View of the World - Masuhiko Hirobuchi

November 02, 2010

「遺憾だ」はあまりにありふれたクリシェ(常套句) -

ロシアのメドヴェージェフ大統領が国後島を訪れました。これに対して菅直人総理も前原誠司外相も「遺憾」の意を表明しています。しかしその言葉は力がなく、目は宙に浮いています。何のすごみも効果もない、常套句(クリシェ)を口にしただけです。ロシア側はこのような反応が返ってくることは、100パーセント折り込み済みです。まったく痛くも痒くもないでしょう。口で何を言っても、どうせ何の手も打てないと日本を舐めてかかっています。官僚の入れ智恵では、「この場合こういうしかないのです」ということになるのでしょうが、もっと独自性のある、世界の世論に訴えるような発言ができないものでしょうか? 終戦のどさくさにまぎれてソ連軍に強奪された土地なのだということを、はっきりと言うべきです。菅氏は北方領土問題についても尖閣問題についても、全く関心がないようです。国益のために仕事をするという意識は皆無で、「いかにもめ事を小さく見せるか」「総理としての在任期間をできるだけ伸ばすためには、どういう発言をするのが最も無難なのか」という計算だけで動いているようです。そこから出てくる言葉が「遺憾だ」という手垢のついたクリシェなのでしょう。日本の官僚の得意な用語で「前向きに善処します」というのがありますが、今ではこの言葉は「私はこれについては何もしません」という意味だということを、世界の指導者たちは知っています。「遺憾だ」も「具体的な対抗措置は取りません」程度に受け止められている可能性が大です。

[Post a comment]

COMMENTS