View of the World - Masuhiko Hirobuchi

May 03, 2008

公安警察に痛めつけられる中国人 -

4月28日の朝日新聞朝刊がまだお手元にございましたら、ぜひお読みいただきたい記事があります。2ページ目です。タイトルは「北京 五輪(実際は5つの輪)百日前 奔流中国 (中)」となっており、大きな見出しとしては「弁護士拉致し『話すな』」「密室の公安尋問3日間」が目を引きます。親中派と批判され続ける朝日にしては、ずいぶん思い切って中国の暗部・日本の政治家やビジネスマン、ジャーナリストがまず想像したこともない現実に踏み込んでいます。政府に対して批判を抱く者が、ある日突然公安警察に捕まって拉致され、密室で厳しい取り調べを受けたこと。李和平という弁護士が長男を小学校に送り届ける途中に後ろから来た車に追突されたこと。現場に来た警官は「この案件は処理しない」と告げたこと。中国に14万人いるとされる弁護士の内で、人権、民主、法治、言論や宗教の自由などのために戦う活動家を支えているのは「20人足らず」であることなどが報じられています。その気になれば、これだけの真実を書けるという見本です。しかし、ふだんあまりにも中国に摺り寄る報道によって、頭が親中的になってしまっている読者にはこの記事の価値が分からないのではないかと思います。とにかくご一読をお勧めします。

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COMMENTS

1 : 悠々 : May 4, 2008 07:22 PM

中国政府の自国民に対する人権侵害の報道は、なかなか伝わってきません。ここへ来て目に余る乱暴な弾圧行為が続けざまに発生しており、一部マスコミも看過出来ずに報道に踏み切ったのでしょう。
マスコミ各社の報道姿勢にはかなりの違いがあり、ガソリン税の衆院による再可決問題などは、否とする社から是とする社まで180度の差異がありました。
個人で複数の新聞を購読するのは経済的にも困難ですから、際立った違いなどを調べられるサイトでもあると良いのですが、、。

2 : 湖の騎士 : May 4, 2008 09:29 PM

悠々様 この朝日新聞の連載は、上中下の3回にわたっていました。いちばん正確に中国の現実を伝えたのが、この2回目(中)であり、上と下の記事はいつも通りの中国擁護でした。日中友好は私も賛成ですが、せめてもう少し正確に中国の現実と「意図」を伝えてほしいものです。メディアの責任は重大です。ガソリン税の再可決で示された「180度ちがう報道」がまかり通るというのは、本当に危険なことです。自分たちはメディアに対する「習熟度」を持っていない国民だということを自覚する人々が、少しでもふえてくれることを願うしかありません。

3 : alien : May 5, 2008 06:07 PM

通常、記事掲載のタイミングには記事の内容と同じぐらいのメッセージ性があると思います。「弁護士拉致し『話すな』」「密室の公安尋問3日間」を書いた記者さんは「これが中国の現実だ」と記事を結んでいますが、この記事を中国国家主席の訪日直前に掲載した朝日新聞は自ずと「真実の報道」以上の政治的なメッセージを付加したと思います。同シリーズの「上」「下」とは違い、内容も必ずしも北京五輪に直結していません。しかし、敢えてこの時期に…。朝日新聞の日頃の傾向や評判を考えますと、かえってこちらの頭が混乱しますが、勇気ある真実の報道には敬意を表します。さて、話がここまでくれば、ヨーグルトの出番だ。私にできる微々たることでもヨーグルト菌を活性化することができるかしら。朝日新聞にこの記者さんの気概を励ます支持を伝えたいと思います。それから知り合いの日本在住の中国人高校生とこの記事の内容について話したいと思います。
Ad astra per aspara 苦難を通して星の高みに…

4 : 湖の騎士 : May 5, 2008 09:41 PM

alien様 この記事については、私も「よくやった」と言いたい気持ちです。そこでいろいろと考えます。この記事は、ふだんあまりにも親中的あるいは媚中的との鋭い批判を浴びている朝日新聞が、「免罪符=世の中に対するexcuse」として書かせたものか、それともあまりに親中的な上層部の意向に反してこの記者が職を賭して書いたものなのかーーというふうに。しかしあまり深く詮索してもしようがないとも思います。曇りのない目で中国の現実を見つめていると、どうしてもこの事実だけは伝える義務があると思う記者がいたのだと思うことにしましょう。私もこの記者の勇気を称えるなんらかの行動を起こすつもりです。お知り合いの日本在住の中国人高校生との会話が実りあることをお祈りしています。それにしてもラテン語はいいですね。Ad astra per aspara それを掌中におさめておられるところがすばらしいです。