View of the World - Masuhiko Hirobuchi

June 01, 2011

不信任案を妨害するマスコミ -

いよいよ6月2日に菅直人内閣に対する不信任案が提出されます。これに対するマスコミの対応は、はっきりと菅内閣の擁護に回っています。1日夜のNHKテレビはほとんど被災地の人々の声のみを集めていました。「こういう大変な時に永田町だけでの争いを繰り返していてよいのか」「政治家は被災者の気持ちなど考えていない。相変わらずの権力闘争をやっている」といった声です。これにかぶせたキャスターのコメントも不信任案を出すことが悪いことだというトーン一色でした。きわめて恐ろしい体質です。まさに「世論誘導」そのものです。日本が先の戦争に突入する前提となった日独伊三国同盟締結の際にも、新聞は三国同盟が究極の「善」であるかのごとく伝えました。米英との戦争に反対する者は非国民扱いをされました。昨年9月の民主党党首選でも、マスコミは菅直人を一方的に持ち上げました。そして今また「不信任案を提出する者たち=悪」のレッテルを貼ろうとしています。永田町で政争が起き、不信任案が提出されるというのは、民主主義が正常に機能している証拠です。「非常時だからそういう動きは慎もう」という方が、よほどおかしく全体主義そのもので、まさに民主主義の危機です。テレビのコメンテーターもキャスターも、ほぼすべて型にはまったコメントをしています。政治家たちに説教しているつもりでしょうが、自分たちがいかにオリジナリティのない凡庸なコメントをしているかに気付いてもいなければ、それを恥ずかしいとも思っていません。私は不信任案を出す者たちを全面的に支援するわけではありませんが、菅首相は「本来なら韓国人からの政治献金問題で、とっくに退いているべき人」であり、「震災でその無能ぶりが白日の下にさらされたからこそ退陣を要求されている」のです。今の事態を非常時と思うのなら、ここは自らが身を引くことによって、日本の混乱を治めるのだというくらいの英断がどうしてできないのか。凡庸なマスコミの擁護を当てにするよりも、ここは潔く身を引くべきです。後のことを心配する必要はありません。必ず彼よりはましな人が出てきます。「後任がいない」などというのは、それこそ菅氏の罠にはまった「俗論」です。

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COMMENTS

1 : とりのぼ : June 2, 2011 07:15 AM

「政治家の質は、国民の質」という話をテレビで政治評論家(三宅先生?)の先生から聞いたことがあります。
現政権を選択したのも、日本国民の意見です。雰囲気で投票するのではなく、党名で投票するのでなく、しっかりと人を見て選ばないと酷い目に自分たちが遭うということをもっと自覚しないといけないのだと思います。

今回の民主党のふがいなさの揺り戻しで、もう一度自民党政権に戻ったとして、期待できるのでしょうか?
政治家に期待するよりも、官僚を優遇し、官僚に優秀な人材を集めた方が、良い国作りが出来るような気がしています。
政治主導と良いながら、首相自らが「言った、言わない」、「資質が有る、無い」などの低次元の話をしていることが滑稽です。
スタッフを最大限に活かし、首相は意思決定に専念すれば良いのに、何でも自分で実施しようとするから、局所的な対応に集中してしまい、全体をコントロールする事が出来ないのだと思います。
聖徳太子みたいな人はいないのだから、スタッフ(官僚)を最大限活用すれば良いと私は思います。

政治家や官僚の長所、短所がここ数年の政治活動の中で国民の目にもかなり見えてきたと思います。大震災という想定外の事象をプラスに活かして、もう一度みんなで協力して日本という国を再生するきっかけにしたいものです。政治、教育、経済等、戦後60年の垢をリセットするには良い機会だと思います。

選挙になったらみんなで投票所に行って、子、孫の将来を任せる事が出来る人を選びたいと思います。まさに、先生が言われるようにマスコミに誘導されるのではなく、自分で選べれるようにもっと政治にみんなが興味を持つべきでしょう。それにより、国民の質が上がり、政治の質が向上していくのだと思います。

誰が、良いのかな?

桝添さんは今何をしているのだろう?ビッグネームで無くて良いから、日本という国を愛している人、日本を良くするという決意がある人が良いな。小泉jr、稲田朋美さんも良い感じだと思います。どこの国の首相かわからないルーピーな宇宙人だけは、勘弁して欲しいです。(長文失礼しました。)

2 : 湖の騎士 : June 2, 2011 10:53 AM

とりのぼ様 コメントありがとうございます。まず一語訂正させていただきます。文章のはじめに「提出」とありますが、これは「決議」です。謹んで訂正いたします。官僚と政治家の相関関係についてのご意見は貴重ですが、日本の官僚はほとんど「国民の公僕」という意識を持っていません。自分たちが国家の主人だといわんばかりです。こういう実態を見ていると、選挙で選ばれた政治家が主導権を握るべきだという菅首相の主張はうなづけます。ただ彼は「ゲームのルールを知らない野球の監督」みたいなもので、日本という巨大マシーンをどう動かしていったらよいのかが分かっていません。今後何年たっても彼には分からないでしょう。初めは「脱官僚」と言っていたのに、今ではすっかり財務官僚に洗脳されて「増税論者」になってしまいました。方針も信念もないのです。不信任案が可決されれば「解散総選挙だ」と言って1年生議員を恫喝していますが、総選挙になれば民主党は惨敗するでしょう。しかし解散をするならすればよいのです。「民意」がまたしてもマスコミによって形成されないように、各人がしっかり「自分の頭で」考えて投票してほしいものです。鳩山ルーピーさんは自分のグループは、不信任案決議に「自主投票する」と決めましたが、情けない話です。意見をひとつにまとめられないからでしょう。これ以上ぶれないことを祈るばかりです。

3 : 2008915 : June 3, 2011 01:18 AM

廣淵様のお考えに、全面的に同意いたします。
甚だ僭越ですが、とりのぼ様へのご返答も含めて、おっしゃっていることは、すべて正論中の正論だと思います。

本当に残念ですが、この国の電波媒体は、憂鬱な”拡声器”。そして、新聞は、巨大な”輪転機”以外の何者でもありません。ジャーナリストなどとはとても呼べない、政府、官僚、財界のスポークスマンです。

こんなことでは、変化などとうてい期待できますまい。
今日は、悲しく腹立たしい一日でした。

寂しい限りです。

4 : 廣淵升彦 : June 3, 2011 09:34 AM

2008915様 貴重なコメントをありがとうございます。私の意見に賛同してくださり、元気が出てきました。昨夜のニュースはまたしても被災地の人たちの「感情を前面に出した言葉」を放送していました。避難地にいる人の中でも「理性的に」考える人は「菅直人は今までこの窮状を救えなかった。今後も同じだろう。ここはリーダーを代えるしかない。不信任案を提出してくれてありがとう。ご苦労だが皆さんがんばってください」くらいは思っているはずです。そうした声は「バランスを取るためにも」放送すべきです。それが「フェアネスの原則」というものです。メディア人間は、「自分たちが民主主義を破壊しているのかも知れない」という意識を持つべきです。