View of the World - Masuhiko Hirobuchi

July 16, 2010

民主党最大の敗因はナルシズム -

今回の参院選で民主党が大敗を喫したことについて、メディアや論客はいろいろな原因を挙げています。いずれもほとんど正しいと思いますし、「消費税発言」が最大の要因だったことについては、私も同意見です。そこで物事を考えるもうひとつのヒントとして私なりの見方を披露させていただきたいと思います。今回の敗北の大きな原因として、私は菅直人首相の「ナルシズム」があったと見ます。「自己陶酔」です。彼はたしかに歯切れもよく、弁も立ちます。ワイシャツ姿で街頭に立ちマイクを握る姿は、たしかに颯爽として見えます。内閣の支持率もいきなり69パーセントに跳ね上がりました。鳩山政権で20%を切ったのに比べれば雲泥の差です。しかしその己の姿のカッコヨサに、菅氏は溺れて現実を見失ったのです。浮き浮きした気分で、「ハイ」の状態になった彼は、ブレーンである大学教授や財務官僚から吹き込まれた「財政再建のためには増税が必要」との論をそのまま口走ってしまいました。もし彼が、自分の姿にしびれるナルシストでなかったら(つまりはうぬぼれ過剰家でなかったら)、事態はこうはならなかったでしょう。その消費税10%案が、メディアで批判を浴びて内閣支持率が急落してからの彼は、見るも無惨な醜態をさらしました。「私は話し合いをしよう」と提案しただけだ、消費税を上げるなどとは言っていない」とメディアに八つ当たりし、「党首討論会というのは1対8で吊し上げられるからいやだ」として、野党党首との討論を逃げ回っていました。すべては自らが撒いた種であり、人を恨むのは筋違いです。これがこの人の実力というものです。「自己陶酔(ナルシズム)」という視点から切ってみたら、選挙結果はこう見えるという私論です。

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COMMENTS

1 : 悠々 : July 17, 2010 10:28 PM

先生のご意見に同感です。
菅総理は自分が総理になった途端に支持率が急上昇したのを見て国民が自分に全幅の信頼をしたと思い上がったのです。これなら何を言っても通るだろうと国民を甘く見て、唐突に消費税増税をぶち上げたのです。
勝手にばらまきをしておいて挙げ句の果てが増税では国民にそっぽを向かれるのは当然の事です。
民主党敗北後の醜態も先生の仰る通りで無様です。彼が捻れ国会を乗り切れるはずがありませんから、早晩総選挙と言うことになることでしょう。
日本を覆っている暗雲は当分晴れそうにありませんね。

2 : 湖の騎士 : July 19, 2010 09:32 AM

悠々様 コメントありがとうございます。いま、菅直人著の『日本大転換』(光文社、1996年)を図書館から借りてきて読んでいるところです(版元では絶版になっています)。彼の一連のピント外れの言動の原点が、この本にあると教えてくれた人がいるためです。「なるほど、こんなことも分かっていなかったのか!」と思わせる個所がいくつか出てきます。要するに彼は、大衆の人気がほしいだけの「独善家」であり、ぶれるのは「基本」「原則」がないからだと思います。

3 : 泥田の落武者 : July 19, 2010 06:48 PM

湖の騎士様、

「ルーピー」の次は「下り最速の男」・・・・「キャミソール荒井」といい、どうも民主党政権はおかしなあだ名が付く人が多いですね。

菅直人は自分が経済も財政も外交も防衛も全て苦手である、という自己認識はあったのでしょうか?「豚もおだてりゃ木に登る」といいますが、ご祝儀相場の支持率に舞い上がって、財務官僚やら、取り巻きの御用学者の口車に乗って、消費税をぶちあげたら、口車ごと滑り落ちたように私には見えます。

この御仁もそうですが、民主党にはグランドデザインという言葉は無いのでしょうか?この不景気に消費税を上げればどうなるかくらい、ちょっと考えれば分かりそうなものだと思うのですが・・・・全体の景気対策や、財政健全化対策のパッケージの一部としての消費税率の再検討なら理解できますが、何の脈絡もなく、なぜ10%なのか?使途は?制度設計は?というような細部を詰められだすと逃げ回る。

結局自分でも「なぜ消費税をこの時期に10%に上げるのか?」という根本的な問いに、何の答も考えも無かったということなのでしょうね。

この後も政権を彼にまかしても、グランドデザインも、手段と目的の整合性も無いまま、「仕訳」レベルの思いつきがばらばらと出てくるだけのような気が致しますが。

4 : 湖の騎士 : July 20, 2010 10:47 AM

泥田の落武者様 菅内閣への「不支持」が「支持」を上回ったとFNNおよびANNの調査が伝えています。大衆はだんだんこの政権の「正体」を見抜き始めたようです。民主党にも菅直人にも「グランドデザイン」はありません。「その時の気分」で政権運営をやってゆくだけだと思います。やはり「市民運動」出身者としての「視野の狭さ」が顕れてきました。選挙民から不信任された千葉景子法相の首ひとつすげかえられないとは情けない。こういう人物を法務大臣として残留させている政権は本当に危険です。