View of the World - Masuhiko Hirobuchi

May 17, 2009

鳩山新代表へーーアイスキャンディーは所詮は溶ける -

ろくな政策論争もないままに、民主党の代表が決まりました。失望した人々は多かったと思います。一般国民はおろか民主党員でさえも代表選びに参加できず、議員総会であたふたと代表を決めたというのは、拙劣でした。せめて3,4日かけて、経済・財政・教育などについて、熱い論争を繰り広げるべきでした。とりわけ外交、安全保障、国連との関係、日米問題などについて根本的な議論をしてほしかった。国民は民主党の外交ビジョンの不足に危惧を感じているのです。鳩山氏は、小沢氏についてもしかるべきポストを与えて処遇すると発言しましたが、それをすれば民主党にとって大きなダメージとなるでしょう。今なすべきことは、「小沢色の一掃」です。小沢さんも、「自分がいかに嫌われているか」を自覚してほしいものです。後継者たちに影響力を残したいなどと考えないことです。昔の中国で「四時の序、功をなす者は去る」という名言を吐いた人がいますが、春は夏が来れば去り、木の葉は晩秋になれば散るものです。過去にどんなに功績があっても、今はその存在が邪魔になることは、人生にはままあるもの。「後任たちの邪魔にならないように」そっと身を退くのが、男の美学です。鳩山氏には、小沢氏にいっさい気を遣うことなく、「これが新生民主党だ」という人事を行ってほしい。そして「愛のある政治」などと、高校生並みの生ぬるいことは言ってないで、もっと実現可能な具体的な目標を掲げてほしい。与党に緊張感を与えるような迫力を期待します。「中曽根さんに『ソフトクリームからアイスキャンディーになってきたな』と言われた。『芯ができてきた』という意味です」と鳩山氏は議員総会で話していました。じつに嬉しそうな自画自賛ぶりでした。しかし皮肉な見方をすれば、ソフトクリームにせよアイスキャンディーにせよ、しょせんは時がくれば溶けるよ。君は時の審判に耐えて生き残れるのかい? という意味のことを、中曽根さんは言いたかったのかもしれません。大いに気を引き締めて、この難局に臨んでほしいものです。

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COMMENTS

1 : 悠々 : May 17, 2009 09:47 PM

以前、美しい日本を作る、と宣った方が居ましたが、今度は愛のある政治をするというのですが、政治家は自分の政策は抽象的な言葉ではなく、実体のある言葉で話して欲しいです。
愛のある施策と言うのは小沢前代表に対する思いやりなのではないの?と思わせるような人事構想では失望してしまいます。
どたばたと拙速で後任代表を決めたのは、後任選びに時間を掛けてじっくりやると、党内の亀裂が大きくなり、分裂しかねないのか、国民に納得させられるきちんとした政策が無いのを露呈してしまうからなのか?
いずれにしても民主的なやり方ではありません。政権を任せたら支離滅裂なことをやりかねないという危惧を感じる代表選びでした。

2 : 湖の騎士 : May 17, 2009 10:07 PM

悠々様 民主党は非常に貴重なチャンスを失ってしまったような気がします。麻生首相の失政が続いたので「風は民主党に吹いている」と思い込み、その楽観的な記憶からまだ目覚めていないのでしょう。しかし風向きも潮の流れも小沢氏の公設秘書逮捕を境目にはっきりと変わったのです。渦中にいる者には、その流れの変化が見えていないのでしょう。党内の融和に気を遣うあまり、小沢氏を重用したりしたら、肝心要の国民の支持はあっという間に失ってしまうのに! やはり鳩山氏は「甘い」という印象ですね。抽象的な美辞麗句を並べるだけで、腹にどすんと響くような言葉が吐けない人です。アイスキャンデーは甘くてもやがて溶けてなくなってしまいます。日本の民主主義にとっては残念なことです。

3 : alien : May 19, 2009 01:17 AM

これまで特段政治を注視してきたわけではないごく一般的な社会人の私が、小沢さんの政治家としての実績を思い返してみようと思っても、政局の切った貼ったのニュースの断片しか思い出せない気がします。不勉強で申し訳ありません。しかし、国会議員には国民の記憶に強烈に残るほど猛烈な勢いで政策に打ち込んでいただきたいものだと思います。国会議員が「選挙の実績」で党の重責を担わなくても、税金を使わずにパーティー券とやらを売ったお金でプロの選挙専門コンサルタントを雇ってみてはどうでしょう。これは意地悪な皮肉です。国会議員が選挙の専任みたいにしているのは能力も税金ももったいない気がします。ところで、今、広田弘毅を描いた歴史小説「落日燃ゆ」を読んでいます。戦前・戦中から吉田茂や鳩山一郎・薫子さんが登場します。今度の選挙も吉田氏の孫麻生氏VS5世議員鳩山氏ですから、改めて戦後は粘り強いなーと思いました。

4 : 湖の騎士 : May 19, 2009 11:00 PM

alien様 小沢一郎さんが政治家として何をしたかを思い出せる人はまずいないでしょう。彼は政治家というより、「政局屋」だと思います。ご指摘のとおり切った張ったの局面での活躍しか記憶に残っていません。選挙に関しては多くの政治家が専門のコンサルタントを雇っています。株式会社政治広報センター社長の宮川隆義さんなどは、選挙専門のプロとして最も
売れている人です。弘田弘毅を描いた『落日燃ゆ』をお読みとうかがい、清々しいお気持ちになっておられることと拝察します。城山三郎さんの代表作ですね。私もこれを読んで多大の影響を受けました。こういう人物はもう出てこないと思います。いろいろなことを考えさせる小説です。

5 : niraikanai : May 22, 2009 10:55 PM

今回の民主党代表選で、あっという間に(というよりも、何が鳩山氏・岡田氏の間で議論されたのかよく分からないまま)鳩山氏が党代表に決まっていたという印象でした。

テレビニュースでは「友愛を政治に求める」というような表明があり、これでは私が通っていた女子高校の校訓と変わりません。見ていてがっかりしました。

政治に疎い私ですら、今回の民主党代表選にはがっかりし、何が変わったのだろう・小沢氏はまた重要ポストに就きあまり党内の変化はないのではないだろうか、と疑問と不満が残りました。『ソフトクリームからアイスキャンディーになってきたな』という言葉は存じませんでしたが、湖の騎士様のおっしゃるとおり、アイスキャンディーもまた、すぐに溶けてしまうものです。「少しは固まってきたけど、しょせん甘さが残るし溶ける。まだまだだ」と中曽根氏は伝えたかったのでしょうか。

6 : 湖の騎士 : May 22, 2009 11:33 PM

niraikanai様 民主党は世論調査で再び自民党を抜いたといって浮かれているらしいですが、この党首選挙で失ったものの大きさが分かっていません。全くのふざけた党首選でした。小沢氏も「しばらく謹慎していよう」という常識が働かない人ですね。鳩山氏も「友愛」を政治の基本にするというのでは「とても国政を任せられない」と思います。それにしても看板をちょっといじっただけで、再び民主党を支持するようになった「世論」なるものの危うさを感じずにはいられません。皆さんもう少し物事の本質を見てほしいものです。