View of the World - Masuhiko Hirobuchi

September 04, 2010

菅・小沢どちらが重症の日本を救えるか? 記者会見に出席して -

9月2日、日本記者クラブでの小沢・菅両氏の討論記者会見に出席しました。その内容はすでにテレビや新聞でご存知と思います。ただメディアが伝える内容と現場にいた者の感想には、相当大きな開きがあります。討論会中にもテレビの視聴者から多くの批判の声が記者クラブに寄せられたそうです。「質問した4紙(朝・読・日経・毎日)の記者の質問内容のレベルが低すぎた」というものです。ほとんどが小沢氏の金銭問題に集中し、すでに答えた内容をまた蒸し返している。もっと大きな国際的視野からの質問ができないのかーーという声が閉会後記者たちの間からも起きていました。たとえば菅氏は韓国に対する「痛切な反省とお詫び」の談話を発表し、このために韓国の対日批判はいっそう高まっていると聞くが、自らの談話をどう評価しているのか? この経済の危機的状況の中で「財政再建」を言うのは、あまりにも小心すぎないか。もっと思い切って財政出動ができないのか?」 といった質問が聞きたかったーーという意見です。ベテランの記者たちは、質問した4人は、あまりにも昨今の永田町での見聞に縛られている。現在の政治の貧困は政治ジャーナリズムの貧困が招いていると嘆いていました。総じて「菅・小沢のいずれがこの重病に陥った日本(とくに経済)にとって、有用な存在なのか?」という視点が欠けた質問でした。小沢ぎらいが昂じすぎて、無能でもいいからクリーンそうに見える菅を選ぶというのがマスコミの主流的考えです。しかしここ2日の間に潮流はだいぶ変わってきました。「明らかにヘボと分かっている医者(菅)よりは、多少胡散臭くても腕のよい医者(小沢)の方がましだ」という意見が、夕刊フジや日刊ゲンダイを中心に広まってきています。週刊文春は反小沢的編集をし、週刊新潮は菅批判を徹底しています。「総理大臣は我ら国民が使うものだ」という認識から、もっと冷静な選択が生まれてきてほしいものです。去年の衆院選は「好きか嫌いか」で投票した人が多く、民主党への過剰な情緒的期待が今の政権を生みました。私たちは今回の党首選に参加できませんが、冷静な世論の形成には参加できます。今回の会見に臨んでの私の感想は、「雇用・雇用というが、首相は雇用を促進するためにこの3か月何をしてきたのか?」という疑問であり、「クリーンな政治をめざすというが、それはかつてクリーンさを売り物にし、なにひとつ意思決定ができずに迷走した海部俊樹首相を思い出させる。小沢攻撃はみっともない、もっと自分の大きなビジョンを示すべきだ」というものでした。

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COMMENTS

1 : 悠々 : September 4, 2010 03:09 PM

多分昨日の記者会見には先生もお出かけだとは思っていました。早速のご記事嬉しいです。
小沢氏がいかに強弁しようとも限りなく黒に近い灰色であることは昨日の記者会見で質問した4紙(朝・読・日経・毎日)の記者だけでなく国民の大部分が見透かしていることです。今更そんなことを持ち出しても、のらりくらりと言い逃れることはわかりきっているのに大事な質問の機会をみすみす棒に振ったのは4紙の記者の見識が疑われます。
小沢がうさんくさいのはわかりきっているのだから、菅さんはしっかりした自分の考えを述べ、それを裏付ける政策をきっちり説明すべきでした。海外のメディアが昨日の記者会見を殆ど無視しているのは日本の将来像を示すような内容ではなかったから報道する価値がないと判断したからでしょうね。

2 : 湖の騎士 : September 4, 2010 08:53 PM

悠々様 コメントありがとうございます。小沢氏が黒に近い灰色ということは、今までの報道で国民は十分に知っていることです。記者会見の場で、あたかも検察官気取りで「悪を懲らしめるのだ」といわんばかりの愚劣な質問を繰り返す必要はないことです。明らかに世論誘導を狙った質問でした。菅氏は参院選での敗北以来、すっかりうろたえて、その後なんにもしていません。韓国に謝罪しただけです。彼が首相になってから、一体どのくらい雇用が増えたのでしょうか? 会見の場にいたものにとっては、菅氏がまったくの「経済オンチ」であることは明らかでした。彼は大企業が諸悪の根源だというような、旧社会党的発想にどっぷり浸かっていて、「大企業から税金をたくさん取って貧しい庶民に廻すべきだ」と考えています。したがって企業減税などということは「いけないことだ」と思い込んでいるのです。しかし大企業が活気づかないかぎり、日本経済は回復しません。誤った価値観に立った施策は、絶対にうまく行きません。「財政再建」という思想に取りつかれていては、何ら成果を挙げることはできないでしょう。

3 : 小龍 : September 7, 2010 06:38 PM

こんばんわ。
先生の仰るとおりで大企業が持ち直さない限り、日本経済は回復しないというのは、中小企業に勤める私が身をもって実感しています。これまでの日本を縁の下で支えてきたのは数多くの中小企業ですが、先進国として発展してきたのは紛れもなく大企業の力です。そしてそれに引っ張られる形で多くの中小企業も付随して伸びると言うのが今の日本社会の構造の一つでもあります。なので大企業と中小企業(一部を除いた)は一蓮托生ですから、大企業を締め付ければ下の中小企業にもしわ寄せが来る事は明らかです。
菅氏の他にも社会主義的な発想を持った人間は多く居ると思いますが、菅氏がこのまま総理を続けることは、そういう議員の意見が大きく取り上げられてしまうと言う事でもあるでしょうから、私は毒を持っていても今の堕落しきった政治には劇物くらいが丁度いいのではないかと感じています。
しかし、そうは言っても小沢氏が総理に適任なのかどうかは果たしてどうなのでしょうか…どちらへ転んでも先行きが不安なのは同じなので非常に複雑な心境です。

4 : mayu : September 7, 2010 10:47 PM

管氏と小沢氏、アカとクロ、選択するには躊躇します。
経済音痴の管氏では景気浮揚は望めないでしょうし、経済界には小沢氏の手腕を期待する向きもあるようですが、危ない賭のように思えます。
どちらがなっても、日本の国際的な立場が危うくなっていきそうです。管氏は管談話で世界に間違ったメッセージを発して後々まで日本に禍根を残しましたし、小沢氏が総理になったら公明党と手を組んで、あっという間に外国人参政権法案を通してしまうでしょう。また、小沢氏は沖縄海兵隊の存在意義を正確に把握していないようですし、中共の軍拡や日本の3分の1を壊滅させる数百発の核ミサイルが常に射程に入っている現実を、自称・人民解放軍野戦司令官はどう認識しているのか。
それにしても、立会演説会で片腕を振り上げ激しい小沢コールを繰り返す群衆には強い違和感を覚えました。

5 : 湖の騎士 : September 8, 2010 09:51 AM

小龍様 できることなら菅も小沢もた立ち直れないほど傷ついて政界から去ってほしいと願う人が多いでしょう。非常に虫のいい希望ですが、「小沢が勝って経済の行方に大きな道筋をつける。しかし外国人参政権や対米中などの外交問題に手をつけないまま、退陣してもらいたい。そして無能な菅は2度とトップの座につけないようになってほしい」と願う人が多いのではないでしょうか。私もその一人です。とにかく菅・仙谷のような社会主義的な大企業敵視政策では日本は沈没します。もっと大企業に力をつけさせ、そのエネルギーが中小企業を活気づけるという発想転換をしないと! コメントをありがとうございます。

6 : 湖の騎士 : September 8, 2010 11:33 AM

mayu様 コメントありがとうございます。小沢氏が総理になった場合、困るのは彼が総理の座に未練を持っていないことです。未練や執着があればーー菅氏のようにーーその座を守りたいばかりに世論に迎合し、「危ない橋は渡らない」というチェックが効きますが、執着がない人間は何をするか分からないという危険があります。菅氏の性格では外国人参政権は通せないでしょうが、小沢氏なら通してしまう怖れは十分です。逆に経済を思い切って活性化し、官僚をコントロールするといった大胆な施策は菅氏では無理です。ここは小沢氏に経済活性化への筋道をつけてもらい、外国人参政権などに着手したら、野党の反対で身動きできなくなって「小沢退陣」「総選挙」というように事が進んで行けばーーなどと考えてしまいます。物事はそううまく行くものではないでしょうが、いま考えうる筋書きは以上のようなものです。

7 : リッキー : September 10, 2010 07:25 PM

先生こんにちは。大分ご無沙汰してしまいました。ここ何年かは仕事だけの人生になっておりました。昨夜ゼミのある男子から連絡があり、先生のご活躍を伺いました。
実は今広告・メディア系の会社におりまして、今回の代表選挙を冷ややかに見ております。まず小沢氏はあまりにも人相が悪く、腹黒さが顔に全面に出ているのと、犯罪者かも知れない人間を日本国の首相にすることは考えられないので個人的には落選を願っております。しかし、管氏も煮え切らない。あえて2名から選ぶとしたら管氏かなあという感じでTVを見ています。
民主党になってからというもの、マスコミは審議の内容を報道しなくなり、一体どのような審議が今行われているのか全く分からない状態となってしまいました。今も結局代表選挙に全力投球といった様子で国会運営がどのようになっているのか非常に不満です。
話がそれてしまったかもしれませんが、その程度感覚しか今の代表選挙には気持ちを注ぐことができません。
とにかく次の総選挙が待ち遠しいです。

8 : 湖の騎士 : September 10, 2010 11:03 PM

リッキー様 お久しぶりです。コメントをありがとうございます。今回の民主党党首選挙は、いずれが勝つにしても真に総理大臣にふさわしい人を選んだという実感を国民は抱けないと思います。菅氏は経済だけについても定見がなく、この10日間で、企業減税や予算執行について言うことがくるくると変わっています。しかし国民の多くはそのことに気付いていません。なぜかというとマスコミがきちんと彼の言葉の矛盾を指摘しないからです。党首選が終わって新しい内閣が発足しても、議会運営で行き詰まり、短命内閣になりそうです。私は短命で終わることが、日本のためになると思っています。総理大臣をコロコロと変えてはいけない、と多くの人は思っていますが、無能な人あるいは危険な人をいつまでも総理にしておけば、日本はますます元気をなくしてしまいます。短命内閣を怖れないだけの強さを国民は持つべきです。