View of the World - Masuhiko Hirobuchi

June 02, 2008

「ロープを知る」人がふえてほしい -

あなたが船の乗組員だとします。もしその船の指揮を執る船長が、天候の変化を読めず、船の操り方を知らないとしたら、怖くてとても一緒に航海などしていられないと思うでしょう。船長は船のことについては何から何まで知っているものです。こういう場合「彼は船の操り方を知っている」という代わりに、英語では「彼はロープを知っている He knows the ropes」と言います。ロープを知るというのは、「物事の急所(ツボ)を知る」という意味です。イギリスは昔から海洋国家でしたから、こういう表現が発達しました。練達の船乗りは何十種類ものロプの結び方を徹底的に習います。状況に応じたロープの結び方を知っている船乗りというのは、皆から一ー目置かれ尊敬されます。船の乗り組み員は、こういう船長には安心してついていけます。どうも近頃の日本では、ロープを知らないで国や自治体や団体のトップに座っている人が多い気がします。この表現については、拙著『頭にちょっと風穴をーー洗練された日本人になるためにーー』(新潮社)の「はじめに」の部分で書いたのですが、最近いくつかの書評や記事の中に引用されはじめました。この言葉がもっと普及し、ロープを知る人がふえてくれば、日本社会には安心感が広がりいちだんと活気が出てくると思います。

[Post a comment]

COMMENTS

1 : 悠々 : June 3, 2008 09:12 AM

「紐を結ぶ、」というのは人類の偉大な発明ですね。
私も小型船舶1級の免許を持っていますが、取得講習ではロープワークを徹底的に仕込まれました。ロープワークは船にとっても人にとっても正に命綱ですからね。
このとき山で自分にロープを結びつけやり方と、錨をロープに結ぶ方法とが同じであることを知りました。絶対に解けない結び方です。
反対に船をもやう時には簡単に解けなくてはなりませんから、舫結びは結ぶのもほどくのも簡単に出来ます。
日本の國も「ロープを知る」人物がリーダーを務めてくれることを願っています。

2 : 湖の騎士 : June 3, 2008 11:00 AM

悠々様 ロープを知るということと、政官界の悪習に染まるというのとはまったく別のことです。しっかりした信念もなく、ただ官僚や政治家の振付のままに動く総理はけっして「ロープを知っている」ことにはなりません。フジテレビのドラマで木村拓哉扮する主人公が総理大臣になり、官僚たちの言う通りには動かない。まさに、庶民の鬱憤を晴らすヒーロー役です。テレビドラマだからこんなことができるのですが、彼は政官界のロープは知らなくとも、「人間としてのロープは知っている」と言えば少し褒めすぎでしょうか?

3 : 悠々 : June 3, 2008 03:42 PM

TVドラマは見ないのでキムタクが凛々しい首相を演じているのを想像するだけですが、現実の政界に正義の味方は現れないでしょうね。
もし現れたとしても政界、官界、財界の古狸どもに寄って集って潰されてしまうことでしょう。

4 : 湖の騎士 : June 3, 2008 05:46 PM

悠々様 昨日(6月2日)のドラマで、キムタクはまさに官僚と政治家どもに「いじめ」られていました。彼らの意地悪というのは、相当に現実を映していました。しかしキムタク総理は素朴な疑問をひたすら追求し、ついに「官僚たちの言いなりにならない」意思決定をしました。これは一種のマンガみたいなものだから可能なのでしょうが、秘書官たちと出身官庁の専横ぶりは目に余るものでした。多くの人々はこうしたドラマを通して、はじめて現実の政治を知ったのだと思います。ドラマも貴重な情報源だと思わせる作品でした。

5 : alien : June 4, 2008 06:15 PM

私が船の乗務員だとして、いったい何の船に乗っているのか...数日前、私の検索キーワード入力ミスが原因で偶然にyou tubeで2001年9 11テロアタック検証映画の動画を見ました。内容は、911テロはアメリカの自作自演であるという証拠を理路整然と列挙したものでした。反証はなされておらず、動画の内容は非常に説得力がありました。あのテロさえも自作自演なら、世の中、何を基準に物を判断したらいいのか。Fair is foul, foul is fair. 判断の基準をどこに置いていいかわからず、実に苦しい。自分はフェリーに乗っているつもりが軍用艦かもしれないし、船長がロープを平和結びにしていると思ったら、実はそれは巧みな戦争結びなのかもしれない。以前は、新聞・雑誌・テレビ等に情報源も限られていましたので、たとえそれが情報操作であっても受け手側に迷いは少なく「妥当な判断をした」という実感は持てたと思います。今は膨大な情報を前にして、しかもそれは個人の判断能力を超えていて、考えることの虚しさをかみしめるしかない。大人でもそうなのですから、キレる子ども達が考えるのを諦めて短絡的になっているのだとしたら、痛々しいことです。このような状況下では、どのようなロープを結べばよいのか。たとえ虚しくてもとにかく必死で考えることを諦めないことでしょうか?

6 : 湖の騎士 : June 4, 2008 11:37 PM

alien様 911テロはアメリカの自作自演だという説は当初からありました。しかしそれが理路整然のネットで示され、反論もなくだれでもがアクセス可能ということになると、こちらの方を信じてしまう人も多いでしょう。今まで経験したことのない時代に入っている中で苦しんでおられるお姿が目に浮かびます。しかし、今は大勢の赴くままに行動しマジョリティのすることに従ってさえいれば安心だと思い、そのことに疑問も恐怖も感じない人が多いのも事実です。そうした中で alien 様は少数派になることを恐れず、疑問は疑問として持ち続けておられます。そういう方がもっともっとふえていただきたいと思います。ロープの結び方については、船長たちは「平和結び」とか「戦争結び」といったことを、熟考した上で実行しているとは思えません。ヘボな将棋指しみたいなゲームしかしていないと思います。今夜の「クローズアップ現代」で、「売上げランキング1位の本しか読まない読者」を扱っていましたが、まさに「全体主義」に流れて行っている日本の大衆の怖さを知らされました。これについてはあらためて書きます。

7 : alien : June 5, 2008 07:57 AM

湖の騎士様 ありがとうございます。私はやはり自分の目で見て物理的に納得のいかない現象は疑わざるを得ないと思います。一方、911の自作自演検証動画の場合、解説など人の主観や憶測が入る部分や自分の目で確認できないことの影響は受けてはいけないと思っています。「売上げランキング1位の本しか読まない読者」は、言いえて妙でシニカルな意味でおもしろく感じました。同様に、便利な立地の大型書店がどこも同じ品揃えなのが危うく思えます。実際に読まれている本はごく限られているのではないでしょうか。近所に一目置いている小さな個人書店があります。最新の御著書もその書店で求めました。おさえどころを知っているなぁと思いました。本屋さんとして「ロープを知っている」。

8 : 湖の騎士 : June 5, 2008 09:58 AM

alien様 小さな書店に拙著が売られていたというのは、本当に嬉しいニュースです。2か月ほど前に友人の男女1名ずつからも電話があり、近所の小さな書店で見つけた、と知らせてくれました。「本屋さんとしてロープを知っている」店主も、まだ顕在なのだと知り、元気が出てきました。ありがとうございます。911にかぎらず、アポロの月面着陸はなかったとする論もいくつか出回っています。こうなってくると「何が真実か」を見極める眼力が、一人一人に必要になってきます。そういう中で、カルト集団や扇動政治家、さらには今の自由な体制を覆そうとする勢力はますます巧妙に大衆心理を操ろうとします。皆が持っているブランド品を持ち、皆が読んでいる本を読めば安心という人たちは、本当に恐ろしいです。「孤立に耐え少数派でいるのがカッコイイのだ」という思想が浸透してほしいものです。