View of the World - Masuhiko Hirobuchi

March 25, 2008

退屈は「罪」という考え -

世界に名高いハーバード大学の教育目標ともなれば、さぞやむずかしく高邁(こうまい)で、一般の人々には手の届かないことを謳っているのではないかとお考えでしょう。ところがこれが大違い。庶民的もいいところで、こんな分かりやすい目標というのもめずらしいくらいです。きまじめな日本人はすぐ「社会に役立つ人材を養成する」といったことを考えがちですが、これも違います。なんと最大の目標は「退屈な人間を作らない」または「退屈でない人間を創り出す」だそうです。キーワードは「退屈」です。これがきちんとした文書になって印刷されているのか、「学則」みたいなものになって配られているのかはわかりませんが、学内の「一般常識」として定着しているそうです。最近の話で、日本の大新聞の大記者が卒業式に出席したとき、学長が上記の趣旨に沿った演説をしました。すると学生たちからは、共感を示す拍手がさかんに送られたそうです。教える方も教わる方も、こういうことがコンセンサスとなって定着している証拠です。今から20年以上も前に、この大学の教授で遺伝子の研究によりノーベル賞を受けたジェームズ・ワトソン博士が、「退屈人間を避けよ Avoid Boring People」という名著を出しました。これはマウスの行動を観察して、その成果を人間社会に応用しようとしたものです。人間もマウスも他人を退屈させる仲間と一緒にいると頭が鈍くなるそうです。賛成か反対かはべつとして、こういう観点から今の日本の政治、行政、教育を見直してみると、「ああ、そういうことだったのか!」という数々の発見があるはずです。とにかく「退屈で (Boring で)あることは罪」という発想が、もっと行き渡れば、国会だって学校だって、恋人同士の会話だって、今よりずっと活気を帯びてくることは間違いないと思います。

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COMMENTS

1 : 悠々 : March 26, 2008 09:21 AM

退屈をしない、させない、という生活を送れたらすばらしいですが、なかなか難しいです。
エスプリとウイット、ユーモア、こうゆう言葉を実践するには相当な博識と知力が必要ですからね。
親父ギャグを連発するのがユーモアだと勘違いしている人も多いし、TVに出てくる芸人は悪態と突っ込みを同じものだと勘違いして下品はギャグを連発するし、嘆かわしいです。
私も自戒しないと、、、品の良い軽妙な会話のキャッチボールが出来るように心がけたいです。

2 : 湖の騎士 : March 26, 2008 10:09 AM

悠々様 小学校のころから「勉強のできる子」「真面目な子」「先生のいうことをよく聞く子」ばかりつくり出しているのが日本です。ここらで頭を切り替えてほしいもの。ユーモアがあり面白い人は、外交交渉などで戦争に突入しそうな危機を何度も回避してきました。とっさのアドリブ力、相手に信頼してもらえる言葉を紡ぎだす能力の大切さを知ってほしいもの。福田総理にはそうした能力はまずないようです。退屈人間の典型だと思います。

3 : 匿名希望 : April 9, 2008 12:13 PM

「頭にちょっと風穴を」を楽しく拝読しました。
管理人さんがテレビ朝日在籍中に、どういう報道姿勢でどのような報道番組を制作されたのか存じ上げていません。
私の無知を承知で申し上げます。
テレビ朝日と同じANNグループに属す朝日新聞を批判しないのですか。
朝日新聞は、北朝鮮による拉致事件を無視する一方、靖国参拝、教科書検定、慰安婦を政治問題化してきました。
中国、韓国、北朝鮮をここまで増長させた朝日新聞の責任は大きいと思います。
身内(?)批判をしないで、洗練だの尖閣諸島だの吉田清治だの言われても、説得力はゼロです。
国民(読者)をバカにしてませんか。
いかがでしょうか?