View of the World - Masuhiko Hirobuchi

April 07, 2010

他人の妻を「きれいだ」と言ってはいけない国 -

中国で麻薬を日本に送ろうとした日本人が死刑になりました。岡田克也外務大臣や菅直人副総理が「懸念」を表明し、「死刑というのは重すぎるのではないか」、「日本人には違和感がある」と言いました。温家宝首相はそんな言葉には目もくれず、刑は執行されました。罪の意識も刑の重さも、日本人と中国人の間には大きなへだたりがあります。問題は死刑を執行された当人も「もっと軽い刑ですむだろう」と考えていたのではないかということです。他にもまだ死刑判決を受けている日本人がいますが、いずれも「日本の価値観を基準に物事を考える習慣から抜けきれない」ところが、身の破滅を招いたのではないかと思えてなりません。犯罪予備軍に親切な警告をする気はありませんが、「舐めたらいけない」のです。
さて麻薬の売買というような、歴然たる犯罪の場合とは違い、まったく罪の意識などなしに、他国でトラブルを起こしている日本人が多々あります。その代表的なものが、他人の奥さんや娘さんを「きれいな方ですね」と夫や父親の前で褒めることです。当人としては喜んでもらえると思い、本当に無邪気に褒めているつもりですが、この言葉が禁句になっている地域は世界にかなりあります。他人の妻や娘を「美人だ」ということは、「自分は彼女に対して興味があります」という意味であり、とくに「性的な関心(野心)がある」というのと同義語である場合が多いのです。この言葉を発したために夫から決闘を申し込まれたという話も、よく聞きます。そこまで行かずとも、不快感を与え、ビジネスに支障をきたすという例は多いようです。イランやアラブ諸国では、十分に用心すべき「常識」です。他にもこうした地域はけっこうあります。日本にいる時の感覚で、あまり女性の容貌について語らないことです。あとから悔やんでも追いつきません。「紳士は女子の美醜(びしゅう)を言わず」です。

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COMMENTS

1 : 悠々 : April 8, 2010 11:17 PM

中国で麻薬犯罪が厳罰に処されるというのはイギリスが麻薬を用いて中国人を麻薬漬けにして覇権を拡大したという歴史的背景がありますから、日本の政治家がとやかく言うのは筋違いです。
日本でも少し前まで姦通罪や尊属殺人罪などがあったのですから、国によって刑罰の軽重があるのを国の要職にある人が口を挟むべきではありません。
私は逆に日本の刑罰が軽すぎると思っています。何の罪もない人を何人も殺害しても有期刑が殆どです。人を一人でも殺したら死刑になる。目には目を!で処罰すれば犯罪はかなり減るはずです。中国人が日本に来て悪事を働くのは、犯した罪に対して罰が軽いから遣り得だと思っているのではないでしょうか?
タイでは子供の頭を撫でてはいけないとか、国によって考え方習慣などが異なるのは当然のことですから、注意しなければなりませんね。

2 : 職人希望 : April 9, 2010 12:14 AM

法律で死刑であれば仕方がないと思います。
ただ中国で問題なのは、本当にその罪が事実なのかが怪しいと感じるところです。旅行中にバッグに入れられてしまった、などの可能性がないか?
今回は暴力団関係者ということもありますが、一般の旅行者で知らない間に犯罪者にされてしまった、などの冤罪があった場合、拙速な死刑執行は非常に危険です。

毒餃子の犯人も生贄じゃないか、と勘ぐりたくなります。一年前は、日本で混入したものと中国当局が発表したような覚えが。科学的な捜査をどれだけ重要視しているか疑問に思うところです。

ちょっと話が飛びますが、日米地位協定と少しだけ似ているように思います。私が米国人で、息子が兵隊として日本に駐留。取調べ時から、弁護士と相談できるなど、容疑をかけられた時点で対応が異なる国での裁判で、かわいい息子を裁かれてはたまりません。そんな野蛮な地域での勤務はいやだとの意見もありうるでしょう。地位協定賛成ではありませんが、自国民を守る姿勢には学ぶべくこともあるかもしれません。

3 : 湖の騎士 : April 9, 2010 09:54 PM

悠々様 この裁判および死刑執行については、疑問点も多いようです。裁判で被告が「中国人の通訳は正確に私の言い分を通訳してくれなかった」とも言っております。他の国々では死刑に到らぬ犯罪も中国では極刑に処され、それに対する国際的批判も起こっています。しかし最大の懸念は、麻薬密売に関わったとされる日本人が、はたしてこうした中国の実情を正確に掴んでいたかどうかです。「場合によっては一命を失うかも知れない」との覚悟を持っていなかった可能性は大です。犯罪に異常なまでに甘い日本での価値基準で、中国に乗り込んだと思えてなりません。日本の慣行は、ほとんどの国では通用しないのだということを、あらためて肝に銘じる必要があります。

4 : 湖の騎士 : April 9, 2010 10:08 PM

職人希望様 ご指摘のような冤罪で、一命を失う日本人が今後出てくる恐れは十分にあります。写真を撮っただけで「スパイ容疑」で逮捕される可能性だってあります。人命を軽視する国ですし、自分たちの非は認めませんから、「暴動を煽動した」との罪名を着せられて、行方も分からなくなっているウイグル人たちも多数いると聞いています。100年ほど前のことですがアメリカは自国民一人を救うために、軍艦を派遣したことがあります。日本人は、犯罪を犯す者も、自国民を守るはずの政府も、ともに緊張感を欠いているように見えるのは残念です。