View of the World - Masuhiko Hirobuchi

May 12, 2010

生きていたイギリスの良識 -

イギリスでは総選挙で第一党となった保守党と、第三党の自由民主党の連立による内閣が発足しました。保守党のキャメロン党首が首相です。9日付けのこのブログで書いたとおりになりました。「イギリスではまだ『憲政の常道』という理念が健在なのだ」ということを、あらためて思います。6日に行われた選挙の結果を伝えた日本のテレビ各局のニュースでは、「いずれの党も過半数を取れなかった場合は、与党が中心となって次の政権を決めるのが恒例」と伝えていました。この報道は私の知るイギリスの常識とは違っていました。与党の労働党は第二党に転落したのです。国民から「不信任された」と見るのが、常識で、こういう場合は悪あがきをせず、いさぎよく政権の座を明け渡さなければならないーーと書き、今でも良識が生きている国があると知るのは楽しいことではないか、と申し上げました。事実そのとおりになりました。光は東方からばかり来るとはかぎりません。西から来る場合もあるのです。いやなこと続きの昨今ですが、今回の政権交代劇は爽やかな印象を残しました。軍事力、経済力では他国に劣っても「常識力」では、イギリスはまだまだ世界に冠たるものがあると思います。

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COMMENTS

1 : 悠々 : May 13, 2010 11:42 PM

イギリスの政権は先生が予測された通りに進んでいますね。
政策の相違点の擦り合わせが今後の課題ですが、英知を働かせて妥協点を見つけ出していくことでしょう。連立を今後5年間継続するという取り決めもあるようで安定政権の樹立を目指しているようで頼もしいです。首相が辞表をエリザベス女王に提出するというのもイギリス流のやり方なんですね。
これですっきりと政権交代が出来そうで安堵しました。
それに引き替え日本の政界の混迷振りが嘆かわしいです。
日本の将来を託すに足る政党も人物も見当たりません。
ヒットラーのような頼もしく見える?人物が出現したら日本国民は挙ってその人物に票を投じる、なんて事態にならないことを願っています。

2 : 湖の騎士 : May 14, 2010 09:28 AM

悠々様 今回の予測は過去の経験とイギリスの原則に従っておこなったものに過ぎませんが、緊張感をもって書いたことはたしかです。連続してコメントをいただき、ありがとうございます。この記事では日本の政治にはあえて触れませんでしたが、本当は言いたかったものです。そこを悠々様は、ずばりと言ってくださり、気持ちがすっきりしました。キャメロン新首相の就任後初の記者団への言葉は爽やかで頭のよさを感じさせるもので、日本の政治家にもこういう人が出てきてほしいものです。日本にはヒトラーは出てこないでしょうが、民主党の体質は「独裁型」「多様な意見や言論を封殺する」方向に向いています。きわめて危険です。

3 : とりのぼ : May 15, 2010 11:31 PM

違う話題で恐縮です。
現在の外交における日米の関係は、手の内をさらしたままポーカーをやっているようなもので、尚且つ、自分で掛け金を上げているような気がします。
二酸化炭素25%削減に次ぐ、ビッグな負の遺産を背負い込むような気配があるのですが、先生は何を予想されますか?アフガン派兵でしょうか?経済的な物でしょうか?普天間の5月期限は忘れるので、無茶な取引は止めていただきたいと思うのですが。

4 : 湖の騎士 : May 16, 2010 11:57 AM

とりのぼ様
今後とも違うテーマでもどしどしご意見をお寄せください。さて外交とポーカーのたとえで言えば、日本の外交はそもそもポーカーにもなにもなっていません。小学生がプロの賭博師と勝負しているようなものですし、ポーカーのルールさえ知らないと極言してもいいと思います。二酸化炭素の25%削減などは鳩山首相がただ「いいかっこうしたい」ための思いつきです。今後どのような負の遺産を背負い込むかは見当もつきませんが、とにかく「外交のルール」を早く覚えてもらいたいです。たとえばマスコミが伝える外交記事では「両首脳は率直に話し合った」といえば「ほぼ喧嘩状態で何もまとまらなかった」という意味ですし、「両首脳は友好的な雰囲気の中で話し合った」は「中身はなんにもなかった」ということです。この程度の「外交常識」すらもないのが今の政権だと思います。

5 : とりのぼ : May 16, 2010 06:14 PM

先生のブログを楽しみしています。今後ともよろしくお願いします。