View of the World - Masuhiko Hirobuchi

November 01, 2009

谷垣総裁の言語感覚 -

鳩山首相の所信表明演説のあと、各党の要人がコメントしていました。自民党の谷垣総裁は「冗長で感傷的だった」と評し、首相の演説に聴き入っていた民主党議員のことを「ヒットラーの演説をヒットラーユーゲントが聴いているようだった」と語りました。批評としては的を射ていたと思います。問題はその表現力です。「冗長(じょうちょう)」と聞いても、おそらく20代の若者にはピンとこないのではないかと思いました。適切な漢字が浮かんでくる若者はどれほどいたでしょうか? 「大衆に分かる言葉」を使っていかないと政権は奪回できません。同じことを言いたいのなら、「ダラダラと長く感傷的だった」と言うべきでした。次に「ヒットラーユーゲント」です。これを自らの体験として理解する人は、やはり60代の後半より上の人々でしょう。ヒットラーユーゲントの実際の活動も組織も理念も、もうほとんどの日本人にはなじみがないと思います。谷垣さんは秀才でエリートであった過去を忘れるべきです。本当に大衆の目線に立とうと願うなら、まず言語感覚を磨き、自らの「言語体系」を変えるべきです。ちょうどパソコンに新しいソフトウェアを入れるように。(発言からだいぶ時間が経ってしまい恐縮ですが)

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COMMENTS

1 : Sako : November 2, 2009 08:20 AM

大衆に分かり易い言葉を使う事は重要です。

平易で過ぎると、知識人が離反してしまい全体の支持を崩しかねません。

そのバランスがとても難しいですね。


私も、谷垣総裁のコメントに同感です。

ただ、自民党には、言われたくないとも思いました。

2 : 悠々 : November 2, 2009 09:47 AM

わかりやすい言葉を使う事は大切な政治家の要件ですが、「冗長」はまだしも「ヒットラーユーゲント」はわからない人にはともかく、わかる人にとっては、「ナチ」に喩えた言葉ですから使ってはならない言葉でした。このような思考は谷垣総裁自身の知性と政治的立場を疑われるものだと思います。
政治家は小学生にも理解できる言葉で語りかけるべきだと思います。

3 : 湖の騎士 : November 2, 2009 10:29 AM

Sako様 大衆になじみの薄い言葉を使うと一般の支持が得られず、かといってあまりやさしすぎる言葉を使うと本来の支持層が離れてゆく恐れがありますね。ここがむずかしいところです。しかし谷垣さんのみでなく、自民党の諸公にはもっと大衆の言語感覚を学んでほしいと思います。なにも大衆に媚びるというのではなく、そういう言語体系の中に身を置かないと「真実が見えてこない」と思うからです。かといって、民主党の上層部がそういう言語感覚を備えているというわけではありません。彼らにはもう少し「国際社会で通用する言語感覚」を身につけてもらいたいものです。「発想」が国際水準に達していないので、「言語」も迷走しているのです。

4 : 湖の騎士 : November 2, 2009 10:39 AM

悠々様 谷垣さんが「ヒットラーユーゲント」という言葉を使ったのは、小沢独裁体制の下で(民主党員はいっさい自分の意見が言えないのが実情)日本が危険な「全体主義」の道へ向かっていることを予見してのことだと思います。ただマスコミにも大衆にもその脅威が見えていないので、谷垣氏の指摘はそれほど大きな支持が得られていないのでしょう。小沢独裁が日本の破局に繋がると見ている人は知識人の中にはかなり多いです。異論を許さない体制の怖さを、日本人は昭和10年代に十分に経験したはずですが、若い世代にはその恐怖が理解できないのです。