View of the World - Masuhiko Hirobuchi

November 14, 2011

巨人軍の内紛劇をどう見るか -

先週巨人軍の清武英利ゼネラルマネジャーが、記者会見を開き読売新聞の渡辺恒雄会長を真っ向から批判した事件はさまざまな波紋を呼んでいます。状況は清武氏に圧倒的に不利で、「組織内のゴタゴタを記者会見で発表するとはなにごとか!」という批判の声ばかりのようです。彼を庇う声はほとんど聞こえてきません。しかし清武氏が、大王製紙やオリンパスの例を引いて渡辺氏の「個人的思いつきによる人事」を批判したことを、もう少し重く見る必要があるのではないでしょうか? 日本の会社では、取締役というのは名ばかりで、とても近代的経営とはいえない会社が多すぎます。ワンマン社長や会長がいかに理不尽でルール無視のことを行っても、取締役たちは口をつぐみ、「ボス」のいうことに黙々としたがっています。たとえ先週報告した人事案をボスが了承し、この了承に基づいて事を進めても、「オレは聞いていない!」とゴネられればそれまでです。ボスの記憶能力に明らかに障害が生じたとしか考えられなくとも、ボスの声は天の声なのです。ボスにして見れば、「あいつを現在の地位につけてやったのはこの俺だ。だから俺のいうことは何でも聞くはずだ」と思い込み、創業家でもないのに部下を「使用人」と見る傾向があります。こうした会社経営がいかに日本を蝕んでいるか、ボスたちがいかに日本の会社や社会を駄目にしているかーーといった視点から、今回の騒動を見れば、非常に多くの有益なヒントが得られるのではないでしょうか? 清武さんのやり方を批判するあまり、「今回の抗議が秘めているもっと重要なこと」を見逃したくないものです。

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COMMENTS

1 : 悠々 : November 15, 2011 11:36 AM

清武英利ゼネラルマネジャーが、記者会見で渡辺恒雄会長のやり方を批判したことは、私は快挙だと思いました。
巨人の球団運営については日頃からおかしいと思って居たので、清武英利氏が記者会見という非常手段を執ったことも理解出来ます。社内事情だから内部で話し合うべきと言うのは、そんなことが出来ない組織だからこそ、執った手段だったと思います。
それと、読売巨人軍という言い方も嫌です。他球団で西部軍とか阪神軍なんて言いませんからね。
これを機会に専制君主みたいな経営者こそ排除されるべきだと思います。大王製紙やオリンパスにも言えることですが・・・

2 : 湖の騎士 : November 16, 2011 10:40 PM

悠々様 貴重なコメントをありがとうございます。スポーツマスコミは清武氏をいっせいに批判しているようですが、まさに仰せのとおり、「社内での話し合い」なんてことは不可能だからこそ、清武氏はこういう非常手段に出たのだと思います。「週刊朝日」も15日の「報道ステーション」も過去10年くらいの「ナベツネ語録」を並べていましたが、古田選手を「たかが選手の分際で」と言ったことをはじめ、明らかに常軌を逸した、品のない発言が多すぎます。自分が老害だということを悟っていないところが、まさに老害そのものです。自分の存在がいかに読売グループ全体の品位を傷つけているかに早く気付ききれいに退陣することが、賢明な道です。それから「巨人軍」という呼称には私も抵抗がありましたが、つい使ってしまいました。ご指摘のとおり、今後はこの表現を使わないようにしましょう。