美徳だと思います。仏教というバックボーンがあったからのことでしょうか? 
毎日お風呂に入って寝る、というのも素晴らしい習慣だと思います(水が豊かだから、ありがたいですね)。
中途半端に外国の真似をしないで、日本の良さを見直してほしいと思います。

ちょっとズレたコメントでしょうか(笑)。

2 : 湖の騎士 : August 1, 2007 11:27 PM

dashi様 外国に住んだ人はまず日本が好きになりますね。数々の欠点はもちろんある国ですが、他国と客観的に比べる目ができているからでしょう。私が心配しているのは、過剰な愛国心も危険ですがあまりにも自国の歴史に否定的になってしまうように教育された若者たちです。もっと客観的に日本のよさも悪さも知る必要があるということです。クローデル大使の言葉は本当に自信を与えてくれます。

3 : yoyo : August 2, 2007 12:16 AM

初めて"従軍慰安婦”の本を読んだ時(20年程前?)は衝撃で恥ずかしい思いがしました。歴史を見れば どの時代、どの国にもありうる事です。今、何故この問題をアメリカ下院議会が持ち出すのか? その意図を解かり易く解説していただければ助かります。日本人が自ら掘り起こし 恥ずべき行為と認識することは大切ですが 何故アメリカが紛糾しなければならないのか・・??? 日米同盟の今後にも関わりがあるのか? 未来を担う若者達に影響があるのか・? アメリカの強かさなのか? 普通の主婦?には解かりません。

4 : 湖の騎士 : August 2, 2007 09:46 AM

yoyo様 従軍慰安婦の問題を今なぜアメリカ下院が持ち出すのか? それは中国と韓国の執拗な「反日キャンペーン」のためでしょう。もちろんそのための「金」も動いています。これについては稿を改めて解説したいと思っています。今回の記事のテーマは「日本人の国民性を正確に見抜いていたフランス大使がいた」ということを伝えるのが主です。こういう日本人が、周辺の国々がいうような卑劣なことをしたでしょうか? もし河野洋平官房長官(宮沢内閣の)や安倍晋三首相がクローデルの言葉を知っていたら、安易な謝罪などはしなかったはずです。いわば「政治家の教養の欠如」が、今日の「日本叩き」を生んだのです。若い世代には、ぜひクローデル大使の存在を知ってほしいとの思いからこれを書きました。

5 : 悠々 : August 3, 2007 05:11 PM

ポール・クローデル氏が駐日フランス大使を務めていたのは大正時代の事でした。明治時代の日本人の気質を未だ大正の人々は受け継いでいたのでしょう。
日本が軍備を増強し列強に並ぶ軍事力を持ち端また時に、日本人の増長が始まったのだと思います。
東亜共栄圏などと言い出して中国、東南アジアへ覇権を伸ばし始めました。そして日本は一流国家だ、日本人は優れた国民だ、という増慢な考え方が蔓延ってきました。
そして第二次大戦の敗北によりその増長した鼻を一気に折られ、リバウンドで日本は悪い国で国民性は劣悪だ、と考え始めたのです。
言うべき事はきちんと主張する、誤ったことはきちんと謝罪する、という毅然とした態度を取らなければなりません。

6 : 湖の騎士 : August 3, 2007 11:33 PM

悠々様 大正デモクラシーの時代というのをクローデル大使は肌で感じていたのだと思います。大陸の戦争にのめりこんでいったのは愚かなことでしたが、毛沢東はのちに「日本が蒋介石の軍と戦ってくれたおかげで共産党は政権を取れた」と日本に感謝するコメントを残しています。その蒋介石を日本と戦わせたのがルーズベルトであり、日本とアメリカが戦うようにする大陰謀を推進したのが、ソ連コミンテルンだったということが最近の極秘文書公開から明らかになってきています。戦後の教育で「日本がすべて間違っていた」と教えてきたことの大半が実は誤っていたーーという認識が必要な時です。多くの中高年者の現代史認識は、3,40年前の段階で止まっているのではないでしょうか?