View of the World - Masuhiko Hirobuchi

March 14, 2011

「ビジネス・アズ・ユージュアル」(チャーチル) -

昨日(13日)まで横浜での講演の準備に集中していました。カトリック山手教会では、準備した50の椅子が満席になりました。地震のことが気になる中で皆さん熱心に話を聴いてくれました。帰りに教え子の一人が近くの私鉄の駅まで車で送ってくれました。彼はテレビの地震報道を称えながらも「もっとほかのニュースもやってほしい。地震ばかりだと世界で何が起こっているか全く分からない。たとえばリビアがどうなっているかは、僕らでも気になっている。こういう時こそもっとバランス感覚を発揮してほしい」と言っていました。皆さんはどうお感じになりますか? ここで思い出すのは、第二次世界大戦中のイギリスです。連日ドイツ空軍の猛爆を受けながら、イギリス人はけっこう落ち着いていました。そういう中で宰相ウィンストン・チャーチルは言いました。「イギリス国民の金言ともいうべき言葉は『何事もふだんのとおりやっている』ということだ」。原語では「The maxim of British people is "Business as usual" 」です。たとえドイツの爆弾が降ってこようが、首都が焼かれようが、business は平常通りに行う。これがジョンブル魂だということです。この言葉を今回の大災害に際して実践してくれとマスコミに望むのは無理かも知れません。しかし数あるテレビ局の中で、ひとつくらいは地震災害の報道の中にたとえ5分でもいいから他のニュースを入れ、また地震に戻り、さらに数分してから「地震のほかにこういうことも起こっています」ということを、手短かに伝える局が出てきてもよいのではないかという気がします。多くの視聴者が、同じような希望を抱いていることを、その後の友人たちとの電話を通じて痛感しているところです。 

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COMMENTS

1 : 悠々 : March 14, 2011 11:07 PM

カトリック山手教会でのお話しは貴重な内容でありながら時にはユーモアも交えてお話下さり、楽しく拝聴しました。

地震は痛ましい出来事で、観測史上最大の震度であることは重大なニュースだとは思います。
しかし、NHKは地上波2波、BSは3波、合計5波持っているのですが、昨日などは5波全部が同じ地震の報道を延々とやっていました。
これでは5波も割り当てられている意味がありません。
このヒステリー症状はNHKだけではなく民放も同じ事をやっているのですから見せられる方は堪ったものではありません。
優秀な高給取りが集まって放送事業をやっているのですから、一人くらい平常心を持って仕事をするものがいても良さそうだと思うのですが、無い物ねだりなんですね。

フランスの友人が今日も又、見舞いのメールをくれました。
フランスでも連日、日本の地震のニュースをやっているそうです。
あんたはちゃんと食事が出来ているのか?水はあるのか?と心配してくれています。
日本沈没みたいな印象を持って居るようでした。
私もインターネットで地震以外の面もある日本を発信したいです。

2 : 湖の騎士 : March 15, 2011 07:17 AM

悠々様 コメントをありがとうございます。横浜での講演を楽しんでいただけたようで、心から感謝しています。さてテレビのあまりにも「地震オンリー」の伝え方について、「これでは視聴者を『洗脳』してしまうではないか。危険な兆候だ」と感じている人は多数います。ご指摘のように、NHKは5波の内2波くらいは「ふだんのままの」番組を流すべきです。そうした「基本哲学」がなく、まさに「全体主義的に」なっているのが今の日本です。放送局の内部で「もっと他のことも伝えようよ」という人が白眼視されたり、出世を妨げられたりしないことを祈りたいです。この「あまりの画一化」に対する批判は、そのうち活字メディアから起こってくると思いますが、思い上がった人たちは聞く耳を持たないでしょうね。まさに「思想統制」の危険を感じます。