View of the World - Masuhiko Hirobuchi

March 14, 2009

振り込め詐欺の国際版 -

振り込め詐欺もますます手がこんできて、最近では電車の網棚にお金と携帯電話を忘れて困っていると称して現金をだまし取る手合いがふえてきたとか。これよりもさらにリアリティのある詐欺が最近、私をも巻き込もうとしました。先月半ばのことですが、よく知っている某通信社の元ワシントン特派員の名前でメールが入りました。全部英文で書いてあります。「いま北京にいるのだが、タクシーの中にお金もパスポートも置き忘れました。ホテルをチェックアウトするためには、どうしても1,500ドルが必要です。これがないと日本に帰れません。ついてはいくらでもよいから下記口座に振り込んでいただきたい」という内容でした。金額もそう大きくないし、なにしろ知っている人の名前で、しかもなじみのあるパソコンのアドレスが入っている内容です。私は一瞬、「これはなんとか助けなくては」と思いました。英語で助けを求めてきたのは、ホテル側のチェックを経て送信してきたのだろうと思い、さらに彼も私も所属している、在京の外国人記者クラブの何人かのメンバーにも同じ文章を送ったのだろうと推測しました。
しかし2,3分すると「待てよ、これはいまはやりの振り込め詐欺ではないか」と気付きました。ちょうど急いで家を出るところだったので、私はこれ以上この件に関わらずにすみました。旅先で講演を終えて帰宅すると、旧知の本人からのメールが届いていました。「先週末から私の名を騙る者がいて大変ご迷惑をおかけしました。私は北京などにおらず、東京にいて次の本を執筆中です」という趣旨のものでした。今回もまた英語によるメールでした。はたしてこの偽メールで被害者が出たのかどうか、いったい何人に偽メールが送られたのかは確認していません。まさかひっかかった人はいないと思いますが、一度入手した他人のメールアドレスを用いてこうした新手の詐欺を働く輩が身近にいるのだということを学んだ一幕でした。おたがいに気を付けましょう。

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COMMENTS

1 : 悠々 : March 16, 2009 02:04 PM

詐欺なのか悪戯なのか、不気味な出来事ですね。
特派員のアドレスと名前が分かっていて、その何人かに英文でメールするというのは手が込んでいますね。
犯人はもしかすると日本語が不得意なのかな?
先生が引っかからなかったのは何よりですが、金額も少ないし、慌てていたら引っかかりますね。
冷静に判断された先生に感服です。
でも、個人情報が漏れているというのは気がかりです。

2 : 湖の騎士 : March 16, 2009 02:49 PM

悠々様 この犯人は明らかに多数の特派員のメールアドレスを握っていると思います。私は「北京で足留めを食っている」はずの友人とメールのやりとりをしたこともあり、発信者はあきらかに「彼」だと思いました。しかし冷静に考えて、もし「彼」が本当に困ったなら、北京にある日本総領事館に助けを求めたり、あるいは自分が勤務していた通信社の後輩支局長に電話して「一時立て替え」を頼むこともできるはずだと思い、「これは詐欺だな」と思いいたった次第です。かつてNYに住んでいた時にも、「ローマの暴力バーで有り金を取られた。いま這々の体でNYに着いた。帰国後ただちに返すので借用したい」といってきた先輩がいました。これはもちろんご用立てしました。これに似た経験はロンドンでもしました。皆さんけっこう被害に会っているようです。しかし今回の詐欺はさらに悪質です。この口座を開いた人間が早く逮捕されることを祈っています。