View of the World - Masuhiko Hirobuchi

March 30, 2009

小沢代表が進退を「世論」で決めるのはおかしい -

小沢一郎民主党代表が、「政権を取るのに有害と判断すれば代表を辞める」という旨の発言をしているのはまことに情けない話です。鳩山由紀夫幹事長も同じ主旨のことを言っています。つまりは「他人様の思惑で進退を決める」ということです。こんな重大なことを世論で決めるというのはおかしいと思いませんか? 自らの良心に基づいて行動すべきです。今回の西松建設の献金問題は、「企業が見返りのない献金をするわけがない」のであり、その献金の効果が岩手・秋田両県で突出した工事受注額となって表れていることは、メディアが詳しく伝えています。小沢氏は「自ら省みてやましいところがない」と信じるのであれば、たとえ総選挙で劣勢に立とうとも断固として陣頭に立って戦うべきです。鳩山氏以下の幹部も、そういう信念のもとに小沢擁立を決めたというのなら説得力があります。しかし、「選挙に不利になったら党首を変える」というのでは、「風の吹き回しで党首を変える」ということになります。「紳士(あるいは君子)というのは状況によって動かない。原則で動く」ものです。民主党はこういう価値観が世の中にあるということを知らないと見えます。小沢で行くなら行く。行かないなら今すぐ党首を変えるべきです。選挙直前に辞任する方が効果が大きいなどと言っている元幹部もいますが、小賢しい計算はやめるべきです。小沢氏には、人がいかに思おうがここは自らの原理原則にのっとって、「退く」ことこそが政権奪取の道だと悟ってもらいたいと思います。続投は明らかに判断ミスであり、醜態です。

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COMMENTS

1 : 職人希望 : March 30, 2009 03:34 PM

白洲次郎のprincipleを思い出しました。

こんなことしてちゃ、女性にもてません。票は逃げていくばかりですね。

2 : alien : March 30, 2009 06:27 PM

「君子は何ごとに臨んでも、それが道理に合っているか否かと考えて、その上で行動する。小人は何ごとに臨んでも、それが利益になるか否かと考えて、その上で行動する。」by 吉田松陰
紳士の原則は共通ですね。

屈折したマキャベリは小沢さんの味方なのではないかと思って名言を探してみましたら、民主党にはお気の毒ながら次の格言がありました。
「決断力に欠ける人が、いかにまじめに協議しようとも、そこから出てくる結論は常に曖昧で、それ故常に役に立たないものである。また、優柔不断さに劣らず、長時間の討議(党議!)の末の遅すぎる結論も、同じく有害であることに変わりない。」
先人はとっくに答えを知っていました!

3 : 悠々 : March 30, 2009 08:21 PM

小沢党首の記者会見を運転しながらの、ながら聴取でしたが、言っていることが矛盾だらけでした。
どうも政治家は小沢党首に限りませんが、「君子豹変す」の人が多いようです。
企業献金を受けている政治家は小沢さんだけではなく自民党にも大勢居るはずで、検察が狙い撃ちしたのは解せませんが、当事者が検察の非公正をアピールしても説得力はないですね。
それこそ世間様が言い出すべきものです。
記者会見でも、「世論によって進退を決める。」と言っていましたか、今回の千葉県知事選で世論の動向ははっきりしたのですから、おそらく明日にも党首から降りるという発表があるはずですよね?
でも、しがみついたままだろうな!

4 : 湖の騎士 : March 30, 2009 10:48 PM

職人希望様 白洲次郎がこれほどブームになっているのに、小沢・鳩山両氏とも principle というものの重要性を認識していないようです。たとえ見せかけでもよいから、「我らは原則で動く。そこが状況で動く与党とは違うのだ」と大見えを切ってもらいたいものです。状況で動く政権、民意ばかり気にして原則のない政権は危なっかしくて見ていられません。

5 : 湖の騎士 : March 30, 2009 10:56 PM

alien様 吉田松陰とマキアヴェリの名言を直ちにご紹介くださり本当にありがとうございます。人間観察にすぐれ、古今東西の歴史を知る人はこういう箴言を残しているのですね。それにしても小沢・鳩山両氏は、ああいう発言をすることが「君子としての恥だ」という認識がないのは困ったものです。「他人任せ」「世論任せ」で動くのなら、今まで人間として政治家として積んできた研鑽というのはどこへ行ってしまったのでしょうか? あるいはもともと研鑽なんか積んでいなかったのでしょうか?

6 : 湖の騎士 : March 30, 2009 11:05 PM

悠々様 ラジオを運転しながら聴いておられて「矛盾だらけ」とお感じになったというのは、小沢氏の発言が矛盾だらけだったことの何よりの証明です。道路事情などに気を配りつつ聴いている人に「おかしい」と感じさせるようでは本当に困ります。メモでも取りながら、テレビを観ていた人はもっと矛盾を感じたでしょうね。健全な野党は民主政治にとって不可欠ですから、この両氏には本当にがんばってもらいたいです。代議士会で「ここはお引きいただいた方がよい」と小沢退陣を迫った小宮山洋子氏のような人がもっと出てくるような党であってほしいです。「世論の動向を見て決める」と小沢氏が言う場合は「私にとって有利な世論が出てきた場合はそれに従って動く」という意味で、自分に不利な世論には耳をかさないのでしょう。

7 : niraikanai : April 1, 2009 11:55 PM

湖の騎士様

久しぶりのコメントを書いております。

小沢氏の言動や、麻生首相の発言をニュースで見ていると、
「政治家はこうも自分の意見をころころと変えて恥ずかしくないのか、矛盾した自身の言動を何とも思わないのか」と
不思議な気持ちになります。

白州次郎氏が活躍した頃は、あのドラマや正子夫人の本などで
しか知らないのですが(私はまだ30代です)、昭和初めの頃から戦後間もなくまでは、「自己を犠牲にしても政治や国民を一番に考える・見返りよりも一旦決めたことを貫く」という
姿勢の政治家が多かったように感じます。武士の精神のような
ものが残っていたのでしょうか・・・

話がポマードや香水に戻りますが、ポマードが「時代遅れの民」の象徴だったとは知りませんでした。
私の祖父(84歳になります)は数年前までつけていましたし、
若い頃の写真ではいつも“ばっちり”決めていました。おじいちゃんこだったせいか、ポマードの香りは好きです。
恐らく、現在はやらないのは、他の整髪料が充実していて男性も女性並みに髪のおしゃれを楽しみたいからでしょう。
多くの男性の友人がいまは美容院に通っていますから。

長くなって恐縮ですが、「香水」は確かに発展途上国の女性のほうが多く(量も多く)つけていますね。これは、私の独断でしかありませんが、タイなど売春でお金を稼がざるを得ない女性はやはり、服装や香りで男性にアピールする。これが原因のひとつなのかなぁと考えました。そうだとすると、同じ女性として、とても悲しい気持ちになります。
日本にいて、こういう香水がいい、あのバッグがいいなどと言っている私たちがいかに恵まれているのか考えてしまいます。

8 : 湖の騎士 : April 2, 2009 02:50 PM

niraikanai様 お久しぶりです。政治家の言動がくるくる変わりますが、そのことを恥と思わないのは、受けてきた教育のせいなのか、社会全体の風潮と連動しているのか、本当のところは分かりません。しかし国のリーダーになろうとする人は、自分の身を犠牲にしてでも(場合によっては暗殺されても)国家国民のために尽くす覚悟が必要です。一般庶民より数段すぐれた見識・教養・度胸の持ち主であるべきです。ところが二世、三世議員が最高の権力者になってしまう現状では、トップリーダーにそこまで求めるのは無理なのでしょう。
話が変わって整髪料と香水のことです。カッコヨサの基準というのは時代により地域によって変わりますので、今の基準で過去を見るのは間違っていると思います。お祖父様のポマードの香りが好きだったというお気持ちはよく分かります。そういえば私も父のチックのにおいが好きでした。そしてさらに、強い香水のにおいに発展途上国の女性たちの悲劇を思われるという想像力には感服しました。私の想像はそこまでは及びませんでした。貴重なコメントをありがとうございます。

9 : alien : April 2, 2009 05:16 PM

以前、湖の騎士様から小説「背教者ユリアヌス」をお薦めいただきました。
滅びゆく末期のローマ帝国を舞台とした「背教者ユリアヌス」の中で現在の日本の政局と重なって見える現象が描かれていて「いよいよ日本も末期症状か」と背筋にゾクッと冷たいものが走ったのを思い出しました。末期ローマ帝国の有力者達は国の利益を度外視してひたすら己の権力拡大を追求していました。たとえば、国境周辺の警護にあたっているライバルを蹴落とすために隣国と通じて敵を自国に攻め入らせたりするエピソードが描かれていました。本末転倒です。日本でも、自党の言い分を通すために国会での重要採決を取引に使ったり、今回の民主党の件もprincipleよりも政権交代への野望が判断基準になっています。全てが政局の思惑中心に動いているように見えます。年初にテレビで某自民党総裁候補のインタビューを聞いて驚きました。「100年に一度という難局にあたって第一番にやらなければならない政策は何ですか?」との記者からの問いに、政治家は億面もなく「選挙に勝つことです。それしかありません。」と答えていました。こんな暴言が問題にならないのが不思議です。国民の生活など忘れられているようです。よく「小競り合いに勝って、戦争に負ける」という言葉を聞きます。「政局に勝って、国が亡くなる」ということもあり得るのではないでしょうか。滅亡した国の歴史から学ぶことは多いと思います。

10 : 湖の騎士 : April 2, 2009 09:15 PM

alien様 たしかに『背教社ユリアヌス』には自分の権力拡大のためにローマ帝国内に異民族を導き入れる不心得者のことが描かれていました。日本でも二十数年前から自国の悪口を他国に「ご注進」して自分の勢力拡大をはかる政治家やマスメディアが暗躍しています。まさに末期症状です。国会での駆け引きは国益とはほど遠く、党利党略で動いています。今回の民主党のように、あからさまに「政権交代に有利なようにやります」と広言することが、教養の欠如であり倫理感の欠落だと悟れない首脳部がいるのは情けないことです。そしてメディアもそこのところをもっと鋭く批判できない。ホテルのバーで高い酒を飲むことは許せないけれど、「政権を取るために疑惑だらけの党首を据え置く」のは許せるのでしょうか? ご指摘のように政局に勝って国が亡くなるということもありうるでしょう。メディアはいま最も重要なことを行えるかどうかの瀬戸際にきています。それにしても皆さんもう少しローマ帝国の衰亡の歴史を知ってほしいものです。塩野七生さんはずいぶんがんばっておられますし、辻邦生先生も多大な貢献をなさっていますが、迫り来る危機に気付いている人が少ないのが気になります。