View of the World - Masuhiko Hirobuchi

May 23, 2011

茶々が秀吉を平手打ち(?) 度が過ぎるNHKドラマ -

22日放送のNHKテレビ大河ドラマ「江(ごう)」で、後に淀君となる茶々(宮沢りえ)が、豊臣秀吉の頬にいきなり平手打ちを喰らわせるシーンが出てきました。秀吉が若い側室といちゃついているのに嫉妬したためです。このドラマは「ひどすぎる歴史歪曲」で識者の顰蹙(ひんしゅく)を買っていますが、今回の平手打ちは歴史歪曲の最たるものといえるでしょう。いくらなんでもひどすぎます。日本女性が自分に失礼なことをした男性に平手打ちをするようになったのはいつごろからか知りませんが、早くても明治維新以後でしょう。もっと厳密にいえば「外国映画が日本に輸入されてから」だと思います。男女同権の意識に目覚めた、カッコイイ欧米の女性が、とっさの感情の赴くままに男に平手打ちを食わせるのをみて、20世紀の日本女性(それも都会のかなり進歩的な女性たち)が、思わず「カッコイイ!」「自分もいつかああいうことをしてみたい!」と思ったのが最初だったと思います。大正デモクラシーとか、モボ(モダンボーイ)、モガ(モダンガール)といった時代になってからでしょう。男への平手打ちは、欧米の特産(?)です。アラブでは今でもこんなことは考えられません。ドラマの時代は江戸時代よりも前です。しかも相手は関白という天下人です。茶々は形ばかりとはいえ、秀吉の養女です。いくら信長の姪とはいえ、こんなはしたない真似をするわけがない。このほかにもこのドラマはおかしなことばかりです。茶々も妹の初(はつ)も三女の江(ごう)もやたらに大阪城の廊下を走り回りますが、昔から貴人とか淑女というのは「決して走らない者」なのです。こんなはしたない教養のないことをしていたら、侍女たちから失笑と軽蔑を買うだけです。脚本家の田渕久美子氏は、NHKが使いやすい人気脚本家のようですが、「歴史歪曲も度が過ぎます」。NHKは受信料で経営しています。受信料というのは「公金(パブリックマネー)」です。公金を使って歴史を歪曲されたのではたまりません。もっと公金を使う者としての責任を自覚してほしいものです。このドラマが海外のテレビ局で放映されるようになれば、「昔の日本の姫たちはなんとはしたなく教養がないことか!」と受け止められるでしょう。それが日本人を軽んじる大きな原因にもなりかねません。公金を使って日本の恥を世界にさらすような真似はいい加減にやめてもらいたいものです。

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COMMENTS

1 : 健太郎 : May 23, 2011 09:23 PM

こんばんは。NHKのドラマは観ていませんので歴史の歪曲云々については何のコメントも出来ません。

TVの中では、特にBSで観ることも出来るアメリカの物は 女が男の横っ面をひっぱたく場面をしばしば見かけます。
正直なところ 嫌な気分になります。平等?ゆえの行動なのかは解りませんが TV showの中での場面が日常の中では反映ではないかと感じております。

skypeを通じての友人の多くは、大和撫子を自国の撫子と比べて「何とすばらしきオナゴ」と感じているようです。

「公金を使って・・・」には同感です。

2 : 悠々 : May 24, 2011 09:06 AM

私も「健太郎」氏と同じでNHKの大河ドラマとか帯ドラは見たことがありませんが、最近のテレビの時代物は時代考証などあまり考えず、勝手に解釈しているものが多いです。
無知なのか、それが演出効果だと思い上がっているのか分かりませんが目に余ります。
駕籠を担げばゆらゆら揺らせて歩くし、舟を漕げば櫓を漕ぐ度に船首が右へ左へと頭を振ります。
あんな駕籠かきや船頭では乗っている人は皆酔ってしまうから客から苦情が来て即刻首になってしまったことでしょう。
刀を抜く時や鞘に収める時に「カシャン」と金属音が入るのも気になります。
あれでは鞘師が気の毒です。鞘師は刀がぴちりと収まるように苦労して作るのですから、抜き差しに音が出る筈など無いのです。サーベルとは違うのですからね。

3 : 湖の騎士 : May 24, 2011 11:34 AM

健太郎様 このドラマは質が低く姫たちがやたらに泣いたりわめいたり怒ったりしています。戦国時代の武将の娘としてありえないことです。感情を抑制する躾けも何も受けていないとは情けないかぎりですが、ディレクターにも脚本家にもそういう基礎的知識がないのでしょう。ご覧になっていないというのは残念ですが、代わりに skype を通して見るアメリカ女性についての貴重な情報をいただき、ありがとうございます。女が安易に男を引っぱたく国の男から見れば、我が大和撫子はやはりすばらしく見えるのでしょうね。田渕久美子はどうしても日本
女性の国際的評価を下げさせたいのかな? と思えてきます。

4 : 湖の騎士 : May 24, 2011 11:58 AM

悠々様 大河ドラマと朝の「連続テレビ小説」を観るのは、この2つがどうも日本の世論形成に大きく影響していると思えるからです。誰かが本格的に世論とこの2枠との相関関係を調べて、分かりやすい本に書いてくれないかなと願っているくらいです。はっきり言ってこの2つは「反戦」「反日本」番組であることが多いです。この2つばかり見て育った人たちは、どうしてもワンパターンの歴史観・戦争観を持ってしまいます。物事を世界史的視点から見ることができません。原発を停めて石油で電力不足を補うとして、それにはどのくらいのコストがかかるのか、石油の供給先は確保できるのか、石油価格が高騰すればそれを払うだけの外貨は調達できるのか、日本人が生きてゆくのにどうしても必要な「工業製品の生産と輸出」は可能なのか? といったことまで、この人々は考えません。ただ「原発は恐ろしい」「だから菅首相の浜岡原発停止要請を支持するーーといった人ばかりが増殖しています。そういう人々の心の形成過程を知るためにも私はこの2枠を見ているのです。さて時代劇のでたらめさを、駕籠のゆれ方と刀と鞘の音関係を通して指摘された着眼はすばらしいです。まことに鋭い。本当に貴重なコメントをありがとうございました。

5 : niraikanai : May 26, 2011 12:22 AM

NHKのドラマ「江」は観ていないのですが、平手打ちのシーンがあったと知り、驚いています。

日本史に詳しいほうではありませんが、明治半ばまでは、「女性はおとなしく男性の言うことを聞く」といったイメージがあります。湖の騎士様のおっしゃるように、モボ、モガともてはやされるようになった時代から、男女平等が謳われ、女性も「自分の意見を主張していいのだ」と思えるようになったのでしょう。

同じくNHKの岡本太郎を扱ったドラマは数回観ました。岡本かの子が活躍していたころになって、やっと女性も社会進出が可能となったのだと思います。

大河ドラマも、「歴史を伝えるもの」というより「曲を挙げてのエンターテインメント作品」といった印象です。登場する俳優さん達も、その年ごとの流行にそって、有名な人を起用していますし。
確かにパブリックマネーが正しく使われているとは思えません。

追記:先日の集まりのあと、FACEBOOKで友人が「普段考えていなかった事を、ちょっと考えられた日。人の意見を聞くのってすごく面白い」と書いていました。貴重なお時間をいただき、ありがとうございました。