View of the World - Masuhiko Hirobuchi

May 21, 2008

パンダをめぐる政治的センス -

石原東京都知事が「パンダなんかなくてもいい。だれがいまさらパンダなんか見たいだろうか? 年間1億円のレンタル料というのは高すぎる。都民の税金をこんなものに使うことはない」という意味のことを言いました。これが世論の強力な後押しを得ており、大切な都民の血税から1億円も支出することへの反感が一挙に高まっています。産経新聞の調査では、91パーセントの都民が知事の意見に賛成だとか。石原さんは何も都民の支持を得ようと思って発言したのではないと思います。自分の考えをそのまま口にしたのであって、政治家としての「原則」に基づいての発言でした。ところが福田首相は、パンダが上野にやってくるというニュースを聞いただけで、国民は喜ぶと思い、政権の支持率も上がると思っていました。だから胡主席が「日中友好の証しとして」パンダを貸与すると言ったとたんに「ありがとうございます」と言ってしまいました。首相は「原則に基づいて」物を言ったのではなくて、「状況を読んで」物を言ったのです。しかしこの読みは外れました。毒入りギョーザ問題などで国民の対中不信感が高まっている中で、「パンダが来れば国民は喜ぶ」と思ったとすれば、ずいぶん国民を舐めた話です。その政治的センスの悪さは驚くべきものです。今さら「もし」を言ってもしようがないですが、もしこの時福田さんが「パンダを貸してくださるご好意はありがたいが、レンタル料を払うのは自治体です。ここは都民の意見もよく聞いてお答をしたい」とやんわりとこの申し出をかわしていれば、ずいぶん株を上げただろうと思います。何事によらず、政治家は「状況」で判断すべきではありません。多少ぎくしゃくはしても「原則」を貫いてほしいものです。

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COMMENTS

1 : 悠々 : May 21, 2008 05:58 PM

石原都知事の銀行への追加出資は気に入りませんが、パンダに関しての発言は大いに賛同しています。都にとっては1億円の支出は金額的にはたいした負担ではないでしょうが、物事には筋というものがあります。筋を通すというのは大事なことです。パンダがいれば子供は単純に喜ぶでしょうが、中国の恩着せがましい態度に尻尾を振ることはありません。
福田さんの甘チャンぶりには呆れるばかりです。外交には駆け引きが付きものです。周りのスタッフに人材を登用すべきです。ご本人が身を引くのが手っ取り早いですが・・・

2 : 湖の騎士 : May 21, 2008 11:17 PM

悠々様 石原知事の銀行経営でのつまづきと追加出資は私も気に入りませんが、今回のパンダに関しては彼の発言はぶれなかったし、あくまで原則を貫き筋を通しました。そこへ行くと福田首相は「なぜ、ああいう阿呆なことを言うのか?」と思わせるほど、お粗末な発言を繰り返しました。こうなれば意見を言えば言うだけ自らを窮地に追い込んで行くでしょう。そのことに本人はまだ気付いていません。

3 : FUMIHITO : May 22, 2008 12:18 PM

福田さんおそろしい感性の持ち主です。

将棋でいう『穴熊戦法』のような形で少なくとも洞爺湖サミットまでは政権を持続させていきたいようですが、日本という一つの国家が危機に直面している中、課題は山積みなはずです。お国のことを本当におもうのであれば、自分能力のなさに気づき早く退陣していただきたいものです。

与謝野氏、小池氏に期待です。


4 : 湖の騎士 : May 22, 2008 03:01 PM

FUMIHITO様 無能な人は自分が無能だということを絶対に悟らないそうです。福田さんが自ら進んで辞職するとは考えられません。日々国益を損ねているという自覚がないのは困ったものです。与謝野氏は有能な人なのでしょうが、顔と声が暗すぎます。もっと明るく、テレビで毎日顔を見ていて国民が楽しい気分になる人でないと、先進民主主義国のリーダーは務まらないでしょう。