View of the World - Masuhiko Hirobuchi

April 12, 2010

桜の葉は奥床しい -

関東地方では桜の季節は終わり、葉桜と呼ばれる時期も過ぎました。10日ほど前までは、姿も見えなかった葉が青々として、梢にわずかに残った花を覆い隠さんとする勢いです。こんなことは、当たり前のことだと今まであまり意識もしなかったのですが(つまり感性が鈍すぎた)、今年はちょっと感動しています。花が咲いている時には、姿も現さなかった葉が、今は自分の出番だと悟っていっせいに繁り始めたのです。他人なり他者が主役である時には、たとえ自分に力が十分にあっても、けっして出しゃばらない桜の葉の奥床しさといったものを感じている次第です。これを花の側から言うと、いつまでも未練がましく咲いていないで、後任の(?)葉に席を譲って自分は退くということになります。まさに「四時の序 功をなす者は去る」(春夏秋冬が次の季節に順番に席を譲ってゆくように、功績のある人も自分の仕事をなし終えたら次の者に譲って去ってゆくものだ)を地で行っています。あらためて「自然はえらい!」と思います。「そんな当たり前のことを、今ごろなぜ感心しているのだ」とお叱りを受けそうですが、昨日うららかな春日に誘われて近所のお気に入りの桜を見に出かけ、つくづくそう思いました。人間社会ではなかなか四時の序を悟らぬ「かつての花」が多いようです。カッコよく去ってゆくというのも、なかなかむずかしいのはよく分かるのですがーー。

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COMMENTS

1 : ベル : April 13, 2010 10:46 AM

ご無沙汰しております。いつも楽しみに拝読させていただいております。
自民党総裁に桜の散り際の潔さを期待するのは難しいようですね。私のような素人目にみてもあれほどまでにポストにしがみつく姿には嫌悪感を覚えますし醜態に他ならないと思います。「自民党はよくなってきたな。もう一度託してみようか」くらいの感情を迷いなく国民に持たせてくれなくては政権奪回は本当に夢物語に終わってしまいます。先述にありましたマーケティングを効果的に活かせるよう進言できる識者は周りにいないのでしょうか。いても良案に耳を塞ぐ凝り固まった石頭ばかりなのでしょうか。いずれにしても支持率にも見られるように政党に期待を感じられないのも無理はないと思います。一国の首脳陣には「それは標準装備です」とはいわずとも人心掌握術を備えていてほしいのですが。言うより難しいとは思いますし国民側からそれを言われては立つ瀬もないですが、リーダーたる方々には不可欠の資質だと改めて感じています。
散るには勇気が必要です。なかなか人は築いてきたものを手放す恐れに勝てずその場から一歩踏み出せないものです。だからこそ自省と客観(俯瞰)でよくよく目を凝らし、己を知ることが大切なのだと思います。
桜で思い出しましたが、厳しい冬を坊主頭で寒々過ごしたケヤキたちも春を迎え活き活きと新緑の葉を繁らせる頃でしょうか。自然界も私たち生物も命宿るもの同士、一寸先の光をイメージしていきたいです。

2 : 湖の騎士 : April 13, 2010 07:09 PM

ベル様 お久しぶりです。いつもお読みいただいているとうかがい心から御礼申し上げます。自民党の谷垣禎一総裁は、「執行部を変えることは毛頭考えていない」と繰り返しました。この点は終始一貫「ぶれていない」とも言えますが、この「毛頭」という言葉がいけません。若手から見れば、「何を言っても聞く耳をもたないのだな」と映ってしまいます。「自民党という組織を守る」だけなら、こういう総裁もよいかも知れませんが、政権を奪い返すためには、もっと具体策を持ち、攻めに転じることが必要です。そして「自分および森、青木などの長老が退くことが最善の策」という結論に早く達してもらいたいと思います。「四時の序 功をなす者は去る」(十八史略)という言葉が頭にインプットされていれば、行動も違ってくるのでしょうが、その辺のところが分からないのでしょうね。しかし、誰かがそのことを提案し、指摘する必要があります。自民党の若手も「俺たちの出番だ」とやたらに騒がないで、桜の葉のように、しばらく我慢しているほうがよいと思います。花はやがて葉に主役を譲らざるをえなくなるでしょう。ケヤキについてはあらためて報告します。

3 : 悠々 : April 17, 2010 12:23 AM

桜の花は受粉すれば花びらは一寸した風でもハラハラと散ります。受粉前の花びらは枝が撓るほどひっぱてもしっかり付いています。これから芽を出す葉だって秋になって役目を終えれば葉が持っている養分を幹に返して散っていき、落ち葉は腐葉土となってまた木の養分になって役立ちます。
自然化では役目を終えたものは自ら身を引くことを心得ているのです。おそらく神の摂理なのでしょう。
地球上の植物も動物も自然の摂理に逆らうことはありません。ひとり人間だけが摂理に背く行いをして繁栄を独り占めしてきたのです。
谷垣禎一総裁がその地位にしがみつくのも人間の行いとしては普通のことなのかも知れません。或いは受粉前の花びらのように未だ自分の仕事は終わっていないと思っているのでしょうか?
。そういえば彼はまだ何も功ををなしては居ませんけどね。
引き際の美学を説いても今の政治家には馬耳東風ですね。

4 : 湖の騎士 : April 17, 2010 07:34 AM

悠々様 コメントをありがとうございます。「功をなす者は去る」という言葉は、今の日本ではとんと聞かれなくなりました。マスコミ界では84歳くらいの「ドン」が新聞とテレビにそれぞれ君臨しているのですから、政治家だってこのお二人に見習って(?)「俺たちもまだまだ引退には早い」と思っているのでしょうね。谷垣さんばかり責める気はありません。彼を批判ばかりしている前厚生労働大臣だって国民的人気はあっても党内での人望はない現在、まだ谷垣の方がいいと思っている自民党員は多いようです。しかしこのままでは自民党は沈んで行き、日本は民主党が主導する「ポピュリズム政治」に堕して滅んでしまいます。「じゃ、どうすればいいのだ?」とお思いでしょう。」ここでこの混迷に快刀乱麻を断つような、すかっとした記事を書きたいところですが、それは私の能力を超えています。しばらくは迷い多き記事にお付き合いください。