View of the World - Masuhiko Hirobuchi

February 22, 2011

計算外のことが起こる中東 -

チュニジアとエジプトで独裁を倒したデモは、ついにリビアにまで飛び火しました。死者の数からいえば今までで最大。秘密警察や官僚機構の締め付けが最も厳しいリビアでこういう騒乱が起こっているのですから、これは単なる民衆の蜂起ではありません。彼らをコントロールする「司令塔」がどこかにあるはずです。カダフィ大佐の次男は「外国勢力の介入」だと言いましたが、それは十分にありうることです。さらに日本人の想像を超えているのは、地方の部族長たちの動向です。彼らの一部が反カダフィに踏み切った可能性があります。だがこの動乱の落ち着き先は見えていません。チュニジアとエジプトのデモには外国勢力とくにイランの介入が現地の一部のメディアで伝えられました。親米・親イスラエルの政権が崩壊すればイランにとって大きなメリットになるからです。しかし、チュニジア・エジプト・バーレーン・リビアと続いた民衆の蜂起は、ついにイランにまで及んできたと聞きます。これはイラン政府にとっては計算外のことでしょう。民衆のたまりにたまった不満は、イスラム原理主義に凝り固まったイランの政権そのものを揺るがしかねない動きになってきたのです。計算外のことが起こり、先行きがだれにも読めないのが中東です。日本的価値観や尺度で、この地域の動きを判断しないことです。

[Post a comment]

COMMENTS

1 : K : February 22, 2011 08:29 PM

イランも気になりますが、私はサウジアラビアの方が気になります。中東の中でも比較的親米国家のサウジアラビアが混乱すると、日本への影響も大きいのではないでしょうか?
それと、今回の中東での出来事と、昔の東欧民主化との違い、或いは類似点等が気になります。今起こっている事が過去に起きた事の中東版なのか?あるいは全く別のものなのか?
こういう時こそ、冷静にかつ注意深く観察して、流れを見誤らないようにしたいです。

2 : 湖の騎士 : February 23, 2011 10:25 AM

K様 コメントありがとうございます。イランよりもサウジアラビアの方が気になるというお考えは多くの人の共感を呼ぶと思います。サウジはたしかに王族が支配していますが、民衆は学校も無料、たしか病院も無料で、石油による富もかなり国民に分配されています。加えてイスラムの聖地メッカ、メディナを擁し、聖地の守護者としての王族の責任・権威というものもあり、他の産油国とは少し事情が違います。この王政をくつがえす勢力が現れるとすれば、それこそ外国勢力の関与が疑われます。もし世界最大の産油国サウジアラビアの王政が転覆し、石油の生産と輸出ができなくなれば、最も得をするのはどこでしょうか? 私はその国が謀略を用いていると見たくはありませんが、日本の為政者はそこまで考えておくべきですし、メディアの人間なら当然そこまで頭が回るべきです。