View of the World - Masuhiko Hirobuchi

April 25, 2009

どう思う? 草彅剛くんの愚行 -

23、24日の両日、マスコミはSMAPの草彅剛くんの引き起こした「事件」で大騒ぎでした。もっともさすがに24日(金)の午後あたりからは、「草薙容疑者」から「草薙さん」と表現が変わりました。なにか重大犯人が急に普通の市民になったようで、彼に対する印象もよくなったようです。この事件に関しては、当の草彅くんよりも、これを批判した人のほうが「人物を試された」気がします。私の見るところ、最も「男を下げた(旧い表現で恐縮ですがーー)」のは鳩山総務大臣です。「ぜったいに許せない」「最低の人間だ」と、息巻いていました。顔には怒気がはっきりと表れ、目が怒りにみちていました。これをテレビ・ニュースで見た人の多くが「何を大人気ない」と感じたと思います。石原慎太郎東京都知事は「フラストレーションがたまっていたんじゃないか。少し騒ぎすぎじゃないの」と言っていました。この辺が大方の人々の感想だろうと思います。草彅くんが行ったことはけっして褒められたことではありません。しかし、この程度のことに関しては、反応する側は「センス」を問われているのです。その反応が「正しいかどうか」ではなく「センスがあるかどうか」さらに言えば「人間としての奥行きやユーモアがあるかどうか」が問題です。
同じようなことが江戸時代に起こったとします。まさか町奉行がコメントするわけもないでしょうが、担当の役人の「ちと元気がよすぎたようじゃの。以後気をつけい!」で一件落着でしょう。「鬼平犯科帳」の主人公長谷川平蔵なら「べつに人に危害を加えたわけでもなかろう。お灸をすえて、あとは捨て置け捨て置け」といったところだと思います。今のイギリスで起こったらどうでしょうか? 元東京特派員たちに電話で取材してみたいところですが、この程度のことで私までが大騒ぎしていると思われては癪にさわるので、やめておきますが、近く東京にいる最もセンスのありそうなイギリス人に会ったらさりげなく聞いてみようと思っています。

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COMMENTS

1 : 悠々 : April 25, 2009 10:37 AM

全く先生のご意見に同感です。江戸の名奉行で無くとも、フランスの警官だったら、逮捕などという愚行はしません。風邪を引くよ、もう家へ帰ろうよ。でおしまいでしょう。草彅くんの行為より総務大臣やマスコミの反応の方が責められるべき物です。鳩山大臣は後で発言を訂正する羽目になりましたが、その会見で最低の人間というのは訂正する、最低の行為とする、とこれ又女々しい訂正振りでした。人間の器量が問われる会見でした。

2 : 湖の騎士 : April 25, 2009 01:00 PM

悠々様 こうしたブログなどを通じてマスコミ、警察、総務大臣に批判的な人々がふえている気がします。鳩山総務相の「訂正会見」は見逃しましたが、彼は自分がセンスがなく、頭が悪いということを悟っていないようです。簡保の宿の「売却待った」で人気を得たので、もう一度ヒットを打ちたいと思って力んでいるのでしょう。そして本気で総理大臣になりたいと口にしているという記事が5,6週間前の週刊誌に出ていました。大衆に受けようなどと余計なことは考えず、もっと地道に職務に励んでもらいたいものです。

3 : yoyo : April 25, 2009 10:32 PM

御無沙汰しています。今回のニュースのとらえ方にはかなり偏見があるような気がします。家宅捜査までするのは(尿検査で疑惑が出ていないのに)遺脱しているのではないでしょうか?
芸能ニュースに疎く フアンでもありませんが・・ 
なんか・・違う・・という感じです。コメントしている人の反応も 違和感がありました。勿論 当事者も自分の行為に責任を持って・・有名税がある事を自覚して欲しいと思いますが・・。

4 : 湖の騎士 : April 25, 2009 11:26 PM

yoyo様 お久しぶりです。今回の事件では、1.警察の対応 2.マスコミの騒ぎすぎ 3.総務大臣の高圧的で無粋な発言など 考えさせられる要素がいくつかありました。いずれも「日本が幼稚になっていること」の表れだと思います。草彅くんをよってたかってバッシングする中で、マスコミの一社くらい、あるいは広告主の一社くらい、彼を擁護するところがあってもよかったのに! 擁護すればしたで、今度はその社を袋だたきにするのでしょうが、「全体主義的風潮」が恐ろしいです。わけてもいただけないのは鳩山総務大臣の発言と顔付きでした。あんなに怒るというのは「野暮の骨頂」です。

5 : chisato : April 26, 2009 02:01 AM

彼は服ではなく、ほかの「何か」を脱ぎ去りたかったのではないでしょうか?
たとえば、自分を覆っている虚像とか。
うがった見方をすれば、「裸の自分」をさらけだしたかったのかもしれません。

本来、「タレント」とは、才能を持った人を指す言葉のはずですが、マスメディアを賑わす程度でそう呼ばれていることに違和感を覚えます。

私は、日本の離島でTVも新聞もない生活をかれこれ2年続けており、自分に必要な情報はネット上から取捨選択していますが、それでもこの程度の事件(?)がかまびすしく伝わってくることに呆れています。

蛇足ながら、どうせ謝罪会見をするのなら、『僕は、裸一貫から出直します』と洒落でも効かせれば芸能人として一皮むけたはず。しかし、その一歩を踏み出せないところが彼のジレンマのようで。

6 : 湖の騎士 : April 26, 2009 10:51 AM

chisato様 新聞もTVもない離島でお暮らしとは存じませんでした。非常に貴重でユーモアあふれるコメントをありがとうございます。たしかに「才能」なき者を「タレント」と呼ぶ風潮はいただけませんね。俳優とか作家とか他の人にはない特別のセールスポイントがなく、ただチャラチャラとTV画面に出てくる「端役」を最近はタレントと称しています。残念なのはもし草彅くんが「裸一貫から出直します」と宣言しても、その洒落を解するTVマンや新聞記者がいないであろうことです。中には「ふざけている。まだ反省が足りない」などと居丈高になって彼を責める手合いいるでしょうね。野暮が多くて疲れます。

7 : niraikanai : April 27, 2009 10:38 PM

ご無沙汰しております。

私も湖の騎士様の、「大臣のほうが格を下げた」という
考えに同感です。
芸能人として行政に関わる仕事をしていた関係上、
責任ある行動を、という認識はわかりますが、あれほど
草薙さんと批判し怒りを露わにするのは「全くユーモアのない(余裕のない)頭がかたい政治家」だということを
露呈してしまっていてがっかりしました。

そしてchisatoさんの
「彼は服ではなく、ほかの「何か」を脱ぎ去りたかったのではないでしょうか?たとえば、自分を覆っている虚像とか」という見方は、私も感じていました。
「いい人」を演じつづけて、疲れてしまったのではないでしょうか?仮面を外して深呼吸をしたかったのではと思いました。

8 : 湖の騎士 : April 27, 2009 11:26 PM

niraikanai様 貴重なご意見をありがとうございます。鳩山総務相の困ったところは、「自分はセンスがない」ということを悟っていないことです。ユーモアも知性も感じられない御仁ですね。草彅くんの記者会見は立派でした。今日の東京スポーツでは、「ジャニーズ事務所に言いたいことが溜まっていたのではないか」という記事が出ていました。今回の件については大騒ぎしたマスコミ、逮捕し留置までした警察、それに鳩山大臣への批判の方が、草彅くん本人への批判よりも大きくなっているように見えます。世論は彼を糾弾した側よりもよほど賢明なようです。

9 : alien : April 28, 2009 09:55 PM

昭和20年代初期の田舎の村々の風習や暮らしを紹介した文庫本を読んでいます。その最初に、電気もなく、移動も徒歩か馬だけの山あいの集落の歌合戦のことが書かれていました。かがり火を囲んで村の衆も旅人も追分とか浄瑠璃、盆踊りに似た歌などを午前2時、3時まで熱狂して歌い合うのです。夜が更けるにつれて歌詞もどんどんセクシーになり、いろいろなものを賭け始め、そしてついに男対女で文字どおり「体をはった」歌合戦になったそうです!私は、草なぎ君のことが頭をよぎり「今、赤坂でやったら逮捕だな」と思いました。でも、この歌合戦の明るさ、奔放さ、愉快さは「古事記」の天の石屋戸あたりの情景ととても似ていると思いませんか? 「あめのうずめのみこと」がトランス状態で白眼をむいて過激な裸踊りをするのを見て神々は地響きがするほど笑ったんですものね。最初に古事記を読んだ時には、暴力あり、嫉妬あり、エッチありの神々のあまりの行状に驚いたのですが、でもなんだか気が楽になりました。人間はしっかりし過ぎなくてもいいんだ、神様だってあのとおりですからねって。理屈を振り回してギリギリと人を責めあげたりしない日本の精神文化って、本来はなんておおらかなんだろうと思いました。鳩山大臣の怒りの形相と「あめのうずめのみこと」の恍惚の踊りを同時に思い浮かべて大笑いしたくなりました。鳩山さんの激怒も、この文化土壌では無駄な抵抗に思えるなぁ。我々も昔の人のようにおおらかさを失わないようにしたいですね。

10 : 湖の騎士 : April 28, 2009 10:30 PM

alien様 わずかこれだけの記事から、古代の神々の世界へまで想像をお広げになる頭脳(というか感性)に脱帽です。日本の精神文化のおおらかさというのは、世界に誇りうるものです。それを理解しない野暮天がふえてきて、自分は絶対に正しく他人は絶対にまちがっているーーと思っているのが実情でしょう。鳩山大臣の父や祖父の時代には、今回の草彅くんのようなことをする「蛮カラ」な生徒がけっこう評価されたこともあったのです。彼らは阿呆なことと分かってやっていました。それも青春の稚気の発露でした。ここまで行かなくとも、似たようなことは世界各地で行われているのです。草彅くんをとがめるなら、もっと粋に咎めてほしかったと思います。