View of the World - Masuhiko Hirobuchi

July 24, 2011

さらば「水戸黄門」 -

日本で最長寿のテレビ番組だった「水戸黄門」がいよいよ終わることになりました。これをご覧になっていた方は、相当のご高齢者だろうと思いますが、愛着のある番組が消えてゆく寂しさを味わっておられる方も多いと思います。前に一度このブログで「『水戸黄門』の功と罪」というコラムを書いたので、ここであらためて同じことを論じる気はありません。ただ簡単に「まとめ」をしておきたいと思います。

1.日本人の間にスーパーヒーローを願望する気持ちを植え付けすぎた
2.日常が苦しくともそれを改善する地道な努力をしないで、いつの日にか悪代官や悪奉行をやっつけてくれる正義の味方が出てきてくれるという依頼心を育てすぎた (1.とほぼ同じ内容ですがーー)

現在の政治の低迷も、「自分が動いてこの状況を変える」という国民の不在と関係があるような気がします。菅直人は本当にひどい男だが、自分は前面に出てこの政治を変えるだけの情熱はない。いつか誰かが彼をひきずりおろしてくれるーーという気持ちが、国民の間に強く、それはスーパーヒーロが何でも解決してくれる時代劇を何十年も観てきたからだーーとまでは言いません。しかし「そうかも知れない」と考えることは必要でしょう。

それはともかく、多くの視聴者を楽しませ、日常の憂さを忘れさせる功績もあった黄門さま、ご苦労さまでした。俗に「功をなす者は去る」と言います。どうか安楽な余生を送ってください。

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COMMENTS

1 : 悠々 : July 26, 2011 06:05 PM

水戸黄門シリーズが終了したのですか?
知りませんでした。
東野英二郎など主役の俳優さんは何代か変わっても営々と造り注がれてきたのは、それだけ人気があったのでしょうね。
水戸黄門様のが活躍は多分に創作の部分があったようで、実際の閘門様は水戸藩でも持て余していたようです。
水戸黄門の隠居所「西山荘」を訪れたことがありますが、質素というのは、後世の人が勝手に評価したもので、粗末な建物、と言う印象です。隠居所のある場所も、入り口を押さえれば外出不能の、幽閉場所であったという説もあるくらいで、ご隠居さんが諸国漫遊したというのは作り話で、蟄居生活を強いられていたというのが本当らしいです。

2 : 湖の騎士 : July 26, 2011 10:37 PM

悠々様 コメントありがとうございます。現在の里見浩太朗主演の「水戸黄門」は、今年一杯で終わるそうです。私は西山荘を訪れたことはありませんが、黄門様の諸国漫遊話はどう考えても無理がありますね。おそらく薩摩から津軽まで、ほぼ全国を歩いています。当時の旅のスピードでは不可能! しかし視聴者はそんなことに目クジラを立てずに、けっこうこの作り話を楽しんでいたのでしょう。引退した「先の副将軍」と名乗って印籠を見せるだけで平伏する悪人共ですが、片や「暴れん坊将軍」では「現役」の将軍に「上様がこんなところにおられるわけがない」と刀を抜いて刃向かってきます。時代劇もけっこう無理をし、矛盾を抱えながら永らえてきたのですね。フィクションと現実の落差をお知らせくださり、本当にありがたいです。