View of the World - Masuhiko Hirobuchi

August 17, 2008

五輪報道を見ているのは誰だろう? -

新聞のテレビ欄を見ていると、とにかく朝から晩まで絶え間なく北京オリンピックを放送しています。この報道のために、NHKは夕方7時のニュースまで動かしています。五輪を優先するあまり、テレビ局にとって最も大切であるはずのニュース枠まで前後させるというのは、不見識もはなはだしいと思います。たとえ何人かの視聴者にとってかけがえのないスポーツであっても、ニュースを動かしてはいけません。勝負の結果は20分後か30分後に録画で見せればいいのです。とにかくこの10日間、テレビ編成の当事者の頭は完全に変調をきたしています。まさに五輪一色で、他のことは何にも考えなくてよいという編成の仕方です。全体主義の恐怖といったものさえ感じてしまいます。もういい加減で平静を取り戻してレギュラー編成に戻してもらいたいと思っている視聴者が大半だろうと思います。
私の周囲では、夢中になってオリンピックを見ている人はほとんどいません。「日本に対する愛国心がないわけじゃないが、そんなに大騒ぎすることか」といったさめた見方をする人が多いです。皆さんの周囲にひっきりなしにオリンピック番組を見ている人がいたらぜひ教えてください。食べ物でも番組でも、あまりに過剰に提供されると食傷気味になるものです。テレビ欄を見ただけで嫌になってしまい、「あとでニュースを見るか、明日の新聞で見れば十分だ」と思ってしまうのではないでしょうか? 少し冷たく、ひねくれすぎた見方でしょうか? 早くオリンピックが終わって正常な生活感覚が戻ってきてほしいものです。

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COMMENTS

1 : 悠々 : August 18, 2008 07:06 PM

北京オリンピックのTVを見ない私は変わり者かと思っていましたが、先生の周囲には沢山の私と同類の人が居ると知り安堵しました。TVも新聞もオリンピック一色です。オリンピック報道の特番だけでなくニュースの時間までもがオリンピックに占領されています。そしてアナウサーは絶叫しています。私は仕方ないからTVはこの間CSを見ています。此処はオリンピックとは無縁のチャンネルだけですから。
NHKなどはTV5波のうち4波はオリンピックと高校野球です。私は契約していませんが電波は公共のものです。恣意的な番組構成は慎むべきです。もっと大事な伝えるべき事が沢山あるはずです。

2 : 職人希望 : August 19, 2008 06:37 AM

私は柔道とレスリングの試合を楽しみました。金の選手も銀の選手も試合後の顔はとても素敵で、素直に感動できました。辛い練習を乗り越えてきた、美しい顔をしていました。顔に責任を持つ、ということを形で示してくれました。
スポーツとナショナリズムを結びつける意見もありますが、すがすがしい試合を前にすると、イデオロギーなんて薄っぺらに感じてしまいます。
高校野球もベスト8のほとんどの試合は、どちらが勝ってもいい試合だったと思います。
しかし、チャンネルを変えても同じ番組ばかりというのは、お腹いっぱいという感じですね。社会主義国家のテレビってこんな感じなんでしょうか?

3 : 湖の騎士 : August 19, 2008 07:10 AM

悠々様 五輪報道もサッカーのワールドカップの時も「これでもか、これでもか。そら、感動しろ!」というような「押しつけ」が感じられました。NHKも5波のうち2波くらいは、オリンピックとは無関係の編成をすべきです。そうしないとオリンピックに興味がない人は見る番組がなくなってしまいます。悠々さんのようにCSを見ることができない人にとって、この8月はまさに苦痛の連続だったでしょう。いちばんのダメージは、この期間いつもBS1でやっている「ワールドニュース」という、仏英米西中韓露カタールなどのニュース番組がいっさい見られなかったことです。世界のメディアが五輪をどう扱っているかを知る貴重な機会も失われました。ロシア軍のグルジア侵攻で、どのくらいの被害が出たのか、今後両国の間に平和が保てるのかといった重要な問題を何にも考えない日本人ができてしまったことの損失ははかり知れません。

4 : 湖の騎士 : August 19, 2008 07:24 AM

職人希望様 柔道とレスリングの試合を楽しまれたというのはよかったですね。たしかに勝った選手の顔は美しいし、「こういう顔ができる選手だから勝てたのだ」と思わせました。そこへ行くと期待されながら惨敗した柔道選手などは、畳(マット)に仰向けに転がったまま顔をおおうという醜態をさらしました。五輪はさまざまなことを考えさせます。かつての社会主義国の番組編成は、仰せのとおり年がら年中同じイデオロギーの押し付けでした。選択の余地がまったくないものでした。自由なはずの日本のテレビが、この8月のように全体主義的になってしまうのは恐ろしいことです。もっと醒めた目で北京を見る編成の仕方があるはずです。それにしても今回不振のロシアでこの五輪がどう放送されているかを知りたいものです。

5 : りっキー : August 19, 2008 10:26 AM

五輪は4年に1度なので、ある程度予想している範囲で盛り上がっていると思いますが、私が気になるのは報道の仕方もそうなのですが、日本人の勝負に対してのハングリー精神であったり、表現の仕方の乏しいことです。勝負に関して国の代表であるとの意識があるのかどうなのかとても不振に思うことがあります。この様なことを言うと批判を受けるかと思いますが、五輪に出場して「楽しかった」「出場できてよかった」などどいう感想しか言うことが出来ない選手。他にも出場したかった選手は大勢いたと思いますが、自分が出場したことだけに満足を得ている選手に失望しました。水泳の北島選手はメダルを取ることに執着していましたが、「それでいい」と思いました。国の代表として参加し、実費ではなく自分に予算が割り当てられ競技をしている選手にとっては当然だと考えます。他の国の選手のハングリー精神を目の当たりにすると、いささか不甲斐ない様に思います。もちろん国の特色や状況もあると思います。中国やロシアは、五輪でメダルと取ると将来安泰だそうなので、その点でも日本とは違うと思います。しかし、女子マラソンでの日本の対応はとても納得できるものではありませんでした。野口選手の欠場の決断の遅さ、補欠選手が故障中であった日本の甘さなど、1枠にこだわりが無いように思われても仕方ないと私は考えます。マラソンでは多くの女子選手にまだチャンスがあった様にも思いました。
とはいえ、まだ結果の出ていない競技の選手には大健闘を祈りたいと思います。

6 : 湖の騎士 : August 20, 2008 11:54 PM

りっキー様 たしかに「国費(=税金)を使って出場している」とう意識がない選手が多すぎます。また負けた場合のコメントが貧しすぎます。今日発売の週刊誌に反町ジャパンの敗因は「甘やかされすぎ」という記事が出ていました。真剣に努力している選手もいますが、甘ったれ選手の数の方がはるかに多いです。メディアも感動の押し売りはやめて、少し頭を冷やすべきタイミングに来ていると思います。次回はクールさで知られるロンドンですから、だいぶ静かになる気もしますが、4年経っても同じでしょうか?

7 : alien : August 21, 2008 12:05 AM

4年前のアテネオリンピックの時、私は大人ばかり5人で知人の山荘にいました。 時差の関係で注目競技の生中継が夜中の2時、3時になっても、示し合わせたわけでもないのに全員がゴソゴソと起き出してきて一緒にテレビの前で応援しました。今回は、時差がほとんどなく昼間に競技が行われているというのに、私は「隣の部屋に行ってテレビをつけるのがめんどうくさいな。」と思ってしまいます。選手は選手で、不調、予選リーグ敗退、逆転負け、故障棄権など、なかなか思うような結果につながりません。観る側と競技者側に同時に起こっているこの不振は一体何でしょう。NHKの放送過多が理由というよりも、このような白けた雰囲気の中でオリンピック一色に染まったNHKがハイテンションで空回りしているように思えてなりません。KY-NHK。この停滞の理由をネガィブな出来事が国民のムードに影を落としたものと考えるのは穿ち過ぎでしょうか。選手だって、日頃、我々と同じように社会のムードの影響を受けているのではないかと思います。ちなみにアテネオリンピック以降に起こったネガティブな出来事で思いつくものは、たとえば耐震偽装問題、ライブドア問題、郵政民営化疲れ(実はまやかしだったとわかった)、税率アップ、消えた年金問題、後期高齢者保険問題、連日の近親殺害事件、安倍前総理の突然辞任、物価アップ、食品偽装、福田さんの国益軽視と他人事発言。毒ギョーザetc. etc. そして最後は「せいぜい頑張って」という首相の気のない檄。これでは、スポーツを見る方も行う方も意気揚々とはいきません。「またか」という多数の偽装や不正がボディブローのように効いてきて社会の求心力が減じているのではないでしょうか。

8 : 湖の騎士 : August 21, 2008 09:51 AM

alien様 前回のアテネの時と本当にムードは変わってしまいました。4年前、山荘に集われた5人の方が、だれ言うともなく夜中の2時、3時に「ゴソゴソと」起き出してきて一緒にテレビの前で応援なさった情景が目に浮かびます。その自然さに比べると今回の北京はあまりにも放送局側の無理・押し付けが目立ちます。五輪を開催するのは主催都市という原則にもかかわらず、中国の中央政府が万事を仕切っているように見えます。すべてが人工的すぎて、spontaneous さが感じられません。それにしても過去4年間の日本の精神的な劣化現象と今回の不振とを結びつけられたのはお見事です。まさにご指摘のとおりだと思います。

9 : 悠々 : August 21, 2008 05:04 PM

オリンピックに出場している選手達は確かに自費で参加している訳ではないと思いますが、参加者の内訳を見ると選手以外に役員の参加が多いのが気になります。競技種目によっては選手より役員の方が多いという団体もあります。JOCからの派遣以外に競技団体が独自で役員を出している例も有ると思われますからその数はかなりのもになる事でしょう。
JOCの資料によれば選手は339人、役員は237人だそうです。
JOCの編成表が下記URLに載っています。
http://www.joc.or.jp/beijing/athlete/authorize.html

10 : 湖の騎士 : August 21, 2008 10:37 PM

悠々様 仰せのとおり日本勢は役員の数が多すぎます。ちょっと「利権」や「役得」の趣があり、物見遊山のチャンスと心得ている輩が多いと聞いています。こういうろくでもないおえら方の毒が選手にも感染して、日本チームを弱体化させている可能性は大いにあります。いただいたアドレスに早速アクセスしてみます。ありがとうございました。