View of the World - Masuhiko Hirobuchi

August 09, 2010

スウェーデンは理想郷ではないーーフス・恵美子氏 -

9日発売の「週刊朝日」と「週刊現代」が共に「スウェ-デンは理想郷ではない」と題するストックホルム在住の教員フス・恵美子さんの投書を取り上げています。7月21日の朝日新聞「声」欄に載ったものです。要旨は「日本ではスウェーデンを福祉の整った理想の国と見る向きが多く、多くの学者がそうしたイメージを煽っているが、現地に住んでみた実感は違う。所得の三分の一を税金に取られ、物品税(消費税)は25パーセント、教育費は全額国が負担し無料だが、歯医者にかかっても1回で1万円くらいはかかる。日本の方が暮らしやすいくらいだ。『理想郷』というのは言い過ぎではないか」というものです。私はこの記事の原文を捨ててしまい、手許にはないので、「大意」しか伝えられませんが、「そのとおりに違いない!」という感を強くしました。税金をがっぽり取られる代わりに、国が何から何まで面倒を見てくれる。老後も何の不安もなく過ごせる。ああ、スウェーデンって、なんて素敵な国なんだろう!」と思う日本人が多いのは分かります。しかし実際に現地に住んでみると、「いくらなんでも国家が管理しすだ。もっとリスクがあってもいいから『自由』がほしい。これでは息が詰まってしまう。人生には『失敗する自由』だって必要なんだ!」ーーと感じる人のほうが満足している人よりも多いだろうと私は思ってきました。社会主義が好きで、民衆が自由に経済運営をすることを好まない人々は、「福祉」という美名に弱く、福祉の名のもとに政府によるコントロール是とし、それが絶対の正義だと思う傾向があります。菅直人首相も仙石由人官房長官もそうした思想の持ち主です。しかし、重税による福祉がそれほどいいものなのか? しっかり頭を冷やして考えてみたいものです。スウェーデン型の「統制経済」の息苦しさをフス・恵美子さんは、自らの体験として語っているのです。日本人はどうしても特定の外国を美化し、その思い込みから脱け切れないところがあります。うんと古いところでは、1930年代のドイツに魅せられ、整然としたヒトラー・ユーゲントの活動をたたえ、やがてドイツとの同盟にまで突っ走りました。戦後はスイスを美化しすぎ、スウェーデンを理想化してきました。そうした対外認識は非常に危険だと言いたいために、3回にわたって、「頭を冷やしていただく」記事を書きました。一度思い込みを捨てて、新しいアングルから外国をご覧になってください。

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COMMENTS

1 : niraikanai : August 11, 2010 03:03 AM

大変ご無沙汰しております。
今日はこんな時間までいろいろと雑用を処理していました・・・

スウェーデン、確かに「福祉がいきわたっている」「きれいな街」と言った印象が強いです。15年ほど前に北欧(フィンランド、ノルウェー、デンマーク)へ旅に行きました。どこもかわいらしい家が立ち並び、食事もまぁまぁで、おしゃれな家具が売っている。これでは日本人も好きになれるなぁと感じました。

しかし、国家が押さえつけた上での福祉立国なのですよね。
現地の方たちはもう慣れているのかもしれない。しかし、同じような税制が日本にも入ってきたら、きっと非難がたくさんあがりますね。
税の問題も、今また大変になっている学生の就職も、いい方向へ進みますようにと願います。

2 : 湖の騎士 : August 11, 2010 11:28 AM

niraikanai様 ずいぶんおそくまでがんばっておられたのですね。今日は睡眠を十分にとってください。さてスウェーデンを理想化する人が多いのは困ったものです。東京都よりもはるかに少ない人口のこの国のモデルが、日本やアメリカのような大国で通用するわけがないのです。民主党政権の中には、スウェーデン礼讃派が多いですが、あまりにも無知で、錯覚の上に立った礼讃です。この国をモデルにした経済政策などを実行ししたら、国は滅びてしまいます。「もっと現実を見ないと!」という思いです。

3 : 悠々 : August 13, 2010 10:15 AM

スエーデンと私との繋がりは、今の車の前に乗っていたのがスエーデン製のサーブという車だと言うくらいです。
福祉の行き届いた国と言う事は知識としては知っていました。
朝日の投書も読みました。
高福祉・高負担を選ぶか小さな国家で老後の設計などは自己責任で賄うか、それぞれの考えがあることだと思います。
私は少なくとも「後期高齢者」なんて無神経な言葉を平気で法律化するような政策には賛同しかねます。

4 : 湖の騎士 : August 13, 2010 11:33 AM


悠々様 コメントありがとうございます。「サーブ」を通じてスウェーデンを意識するというのは具体的でいいですね。この国が高福祉国家だというので、日本では理想化する人が多いですが、そのほとんどが「福祉」という言葉だけに幻惑されて、「実態」を見ていません。この国はノーベル賞でも有名で、それでずいぶん得をしています。でもアルフレッド・ノーベルは、その莫大な資産を何によって築いたのか? 人々はそこまで考えていません。私は「言葉に幻惑されて実態を見ない」日本人が少しでも減ることが、日本を健全にする最も確実な道だろうと思っています。

5 : Sako : August 15, 2010 03:18 PM

福祉の名の下に、国家管理の強化をされるのは許せません。

よくマスコミで最近の若者は選挙に関心を持たないといわれますが、若者が少数派になった以上、高齢の方への分配が増えるのは当然だと思います。

このままで福祉を推進するという事は、増税して高齢者への手当を増やすことに繋がると思います。


政府は余計な事をせず、自由化と減税して欲しいです。

6 : 湖の騎士 : August 16, 2010 10:37 AM

Sako様 政府が管理しないで民間に任せておくとロクなことをしないーーというのが、社会主義者や官僚の発想です。今の政権はまさにそれです。民衆の幸福の設計にまで口を出したいというのが、彼らの本音でしょう。これでは社会は息が詰まってしまいます。もっと企業活動の自由を認め、減税を行うべきだとのご意見に全面的に賛成です。