View of the World - Masuhiko Hirobuchi

December 06, 2008

マンガを読みつつ交差点を渡る男 -

だいぶ前に自転車に乗って携帯でメールをするオヤジーーのことを書きましたが、昨夜は雑誌を広げて読みながら青信号を渡ってゆく男に会いました。なんとまた忙しい男だろうと思って振り返ってみたら、彼が読みふけっているページはマンガでした。地方都市の交差点というのは、せいぜい30秒もあれば(測ったことはないですが)渡りきれるものだと思いますが、その30秒が待てないで読みふけるマンガというのはよほど面白いものだったにちがいありません。「近ごろはなんでもありだよ。そんな男の一人や二人いたってなんの不思議でもないよ」とお思いかもしれませんが、いろんな人間を見てきたつもりの私でもこういう人種に会ったのははじめてでした。この現象から「なんとまた気の短い!」と嘆くか、「そんなことをしていても車にひき殺される恐れはない日本は平和でよい国だ」と思うか、「彼を夢中にさせるマンガを生み出せる日本のマンガ文化はスゴイ!」と感心するか、人それぞれの受け止め方があると思います。中国などでは「車が来たらよけよ!」という街頭標識もあるくらいですから、こんなのんびり歩行者がいるとは考えられません。男は37、8歳。がっしりして肩幅が広くメガネをかけていました。ラフな格好で、堅い勤め人という感じではありませんでした。派遣社員の身分が危うくなっている師走の街です。彼がマンガに読みふける胸中はさぞかし複雑なのだろうと想像したり、「いやなに、何にも考えていないだけかも」と思いなおしたりしました。彼が今後車に轢かれたり、こわいお兄さんにぶつかって凄まれたりしないように、そして幸福にマンガを読み続けられますようにと願っています。

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COMMENTS

1 : 悠々 : December 6, 2008 03:47 PM

横断歩道を歩きながら漫画を読むのはあまり社会に害悪を流す、あるいは危険を及ぼすことはないと思います。
褒められた様ではありませんが、いろいろあら~な!と見過ごしても良いのではないですか。
もしかしたらその男性、麻生首相にあやかろうと寸暇を惜しんで漫画を読んでいるのかも知れませんし、、、
恐ろしいのは車を運転中に漫画本を読んでいるドライバーが多いことです。それもダンプカーとかの大型車の運転手に多いです。ぶつかっても自分はけがもしないからかも知れません。
携帯電話を運転中に使うと罰則があるらしいですが、漫画を読む方がもっと危険です。視覚を使うわけですからね。この状況は何回も見ています。

2 : 湖の騎士 : December 6, 2008 05:20 PM

悠々様 ダンプカーを運転しながらマンガを読むドライバーがいるとは知りませんでした。まだまだ私は世間知らずだと思います。ぶつかっても自分はけがをしないから、好きなことをするというのは、見下げはてた心です。力を持っている者は、力なき者と競ってはいけない、それは「卑怯」だとイギリスの子供は教えられます。体の大きな子が小さな子とけんかをするのは、最も卑劣なことをされ仲間中から軽蔑されます。それは「フェアーではない」からです。残念ながらこういう美学(倫理感)は日本では失われました。ダンプの運転手に真に誇りがあれば、そんな卑劣なことはしないはずです。元の記事より少し視点がずれましたが、悠々さんからいただいた刺激のおかげです。

3 : alien : December 7, 2008 12:03 AM

私がぎょっとするのは、スーツを着た若い人が、白昼堂々、女性も男性も、歩きながらコンビニのおにぎりやパンなどを頬張っているのをよく見かけるようになったことです。こればかりは、何度遭遇しても目が慣れるということがなく、見るたびにぎょっとします。
そして、小さい頃が懐かしくなってしまうんですよね...
家の中でさえ、たまに立ったままでお菓子などを食べていると親から「座って食べなさい」と。どの家でも。
昭和, Come back!

4 : 湖の騎士 : December 7, 2008 12:33 PM

alien様 白昼堂々とおにぎりやパンを食べながら歩いているスーツ姿の男女は、全国ほぼどの街角でも見られるようになりました。人々の神経も麻痺してきて、alien 様のように彼らを見て「ぎょっとする」人はどんどん少なくなっています。こういう歩きながら物を食べる人間がふえたのは、やはりアメリカ文化のせいだろうと思います。粗野なアメリカの田舎の人がこういうことをしているのを見て、なんとなく「カッコイイ」と思った慌て者が真似だしたのでしょう。でもすでにお読みと思いますが、ルーシー・ヴァンペルトは言っています。「洗練された人ってのは公衆の前では物を食べないのよ Refined people do not eat in public.」洗練された人々というのは、昔の日本語でいえば「いい家(うち)の子」ということでしょう。いい家の子が少なくなり粗野な人々が幅をきかせています。とまれご家庭内で、立ってお菓子を食べただけで叱られたというのは、本当に「よいお家で」育たれたのだと思います。鮭は年々帰ってきますが、失われた昭和の美徳は帰ってきません。しかしなんとかしなくっちゃ! 次の本に向かっていきます。

5 : FUMIHITO : December 8, 2008 11:31 AM

お久しぶりです。
私も今年すごい人を見ました。
漫画を読みながら運転するJR貨物の運転手です。
貨物は一つ一つの駅で停車しないし、乗客の命を預っている訳ではないから漫画を読みながら運転してもよいということなんですかね?
しかも運転席には何冊も漫画本が積んでありました。
びっくりです。

6 : ひげなしとの : December 8, 2008 01:56 PM

マンガを読みつつ交差点を渡る男、という表題を見たとき、とっさに麻生首相を指している比喩的な表現かと思ってしまいました。
違うんですね。

2週間ほど前、わたしはJRの自動改札機の入口でマンガを読む小学生を見ました。、
ひとつの改札口の前にランドセルを背負った小学生の女の子が立ち止まっていて、その入口は通れないのかと思って、脇の入口を通過しながら見てみると、それは何の支障もない改札口で、ただただそのマンガを読んでいる女の子が通せんぼになっているのでした。

子供とはいえ、あり得ない、よく分からない状況でした。

7 : 湖の騎士 : December 8, 2008 03:02 PM

FUMIHITO様 お久しぶりです。上には上がある(?)ものですね。皆さんから入ってくる最新情報は驚くものばかりです。でもこのJRの運転手の場合はひどすぎます。線路にはそれこそ危険がいっぱいのはず。踏切では故障したダンプカーが停まっているかも知れません。子供や動物だって迷い込んでいるケースもありえます。こういう運転手は即刻配置換えをしてもらいたいと思います。

8 : 湖の騎士 : December 8, 2008 03:11 PM

ひげなしとの様 このタイトルで麻生総理を連想されるというのも無理からぬところです。私が子供のころは、「マンガはお菓子みたいなもの。こればかり食べていては生きていけない。ご飯(おかずを含む)をしっかり食べなさい」という教訓が生きていました。麻生さんは少しお菓子の食べすぎでしょうか?
さて、この小学生の女の子ですが、なにかに夢中になると人の迷惑もなにも目に入らないのでしょうね。この子が数十年後にどういう「自己中心的で」「他人迷惑な」おばさんになるかを想像すると、ちょっと愉快なような空恐ろしいような、名状しがたい気持ちです。