View of the World - Masuhiko Hirobuchi

January 07, 2009

国連信仰をを捨てるべき時 -

イスラエル軍によるガザ地区への攻撃で、600人もが死亡したと伝えられています。これについて、メールで私に届いた私信には、イスラエルの暴挙を強く非難し、この事態に対して日本政府がなんら調停の動きを見せていないことを嘆くものがありました。今回のイスラエルの行動については、国連も強い非難決議を突きつけています。6日には国連が運営する学校が攻撃され、少なくとも30人が死亡しています。この状況を見て、多くの日本人は殺された人々を悼み、攻撃したイスラエルへの反感を募らせています。それは人間としてのごく自然の感情だろうと思います。しかしこの戦闘はもっと奥深く恐ろしい教訓を含んでいます。それは「いざという時には、国連は役に立たない」ということです。国連の非難決議はたしかに必要であり、一定の効果はあるでしょう。しかし目の前で人が殺されてゆくのを食い止める力はありません。日本人はこの出来事をはるかなパレスティナで起こった不幸としか見ていません。だが、これはいつ我々を襲うかもしれない事態なのです。その時に、十年一日のごとく「国連の決議を経て」と繰り返すのは、あまりにも現実を無視した発言です。民主党の小沢一郎代表が早くこの冷厳な事実に目覚め、今まで唱えてきた「国連信仰」を修正するような発言を行えば、政権はぐっと近づくでしょう。現政権が今回の紛争に対して無力だと私の友人は怒りますが、調停に乗り出すためには、紛争地域の歴史を知りつくし、当事者たちの怨みと憎悪の実態を把握していなければなりません。加えて当事者たちをそれぞれに支援する国々が絡み合う国際的なパワーポリティックス(力の政治学)を知悉することが不可欠です。残念ながら今の日本の政治家にはそれだけの「知力」がありません。そしてこの「知力」の不足、国際常識の欠如という点では与党よりも野党の方がはるかに重症だと思います。

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COMMENTS

1 : 悠々 : January 8, 2009 09:06 AM

国連という組織は常任理事国と一般参加国の二重構造になっていますから、数では圧倒的に多い発展途上国の意見や考え方もなかなか国連の意志として機能しない非民主的な運営がなされています。
国連が紛争当事国に強く働きかけが出来ないのは主要国の思惑で雁字搦めになっているからでしょう。情けないことですが現実としてそうなのですから日本にたとえ優秀な国際政治家が居たとしてもなにを言っても「ごまめの歯ぎしり」と言ったところでしょう。だからといってアメリカが世界の警察だとばかりにやたらと拳を振り上げるのも困りものです。
アメリカを始め第二次世界大戦の戦勝国が何故かイスラエルに対してはことさら見ぬふりをしたり、正当性を認めたりする弱腰は歯がゆいです。ユダヤ人が陰で強大な力を持っているからなのでしょうね。
*明日から私は先生のサイトを見られない状態になります。見られる状態に戻りましたら又お邪魔させて頂きます。

2 : 湖の騎士 : January 8, 2009 06:02 PM

悠々様 国連がいくら正しいことを言っても現実には砲弾は食い止められません。紛争当事者と「話し合いで解決を」と迫ってみても、目の前で起きている悲劇は止められないのです。しかし日本には「話し合い」が有効だと思っている人がいっぱいいます。目の前に爆弾や砲弾が落ちてきた場合、自らの身は自ら守らねばならないのは当たり前の話です。しかし日本はこの常識が通用しない国になってしまいました。(しばらくご無沙汰とのこと。残念です。早くお帰りください)