View of the World - Masuhiko Hirobuchi

August 15, 2011

平和には大勢に逆らえる意見が必要 -

15日の昼前からの戦没者追悼式とその後のニュースを見ていて強く感じたことがあります。「メディアによる思想の画一化が年々進んでいる」ということです。たとえばNHKには「平和というのはこういうものであり、全国民はこの規準を尊重しなければならない」という教条が存在しているように見えます。参列者の中から、NHK好みの意見だけをピックアップし、それを器用に並べています。「戦争は二度と起こしてはならない」とか「戦争を知っている世代は次の世代にその悲惨を語り継がねばならない」というものです。こういう意見には誰も反対できないでしょう。こういうことを、過去何十年もテレビで頭に刷り込まれると、人は物を考えなくなります。平和を維持するためには、いま現在「他国を侵略したり、属国にしたいと思っている勢力はいないか? いるとすればそれはどこで、こうした意図にどう対処すべきか?」といった視点と知識が不可欠です。現在の日本は、異論を全部封じ込めてしまった戦前戦中の状況とそっくりです。「異論がもっとメディアに登場するようにならないと、平和は維持できない」ということを、あえて申し上げたいと思います。

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COMMENTS

1 : mayu : August 17, 2011 12:22 AM

近隣諸国の謀略や、国家間の熾烈な生き残り競争の現実など、
日本国民が本当に必要な情報をマスメディアは報道しません。
憲法9条が如何に非現実的なものか分かっているのに、上辺だけのきれい事を並べて済ましています。(特にNHKはひどいです)横並びもここまで露骨になると逆効果だと思っていましたが、性善説を地でいく高齢の叔父はマスコミの偏向・隠蔽体質を深刻に捉えてはいません。こちらの考えを主張するだけではうまく伝わらずもどかしい思いをしております。
”異論を封じ込める不健全なマスコミ”というキーワードは、持てる主義主張の立場を超えて説得力を持ち、現状打破に効力を発揮すると思います。先生のご指摘に毎回はっとさせられております。

2 : Sako : August 17, 2011 03:49 AM

私は、田母神氏がウケたのは、その辺りにあるのだと思います。

「2度と、この様な悲惨な目に遭わない為に、核武装が必要です」との趣旨の発言に支持をしませんが、新鮮さを感じました。

私は、若い人程テレビを見ないので、影響は軽微かと思います。

Twitterを覗いてみると、津波の問題にしても、早くから政府やマスコミの伝える状況より酷い事が分かってい
ました。

3 : Sako : August 17, 2011 03:49 AM

私は、田母神氏がウケたのは、その辺りにあるのだと思います。

「2度と、この様な悲惨な目に遭わない為に、核武装が必要です」との趣旨の発言に支持をしませんが、新鮮さを感じました。

私は、若い人程テレビを見ないので、影響は軽微かと思います。

Twitterを覗いてみると、津波の問題にしても、早くから政府やマスコミの伝える状況より酷い事が分かってい
ました。

4 : Sel : August 17, 2011 12:05 PM

先生の著書の中の「コンドルと車輪の物語」のお話を思い出さずにはいられません。
「精神の車輪」が欠けているこの状況とその危険性を、早くメディア関係者や政治家は気付くべきです。


テレビだけではなく義務教育でも思想の画一化は存在すると思います。
前者のような「戦争は二度と起こしてはならない」と教える教師は多いと思いますが、具体的に「どう対処すべきか?」といった後者のような視点で建設的な話ができる教師がどれくらいいるのか、疑問です。


戦争から話は脱線します。

マシュー・リップマンというコロンビア大学教授が子供が元々持っている「考える力」を話し合う事でさらに高め、その後の認知力と学習力、生きる知恵へ繋がってゆくと「子どものための哲学」という研究で提唱しました。

その考えに基づいてフランスのパリ近郊のZEP(教育優先地区)にあるジャック・プレヴェール幼稚園で若い女性教師と人種も民族もさまざまな子供たちが3歳からの2年間、哲学の授業を取り入れたといいます。これは世界初の試みだそうです。

すでにご存知かもしれませんが「ちいさな哲学者たち」という映画で紹介され、現在公開中です。
私はテレビで映画のダイジェストを見ただけでなのですが、公式ホームページの予告編の動画や「Production note」だけを見ても面白いですので、是非お時間のあるときにご覧いただければと思います(動画は2分程度です)。


「ちいさな哲学者たち」公式サイト
http://tetsugaku-movie.com/index.html

5 : 湖の騎士 : August 17, 2011 02:51 PM

mayu様 コメントありがとうございます。思えば過去66年間、日本人は「自分好みの」平和像を抱き、現実の厳しさを見ようとせずに過ごしてきました。朝鮮で戦争が起こっても、それが日本に飛び火してくるなどとは全く考えず、千羽鶴を折ったり精霊流しをしたりしていれば「1億国民の願いが他国にも伝わるはず」と思い込んできました。小学生ならいざ知らず、大人になってもこの幻想から醒めないのです。これではまるで「日本は神の国だから最後の最後になれば神風が吹いて米軍機はすべて墜落し海の藻屑となる」と信じていた戦時中の人々のメンタリティと同じです。これまで辛うじて平和が保たれてきたのは、憲法9条と国民の燃えるような平和への願望のおかげでしょうか? まったく「神がかりの思想」です。平和を維持するために最も必要な具体策とはなにか? それを子供に教えてもらいたいです。平和幻想に洗脳されたまま育ち、成績優秀で大手メディアに入社した若い記者たちは、平和維持のための具体策といってもなんのことか分からない様子です。「これでは危ない危ない」とひやひやしながら現状を見ている毎日です。叔父上にどうかよろしくお伝えください。

6 : 湖の騎士 : August 17, 2011 03:04 PM

Sako様 「若い人程テレビを見ないので影響は軽微かと思う」とのご指摘のとおりであることを祈りたいです。しかし在来型(旧来型)のメディアの影響力は依然として大きいと思います。NHKは地上波と衛星波のすべてを使い、ラジオも動員し、ニュースだけでなく連ドラまで使って「ひとつの平和観」「ひとつの戦争観」を刷り込んでいるのです。「異論をいう者は平和の敵」みたいな思想改造キャンペーンが、巨大組織を動員して行われています。まさに「言論統制」であり、その恐ろしさははかり知れません。これこそが「平和の障害」です。

7 : 湖の騎士 : August 17, 2011 11:01 PM

Sel様 まず拙著の「コンドルと車輪の物語」を思い出していただいたことに心からのお礼を申し上げます。日本人にとって「平和」は神格化され、これをひたすら拝んでいれば平和が実現すると「信仰して」いる人が多いのは非常に危険です。平和の維持には冷静な判断力・情報収集力・外交力・国防力・意志力が必要です。こういう当たり前の認識があまりにも不足していることに慄然とします。民主党の次期総理候補たちのだれ一人として、こうした危機意識を持っていないのが心配です(持っていればすでに口にしているはずです)。この点は教育者もマスコミ人間も同じです。
さてフランスでの子供教育についての非常に貴重な情報をありがとうございます。3歳児から哲学を教えるという着眼がすばらしいですね。硬直した日本の文部官僚たちにはとうてい考えられないことでしょう。ご教示いただいたサイトにアクセスした上で、別記事として書くか、この欄であらためてご報告します。

8 : 悠々 : August 18, 2011 10:13 PM

日本の平和論はアメリカの核の傘と駐留軍によって辛うじて維持されているのだと思います。
福島の原発事故で米軍はさておき殆どの外国人が日本から避難した事を考えると、本当の危機が来た時には米軍を頼ることは先ず出来ないでしょう。
自衛隊も頼りにはなりません。原子炉へヘリコプターから注水する様をTVで見ましたが、放射能を恐れて飛び去っているのを見たら実弾が飛んできたら、真っ先に逃げさると思いました。
マスコミが甘ったるい平和論を展開するのは、もう半世紀も横並びの教育が続いて居るせいです。
私も以前ここで哲学を教育課程に取り込むべきだと書きましたが、自分の考えを纏める、それを外部に発表する、と言う教育が今の日本では全くなされていません。
教師も萎縮しているから、そうゆう事には取り組みません。
帰国子女が、日本の教育に馴染めず苦労しているのは自己主張をするように海外の教育を受けていたからです。
Sel様のコメントを拝見して、私も「ちいさな哲学者たち」の予告編を見ました。月末に吉祥寺バウスシアターで観られるらしいですから、時間が取れたら観賞に行きたいと思って居ます。

9 : Chatcher in the Rye : August 19, 2011 01:16 PM

横から失礼致します。

>>悠々様

原発事故での自衛隊を見て、有事の際に真っ先に逃げ去るとおっしゃっておりますが、私はそれは無いと思います。

ご存知かとは思いますが、原子炉への放水はTVを使った民主党の国民へ向けたアピール活動に過ぎず、その有効性は誰の目にも明らかな程、無力なものでした。
私にはあの時の自衛隊の行動は単に放射線汚染を恐れての撤退とは見えませんでしたし、我々国民があのようなインチキな行動を起こした政府を責めずに、自衛隊を責める様では、命を張っている隊員達が浮かばれないと思います。

また、自衛隊は本来、外部からの侵略に対して自国の安全を守ることがその役割で有り、災害派遣等の活動は本来の任務ではありません。
しかし、彼らは高い志を持って活動を行っており、いざとなれば我が身に代えても日本国民を守る意志を持っています。
中には、たとえ憲法違反・命令違反になろうとも、迫り来る脅威(中国、北朝鮮、ロシアなど)に対して先制攻撃をする事も辞さないと決心している者も多いと聞きます。

我々に今必要なの事は、我々の周りは平和では無いということを認識する事と、今平和を感じているその背後には自衛隊や米軍が存在しているということを理解する事です。

私はまだ20代の若輩者ですが、残念ながら私の周りの同世代の人間も、この部分を理解出来ていない人間が多いようです。

10 : ペルソナ : August 19, 2011 02:39 PM

自衛隊は「軍隊」ではありません。軍法会議がないからです。敵前逃亡は死刑であるからこそ、世界の軍隊は機能するのであって、現に有事の際は辞めると答えた自衛隊員は4割を超えるというデータもあります。日本は、安全保障上、素っ裸で国際社会を歩いているのと同じです。戦後66年経っても、人並みに服をきて自衛出来ない国にいるということを、私たちは覚悟を持って自覚すべきだと思います。

11 : 湖の騎士 : August 19, 2011 03:19 PM

悠々様 コメントありがとうございます。マスコミ、教育界、行政の「画一化好み」は、多くの方々の想像を超えています。「異論をいう奴は悪い奴だ」みたいなことを本気で考えているのです。異論を唱える自由こそが戦後民主主義の最も輝かしい成果であったはずですが、そうした雰囲気はどんどん消えていっています。貴国子女たちが自分の意見を持っているがゆえにいじめられ阻害されているのは、由々しい問題です。自衛隊への評価はここでは申し上げませんが、「平和への願いと憲法9条が平和を維持している」と本気で信じている人が恐るべき数に達しています。現実を見ることができず、現実を見たくない人々です。戦時中の神がかり的愛国心と、戦後から現在に至る平和信仰とがいかに似ているかを思うと本当に心配になってきます。