View of the World - Masuhiko Hirobuchi

April 25, 2010

去りゆく者への言葉ーー舛添要一離党劇に思うーー -

舛添要一氏が自民党を去ったあとに、同党の実力者たちの何人かが吐いた言葉が気になります。加藤紘一元幹事長は、「痛手ではない。しばらく経てば『ああ、そういえばああいう人もいたな』と忘れられるようになる(大意)」といい、伊吹文明氏は「おできの膿が出てこれで我が党もすっきりしたのではないか」(大意)といいました。国民が次期総理にしたい人のナンバーワンに挙げている人を、おできの膿になぞらえたのです。舛添氏が党内に人望がなく、執行部批判ばかりして嫌われていたということは、新聞も週刊誌もテレビも伝えています。しかし、この加藤・伊吹両元幹事長の発言が、自民党にとってプラスに働いたかマイナスに働いたかを、冷静に分析する必要があります。私は取り返しのつかないほど、自民党の支持率を下げたと見ます。いくら舛添氏が憎かろうと、いかに彼を嫌いでも、ついこの間まで盟友として、自民党のために働いてきた人を、「おでき」になぞらえるというのは品がなさすぎます。ここはぐっと我慢して「彼もこれから苦労するだろうが、日本のためによかれと判断しての決断だったのだろう。前途を祝福するとまでいうのはちょっと辛いが、しっかりやって成功してほしい。できれば我が党への票を食わないで民主党への票を大いに食ってもらいたい」くらいのことはいってほしかった。そうすれば、自民党は腐っても鯛だということになり、自民党の懐の深さを国民は再評価し、支持率は確実に上がっただろうというのが、私の見方です。どうも理想論で申し訳ありません。「いまどきの政治家に、そんな言葉を望む方が無理だよ。現実を知らないにもほどがある」と叱られそうです。しかし、ここは「やせ我慢」でもいいからそういってほしかった。去りゆく者も送る者も、もう少し美しくあってほしいものです。

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COMMENTS

1 : 悠々 : April 25, 2010 11:22 PM

自民党実力者の相次ぐ離党は、離党したそれぞれの方が今の自民党に食い足りなさを感じ、自分たちの志すところを発揮したいと言っています。自民党の彼らに対するコメントは「ひかれものの小唄」と言ったもので、まさに広淵升彦先生の仰る通りです。自民党を去る人たちも理想論はともかく、「何時までも泥舟に乗っては居られない、沈まぬうちに下船しよう」という算段があるのだろうと私は推測しています。
彼ら離党者が民主党の票を食うのか、自民党の票を持っていくのか分かりませんが、末期症状を呈している自民党のマイナス・イメージを更に増幅させることは間違いないでしょうね。

2 : 湖の騎士 : April 26, 2010 10:54 PM

悠々様 離党者がどのくらいの票を集めうるのかが問題です。舛添氏は25日のテレビ朝日「フロントライン」で、「次の参院選で(仮に)1000万票を取れば10人の議席が獲得できる」と言いました。強気な発言ですが、これから事を起こそうというからには、これくらいの意気込みは必要でしょう。一方フジテレビの世論調査では、自民党への支持率が民主党へのそれを2ポイント上回ったとなっています。まさに一寸先は読めませんが、櫻井よしこさんが自民党の凋落を断言しています。少しくらい支持率が回復したからといって、喜んではいられないでしょう。