View of the World - Masuhiko Hirobuchi

May 27, 2011

戦時下の校長が背広にネクタイ 史実を歪めすぎる連ドラ -

NHKの朝の連続テレビ小説「おひさま」はあまりにも史実を歪めすぎています。いちばん目立つのは、日米間の戦争が始まっているのに、主人公が勤める国民学校(「小学校」を改称)の校長が、背広にネクタイ姿だということです。これはあり得ないことです。当時は男子はすべて「国民服」でした。あの陸軍の軍服に似たものです。同じドラマの他の部分では、学童たちに「立派な少国民になれ」と教育し、大砲や飛行機にする金属が足りないからといって、自転車まで供出させられている情勢の緊迫ぶりを描いているのです。ところが校長以下数人の教師がのんびりと背広にネクタイというのでは、それだけでも「大きな矛盾」だということに、ディレクターは気付かないものと見えます。そこまで考える能力がないのでしょう。ヒロインの親友の育子が東京で「代書屋」みたいなことをしていますが、そこへ赤ん坊を背負った女性が代筆を頼みにきます。彼女は「戦地にいる夫(おっと)に手紙を書いてほしい」と頼みます。これも史実の改ざんです。当時の日本で若い妻が、「夫」という言葉を使うことはありえないことです。ここは「主人」が正しい用語です。「主人」というと妻は彼に仕えていることになり、こういう日本語は許せないとして、男女同権を主張する一部の女性たちがさかんに「夫」という言葉を使うようになったのは、せいぜいここ十数年前くらいからです。この場面でも作者およびディレクターは「史実を曲げて自分たちの主張・価値観」を世に広めようとしているわけです。スタート時点では、このドラマは珍しくいつものNHKの「反戦思想を押し付けるための」作品にはなっていないと思えましたが、今や毎日毎日が「特定史観に基づく思想キャンペーン」です。一度ご覧ください。登場する男子の髪の毛の長さひとつ取ってみても、いかに史実とは違うかがよく分かります。「こんな愚作のために大切な公費である受信料を使っているのか!」という気になってきます。少しは「まともに」なることを願って私はもうしばらく見続けるつもりです。

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COMMENTS

1 : 悠々 : May 28, 2011 02:53 PM

軍国主義の先鋒に立っていたのが国民学校の教師達でしたから、校長が背広・ネクタイ姿というのはあり得ませんね。
坊主頭に国民服というのが当たり前、仮にその校長が反軍国主義者であるという設定でも、背広にネクタイでは非国民と言うことで即刻首になるでしょうね。
私も中学3年の終わり頃までは丸坊主でした。クラスメートも皆坊主頭でした。
NHKのディレクターは物を知らないのか、主張者が違和感を覚えるから敢えて現代風の服装にしたのか、真意が図りかねます。

2 : 湖の騎士 : May 28, 2011 04:51 PM

悠々様 中村吉右衛門は「鬼平犯科帳」に出演するに際し、江戸時代の言葉づかい、服装その他を厳密にやってほしい、と注文を付けた上で出演を引き受けたそうです。たとえば江戸っ子は「まっすぐ」とは言わず「まっつぐ」と言うといった具合。「髪結いさん」を「かみゆいさん」というのは誤りで「かみいいさん」と言わなくっちゃならない。これぞプロの役者魂。ディレクターも緊張感をもってそれこそ毎回毎回真剣勝負で製作したことでしょう。いま朝日新聞の夕刊に連載中の「時代劇に候」の第1回目にこの話が出てきます。NHKの連ドラを作っているディレクターたちに、「鬼平」製作チームの爪の垢を大量に煎じて飲ましたいです。謙虚さに欠け、無知を恥じず、歴史を改竄して良心の痛みを感じない呆れた連中です。戦時下の男子が、やたらに泣いたりするのもみっともない話。男は顔で笑って心で泣くものだというのは、ほぼ世界共通の美学です。(韓国では男も泣くらしいですがーー)

3 : mayu : May 28, 2011 10:25 PM

5月26日の参議院外交防衛委員会において、下條正男参考人(拓殖大学)がNHKについて明快に述べておられます。
「NHKは日本人からお金を集めて韓国のために使っている」
「韓流ドラマは洗脳ドラマ。NHKが視聴料(受信料)を取って流している」
NHKが放映している韓国時代劇は情報操作に大きな役割を果たしており、日本側が到底容認できない捏造・歪曲された歴史を日本人に刷り込ませる手助けをしているようです。

NHKのドラマは見ていませんが、先生のご指摘の通りNHKの思惑を強く感じます。
日本国民としてとても腹立たしく、しっかり抗議するために不本意ですが受信料を払っています。

一方、テレビ朝日の「テレビタックル」での『台湾はChinaではない』発言や、「サンデースクランブル」の『千思万考』など、局内でのせめぎ合いを思わせる番組もあり、少し希望を持っています。

4 : 湖の騎士 : May 29, 2011 04:58 PM

mayu様 コメントありがとうございます。下條正男先生のご指摘は長年にわたりNHKの韓流ドラマを克明にチェックし、記録もしっかり取った上でのご発言です。日本に評論家は多いですが、TVドラマが世論形成に大きな影響力を持っているという視点から天下国家を論じる人は少数です。しかし韓国は、まず甘いロマンス物で日本人を韓流のファンとし、次に時代劇の中に巧みに国家としての主張を刷り込んでいます。戦略的であり、巧みです。しかし日本には国家意志として日本ドラマを海外に売り込もうという戦略はまったくありません。もし世界が善意に満ち平和であれば、この日本式の「無策」は非常にけっこうなものだと思います。しかし世界の現状は違います。各国とも生き延びるために懸命の「文化輸出」をしているのです。そういう中にあって、NHKは日本の不利になることを公金を使ってしているのです。この動きをどこかで止めなければなりませんね。