View of the World - Masuhiko Hirobuchi

February 13, 2011

どうなる? ムバラク後のエジプト -

エジプトのムバラク大統領が辞任しました。日本のメディアはかなり思い入れ過剰で情緒たっぷりの報道をしています。22年前に東欧の社会主義独裁政権が次々に倒れ、「自由」を求める民衆の熱意が無血革命を成功させた時の記憶がよみがえって来ているようです。美文調の記事もかなりあります。しかしムバラクに「とどめ」を刺したのはいったい誰なのか? ここを冷静に考える必要があります。1.民衆の熱意 2.軍の意向 3.大スポンサー・アメリカの意思表明(もちろん水面下での根回し・恫喝を含みます) 4.イランやヒズボラなどの反米・反イスラエル勢力の民衆煽動 
ざっと考えただけでもこのくらいの要素が頭に浮かんできます。問題はこのあとです。ムバラクは倒したものの、物価の高騰はやまず、失業率も高いままで推移する可能性は高いでしょう。すると新政権に対する失望が拡がり、そこにテロ活動を含む過激派が入り込んでくる といったシナリオが考えられます。中東の大国エジプトの安定は世界の平和と安定に欠かせないものです。今回のムバラク政権打倒をあまりに美化したり、「原油価格の高騰」といった問題だけに矮小化することなく、醒めた目で引き続き注目したいものです。それにしても中国や北朝鮮の「人民」は、今回のデモと政変を知っているのでしょうか? そのことをもっと調べて書いてくれ ということを、昨日(12日)さる大新聞に電話で要望しておきました。

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COMMENTS

1 : 悠々 : February 14, 2011 09:10 AM

エジプトの政変の未来はバラ色とは言えないと私は危惧しています。
先生がご指摘のようにエジプト国民の生活が一気に向上するわけはないし、失業率も物価も現状と変わらないことでしょう。
このどさくさに紛れてイスラム過激派が勢力を伸ばす危険があります。民衆は緩やかにしか改善しない状況にしびれを切らして、過激派の政策に望みを託すという方向に進みかねません。
中国ではエジプト関連の言葉をnet入力すると一切遮断されるという報道がありました。自国に波及するのを恐れているのでしょう。北朝鮮もおそらく同様の規制をしていることでしょうね。

2 : 湖の騎士 : February 15, 2011 11:11 AM

悠々様 コメントありがとうございます。エジプト情勢は、今のところ誰にも先行きが読めないと思います。ただひとついえることは、ムバラクが辞めたからといって事態は一気に好転するわけがなくこれが民衆の不満と過激な行動に繋がる恐れがあるということです。この国についてのいっそう冷静な報道が求められます。おたがいにしっかりウォッチングしてゆきましょう。