View of the World - Masuhiko Hirobuchi

February 05, 2009

「八方美人」は韓国では最高の褒め言葉 -

「あの人八方美人だね」といえば、日本では「だれにでもいい顔をする人」「調子がよく信用できない人」という非難する気持ちがつよい言葉になります。しかし韓国では「八方美人」は、「完璧な人」「すばらしい人」という、全面的な褒め言葉になるそうです。この前の記事でご紹介した、呉善花さんの『漢字廃止で韓国に何が起きたか』(PHP新書)の第二章に出てくる話です。私たちは、「同じ漢字を使っているのだから、ほぼ同じことを意味しているだろう」と考えがちですが、これほど広く使われている言葉ひとつでも、
日韓の間の受け止め方はこんなにも違うのかと驚かされます。さらに「多情の人」は「情の深い人」「思いやりのある人」で、これもまた最高の褒め言葉だといいます。日本で「多情の人」というと、「浮気者」「気の多い人」となり、どうしてもマイナスのイメージなのと比べると、「同じ漢字文化圏なのだから」とか「一衣帯水」などといって、他国民も自分たちと同じ価値観を保有していると思い込んでいることの危険性をつくづく思い知らされます。言葉も感性も違う人々と語り合うためには、よほどしっかりした覚悟と知的準備が必要だと思わせてくれる内容でした。

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COMMENTS

1 : 悠々 : February 10, 2009 10:45 AM

漢字文化は中国から朝鮮半島を経て日本に伝わったのですから八方美人の本来の意味は韓国の使い方の方が原典に忠実なのではないかと思います。言葉の意味は時を経ることに変化してふぃくのですから国が違えば反対の意味に変わることもあり得ますね。
先日家人が電話で「最悪」といきなり言うのです。私はなんの非常事態が発生したのかと、考えつく最悪の事態をいろいろ考え巡らせました。年老いた親の死亡、俺俺詐欺にあった、家が火事になった、一瞬のうちにあれこれ思い巡らせたのです。
ところが次に続いた言葉は「人身事故で電車が動かない。」でした。こんな事は最近は日常的に起こっている事象で最悪という範疇には入らないことです。私の最悪という言葉の受け止め方は、最も悪い事態、ですが、最近の若者は一寸したアクシデントにも最悪という言葉を使うらしいのです。言葉は使い古されると陳腐化しますから依り激しい言葉が使われるようになるのですね。
外国と同じ漢字圏の間柄だからと言って同じ意味で使われるとは限らない事があるのは理解できますが、どの言葉が同じ意味で使われ、どの言葉が違う意味に変化しているのかを知ることは難しいですね。
お奨めの本、やっと入手しました。読むのが楽しみです。

2 : 湖の騎士 : February 10, 2009 12:40 PM

悠々様 「八方美人」の使い方は韓国の方が正しいのではないかとのご指摘は説得力があります。本家の中国ではどうかを調べてみたいと思います。その中国では「汽車」は「自動車」のことであり、「手紙」は「トイレットペーパー」だというのですから、漢字文化も複雑です。若者の間で「最悪」が軽んじて使われているというのはよくわかります。かつてはそう簡単に口にしてはいけなかった言葉が、最近は実に気軽に使われています。とにかく慎重に言葉を選び、他国での用い方に気を配っていきたいものです。