View of the World - Masuhiko Hirobuchi

September 05, 2008

候補者乱立は自民に大ダメージ -

党首選びで無競争の民主党よりも多数の候補者が立候補する方が「開かれた政党」としてのイメージが高まり、「党が活性化する」との思い込みから、麻生、与謝野、石原、小池という4人が取りざたされていたのが4日まで。それが5日になると、出るわ出るわ、総理になるには経験も度胸もリーダーシップも政治的手腕も国民に皆目分からない人たちまでが、「我も我も」と総裁への意欲をマスコミに向けてしゃべっています。この現象を見て「自民党は活性化している」とか「オープンでいい政党だ」と思う人がいたら、よほどの単細胞かおめでたい人種というべきでしょう。これらの候補者のほとんどは、良識ある国民から見れば、「君は総理の座というものをそれほど軽く考えているのか?」という疑問を抱かせます。「君に一体そういう『資格』があるのか?」と言いたい人がほとんどでしょう。学級委員の選挙でもなければ、町内会長の選挙でもないのです。国民の生命財産を守る最高の責任者を選ぶのが自民党の総裁選です。これら軽挙妄動組は、明らかに自民党総裁の座というものを軽からしめました。それをした元凶は安倍、福田の両首相でしたが、首相の座をさらに卑小にしているのが、年齢的には若く呆けるにはまだ早いはずの「軽挙妄動」組です。胸に手を当てて考えてみれば、「自分はまだまだそこまで国民の信頼を得ていない」ということがすぐにわかるはずです。次の総選挙への売名行為なのでしょうが、こうしたことを許していたのでは、自民党は間違いなく早期没落の道を辿るでしょう。それを防ぐには、もっと良識ある議員か言論人が、彼らをたしなめ「身を引かせる」しかありません。

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COMMENTS

1 : 悠々 : September 6, 2008 12:12 AM

先ほどまでBS-1で自民党総裁候補各氏のインタビューを見ていました。全く広淵先生のご指摘の通りです。
お祭りではないのですから賑やかなら良いというものでもないし、某大物の言うようにこれで国民の視線が自民党に集まって来て、民主党が霞むという目算を語っていましたが、何を馬鹿な事を!と窘めたい思いでした。
各候補の所信も見当外れだったり、何を言っているのか分からなかったり、こんな人でも総裁候補になれるという事は自民党は余程人材不足なんだと思いました。経験も見識も力量もなくましてや国民が信託する資質など微塵も感じられない軽輩ばかりです。自民党の末期現象なのでしょうか。

2 : alien : September 6, 2008 12:59 AM

湖の騎士様 一言一句、同感です。「課長の昇進試験じゃないんだぞ」と苦々しい思いで乱立する候補を眺めております。それにしても、総裁候補すなわち内閣総理大臣候補としてこの程度の人材しか用意できないのかと政権担当党の終焉を見る思いです。さようなら。
民主党は、自民党総裁選の派手なメディア戦略に強い警戒心を抱いているそうですが、こんな空騒ぎにおじけづくようではどっちもどっちという印象です。有権者としては、早く政界再編をして各党の党是を分かりやすくしていただきたいと思います。
総裁選を見るにつけ、日本の政界から「人品」というものが消えてしまったように思います。黙っていても相手を圧するような人品を備えた政治家がいません。湖の騎士様は、戦後の政治家で人品があった人はどなただと思われますか? 現職ではいかがですか? もし、「人品」が失われてしまったとお考えでしたら、その理由は何だと思われますか?

3 : 湖の騎士 : September 6, 2008 09:40 AM

悠々様 自民党はたしかに末期的な症状に陥っています。この軽挙妄動組の一人は、推薦人のメドさえ立っていないのに、「立候補すればマスコミへの露出が多くなり選挙に有利になる」とヌケヌケと語っています。状況がここまで来たら、「誰が総理なら小沢一郎の民主党に選挙で勝てるか」を自民党員全員が必死になって考え、「党のため、国民のためとあらば自分の小さな主張は引っ込めてでも、XX候補の下で一致結束しよう」とならなければいけません。産経新聞によると自民党の都連が「久々に東京都から候補者が出た。これで活気づく」と喜んでいるとか。都連がいくら張り切っても、日本は活性化などしません。この程度の頭脳・見識の持ち主たちが、自民党最大の地方組織を支えているようでは、まさに「末期症状」です。朝日新聞の報道では町村官房長官が「本当に日本国の総理大臣として、自民党総裁としてふさわしいかどうか、お一人お一人しっかりと考えていただきたい」と苦言を呈しています。当り前の言葉が妙に説得力を持って響きます。それだけ自民党が病んでいるからでしょう。

4 : 湖の騎士 : September 6, 2008 10:01 AM

alien様 「人品」という言葉を久しぶりに目にしました。よい言葉ですね。それを備えた人となると、意見は割れるでしょうが、真先に思い浮かぶのが吉田茂でしょうか。生で身近で接して凄みと迫力があったのが佐藤栄作です。ぎょろりとした目が人を威圧していました。人品卑しからずというのとはちょっと違いますが、「自分は日本国のために命を賭けて仕事をしているのだ。そんな軽薄な質問には答えられるか」といった顔で新聞記者を睨みつけていました。中曽根康弘氏も若いころは軽薄でパフォーマンスばかり人間といわれましたが、だんだん重厚な雰囲気を漂わせるようになりました。数年前に亡くなった椎名素夫氏は、本当の国際人で人格高潔な人でした。現役の代議士の中からだれか一人を選ぶとしたらーーいくら著名人で人品骨柄卑しくない人でも、国会議員でなければ総理にはなれませんからーー数々の欠点があり危うさもあり「人品骨柄」も不満だらけですが、今回の選択としては麻生太郎しかいないと見ています。

5 : 湖の騎士 : September 7, 2008 10:17 AM

alien様 追伸です。自民党の政治家から「人品」が失われた原因というのは複雑で、すかっとした解説ができる類のものではないと思います。考えられるのは「選挙民の意識の低さ」「小選挙区制」「マスコミの軽薄報道」「教育の劣化」「平和ボケ」などでしょう。日米安保に守られて、世界で何が起きようと日本列島の中のことばかり考えてきた結果、政治家に風格とか人品といったものが失われてきました。人品を失わせた最大原因というのは、やはり小選挙区制だと思います。中選挙区制の下では、1位当選はミーハー人気を加算しないと果たせませんが、2位、3位は「政策」や「正論」「本物の人間性」といったもので評価され当選が可能でした。しかし小選挙区制になるとこれが不可能になりました。どうしても大衆におもねり、人品卑しき者たちが大衆的人気によって当選してきます。政党も同一選挙区に複数の候補を立てられません。本当の実力ある者たちがシャットアウトされてきた結果が現在の姿だと思います。

6 : alien : September 8, 2008 09:29 AM

湖の騎士様 いつも歴史の一コマの臨場感溢れるエピソードをご紹介くださりありがとうございます。佐藤栄作元総理の気迫を感じながら楽しく読ませていただきました。
確かに小選挙区制は過酷な弱肉強食の構図を生み、政治家もなりふり構っていられなくなりました。昨夜、テレビで「篤姫」を見ました。薩摩藩士が京都の寺田屋で仲間の薩摩藩士を討つ場面がありました。凄惨な同士討ちを見ながら郵政選挙の刺客騒動を思い出し、今の自民党に「人品」など期待するべくもないと遅まきながら悟りました。小選挙区制を利用した言論圧殺の踏み絵を今の自民党議員は皆で踏み越えて行きました。落選しなかった議員にも十分脅しにはなったでしょう。当選のためにはますます党におもねり、メディアにおもねるしかないイエスマン集団に、人品など醸し出せるはずがありません。
そのことは、一般社会にもあてはまりますね。企業も利益優先で従業員に非情になりました。「人品」という言葉には、なにか懐かしい響きがあります。やはり、巨木が倒れるような大企業の倒産もなく、国が運営する年金の破綻など疑わず、正規雇用もあたりまえだった、一昔前の時代に属する言葉かもしれません。本当によい言葉だと思います。