View of the World - Masuhiko Hirobuchi

August 27, 2007

今年最大のスクープーー米と北朝鮮の関係ーー -

マスコミ関係者の間では「今年最大のスクープ(特ダネ)になるだろう」といわれる記事が、8月10日(金)の産経新聞に載りました。北京発、伊藤正中国総局長の記事で、「中国戦略関係筋」の話として伝えたものです。これによると、北朝鮮の金正日総書記は昨年10月にブッシュ米大統領にメッセージを送り、「朝米関係を正常化し韓国以上に親密な米国のパートナーになる」と伝えたそうです。ここのところ「アメリカの異常なまでの北朝鮮優遇(甘やかし)」が目立っており、日本人の間に「アメリカ不信」の気分が広がっていますが、アメリカの態度急変の背後に、こうした金正日メッセージがあると分かれば、すべてが非常に理解しやすくなってきます。この北朝鮮の対米接近でいちばん危機感を募らせたのが中国で、以来中国は露骨な「反日」をやめて、「北」および「米」をけん制するためにも日本を重視し、「日本との戦略的互恵関係構築を決めた」そうです。
この記事の確度は高いと見られ、日本の「外交筋」は大きなショックを受けているという記事が斉藤電のヨコに載っています。
なぜこれほどの大スクープが広く他のマスコミ媒体で伝えられないのでしょうか? おそらく斉藤総局長が食い込んだ中国の「戦略関係筋」へのパイプがないためでしょう。完全に「抜かれた」ためで、「後追い」報道をしようにもできないためと見られます。しかしこの記事は、今後のアメリカの動き、中国の動き、さらには韓国の大統領選挙の行方を見るためには欠かせない重要性を持つものです。やがて週刊誌をはじめ他の媒体に、じわりじわりと浸透してゆくものと思います。もっと早く取り上げるべき記事でした。

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COMMENTS

1 : 悠々 : August 27, 2007 05:55 PM

米朝の急接近が事実であるなら、望ましいことなのかも知れませんね。アメリカが正義漢ぶって北朝鮮に武力侵入するんではないかと心配していました。
ベトナム、イラクの教訓をまるで学んでいないかのような危なげな態度でしたから・・・平和的に北を懐柔する事が出来ればそれに越したことはありません。でも、北朝鮮はしたたかですから、上手く対応しないと食い逃げされる危険がありますね。

日本のマスコミは他社にスクープを抜かれるとそのニュースを無視する傾向がありますが、そうゆう狭い了見は捨てて欲しいです。読者が欲する記事は後追いでも、しっかり裏を取って報道するべきです。

2 : 湖の騎士 : August 27, 2007 11:00 PM

悠々様 アメリカは北朝鮮への武力行使はまずできないだろうといわれていました。韓国が猛反対しているからです。もし米が「北」に一発でも爆弾を落せば、北はただちに「ソウルを火の海にする」と脅していました。韓国にとっては米の武力行使は絶対に許せないわけです。一方でノ・ムヒョン政権はさかんに民衆の反米感情をあおってきました。ところが、金正日は「我が国は南朝鮮よりももっと親米的になりますよ」というシグナルを送ったわけです。もし米朝の蜜月が実現したら、韓国はアメリカにも見捨てられかねません。この斉藤電は、韓国政府をも慌てさせている可能性があります。韓国の人々の意識がどう動くのか。12月に行われる大統領選挙から目が離せません。ご指摘のように、日本のマスコミは「他社のスクープであっても」きちんとした後追い報道をすべきです。

3 : HANA : September 6, 2007 12:21 PM

たしかに日本にとっても重要な問題ですね。

米国は拉致問題を対北交渉の優先課題から除外していますし、日本の強硬路線を修正させたいようです。

といっても、これは先生の記事を読んでから産経新聞(Web版)の伊藤正中国総局長の記事を読んで分かったことです。

>北朝鮮の金正日総書記は昨年10月にブッシュ米大統領にメッセージを送り

9月1日の記事では「中央公論8月号で、米安全保障問題専門家のレオン・シーガル氏は、ブッシュ氏が先に金氏に親書を送ったと明かしている。」とありました。

いずれにしても米朝双方の思惑は近づきつつあるということですね。


産経新聞の記事(産経に限らないと思いますが)は難しくて理解するためには何度も読み直さなければなりません。

その点先生の記事はとても分かりやすくて私にもよく分かりました。

そうそう、「'07年版ベストエッセイ集」、ようやく手に入れました。実は何年か前(結婚前の数年)まで楽しみで読んでいたんです。もしかしたら知らずに先生のせく品も読んでいたのかも・・・。久々に手にとって表紙を見たらなんだか懐かしくなりました。

4 : 湖の騎士 : September 6, 2007 11:17 PM

HANA様 コメントありがとうございます。ご指摘の「中央公論」8月号のレオン・シーガル氏の記事というのは正しいと思います。本日発売の「週刊新潮」でも櫻井よしこさんがこの記事に言及していますね。ブッシュ大統領の情けないのは、北朝鮮が核をもった途端にへなへなと脅しに屈してしまったことです。今年の3月だったと思いますが、ヒル国務次官補は北朝鮮の交渉担当をミュージカル「プロデューサーズ」に招きました。この時に「アメリカはなぜそこまでしなきゃいけないんだ!」と思った人は多かったと思います。米朝の「出来レース」は始まっていたのです。安倍首相はこれほどの国難の中にありながら、「お友達内閣」を率いていたのです。国難というものを悟ることもできない頭脳の持ち主なのでしょうね。残念です。