View of the World - Masuhiko Hirobuchi

March 07, 2012

「民主もダメだが自民もダメだった」という大錯覚 -

民主党政権になってからなにひとつよいことがなく、国民の政治への不信がきわまっている今、「たしかに民主党はダメだが自民党もダメだった」という声がテレビにしばしば登場しています。だまされやすい大衆は、こういう声に簡単に影響されてしまいます。しかしこれは「誰かが仕組んだ世論操作の罠」だと思います。民主党政権が一般国民の知的水準に達していないことは、誰の目にも明らかです。野田政権が発足してからの半年だけを見ても、あまりにもお粗末な大臣を濫造しています。国防・外交といった国の最重要事を野田首相はまったくかえり見ていない、と多くの人々が思っています。先日の毎日新聞の世論調査で民主党への支持率は17%でしたが、自民党はそれを下回る16%となっていました。なぜ自民への期待が高まらないのか? 谷垣総裁の言うことに新鮮味と魅力がないことが最大原因ですが、もうひとつの大きな要因は、「民主もダメだが自民もダメだった」という、いかにも全国的なコンセンサスめいた言葉のせいだと思います。たしかに自民党政権は失態もあったし、煮え切らない首相や頭脳明晰でない首相も輩出しました。業界との癒着もあったし、大臣は年功序列・派閥力学で選ばれました。しかし、トップが「国を売る」輩であったことはなかったし、防衛大臣の座に国防のイロハも知らない人間が座ったことはありませんでした。「自民党のダメさ」は「民主党のダメさ」とは「同列に置くべきものではない」のです。そこを人々は混同しています。実態を吟味せず、だれかが発した言葉をそのまま鵜呑みにして、なんとなくムードで「民主もダメだが自民もダメだった」と考えるのは、非常に危険です。両政党のダメさ加減は、「桁が違う」というのが私の見方です。ダメさにも「耐えられるダメさ」と「耐えられぬダメさ」があるのです。メディアは両者の「ダメさ加減」を一覧表にして、国民の冷静な判断を求める努力をしてほしいものです。

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COMMENTS

1 : 泥田の落ち武者 : March 9, 2012 07:32 PM

湖の騎士様、

お久しぶりでございます。

私は戦後生まれで御座いますが、2・26事件、5・15事件、血盟団事件など、戦前は軍と民間の有志による、テロ、クーデターまがいの出来事が多かったと存じます。また、戦後も「血のメーデー」や60年安保、70年安保等、政治家がその政治的生命、或いは本当に命がけで事に当たらなければならなかったことが、それなりにあったと思います。

前回のエントリー、「オピニオン雑誌」の件とも共通するかと存じますが、なんというか「下手な決断を下せば命が無い」という局面に政治家が直面しなさすぎの様な気がします。

誰も「暗殺しろ」と言っているわけでは無いですが、普通の国なら、今頃、首相官邸、国会、民主党本部は群衆で包囲され、放火略奪というのが平均的な国の、平均的な国民の反応では無いでしょうか?(フランスやイタリアなら今頃どうなっているでしょう???)

それくらいの緊張感が無ければ、まともな政治が出来るとは到底思えません。ルーピーや空き菅のように舐めた連中が未だに国会議員でいることの異常さは、論を待たないでしょう。

地震が起きても列を乱さないことは美徳ですが、国政を乱し、国益を損ない、公約を平気で踏みにじる連中にまで、行儀よくする必要があるのか?正直にも「バカ」がつくと碌でもないように、おとなしすぎる国民も考えものかと。

2 : 湖の騎士 : March 9, 2012 09:14 PM

泥田の落武者様 お久しぶりに痛快なコメントをありがとうございます。ご指摘のように、民主党政権には「国のトップというのは命がけ」という緊張感がまったくありません。トップの座というのはテロや暗殺の危険も覚悟の上で座るべきものです。そういう責任感がない連中に国を任せてはおけません。マスコミの政権追求は甘過ぎます。自分たちが持ち上げて政権を取らせたので、あまり追求できないのでしょう。三年前に力も責任感も「頭脳も」ない連中を持ち上げ、国民の「自民嫌悪感」を煽った責任をいまだに取ろうとしていないのです。民主主義の最後進国と思われているロシアでさえ「プーチン選びには不正があった」と告発するデモが行われているのです。せめてこれくらいの「意思表示」がほしいところです。日本に広がっているこの「無気力」をなんとかしなければなりません。この体たらくを生んだ鳩山と菅は、自分が「一般国民よりも劣っている」という自覚がまったくありません。

3 : mayu : March 9, 2012 10:12 PM

湖の騎士様、ご無沙汰しております。

民主党の桁違いのダメさは、文字通り国を危険に晒してきました。管元総理の原発対応の大失態をはじめ、安住財務大臣の為替介入の手の内を世界中に暴露してしまった事など枚挙にいとまがありません。

こんな政党に(政党と言えるのかはなはだ疑問です)きっぱり拒否の意思を示すべきだと、私も思います。
しかし、その気運がはっきりとした形となって表れないのは、若い人たちを始めとする就職難などの沈滞した現状と、やはりマスコミの情報操作が大きいと思います。
街頭のインタビューやコメンテーターの選択は編集権の名の下、局の意向に沿ったものが繰り返し流されていて、(在京キー局の幹部と広告代理店は今なお反自民党)公正中立な報道はされません。

毎日マスコミが『政権交代』を連呼していた時と同じ手法で、『民主もダメだが、自民もダメ』が使われています。

己の既得権益を死守するためには、国の事などうなってもよいのだ・・・と、マスコミのみならず、そのスポンサーである財界人や多くの政治家が体現していますが、こんな政治家を当選させた国民にも声を挙げる責任があると思います。自分自身にそう言い聞かせている毎日です。

4 : 泥田の落ち武者 : March 10, 2012 01:29 AM

たびたび失礼致します。おっしゃられる通り、あの強権政治のロシアですら(ロシアに失礼ですかね?)、反プーチンの抗議が起き、数百人が逮捕されました。

日本でも新橋駅前で「反民主」のプラカードを持っていただけで、機動隊に排除された人もいましたが。
(愛宕警察はぐだぐだ言い訳を並べてましたが。)

民主主義の根幹は言論の自由であり、その本質は政権に対する批判が許されるかどうかです。民主党にその資質は無いものと判断せざるを得ません。

確かに福田政権の時、胡主席の来日の際、相当な言論弾圧が行なわれました。しかし、少なくとも自民への批判に対する弾圧は無かったと存じます。

政治は国家、国民の死命を制します。であるが故に多くの国でテロが発生します。政治は国会の椅子取りゲームと誤解している某刑事犯、並びに現在の政治家が、政治とは命がけの商売だと、認識しない限り、この国は変わらないと思う今日この頃です。

(といって、テロとか暗殺を推奨つもりは全くありませんが。)

5 : 湖の騎士 : March 11, 2012 08:34 AM

mayu様 お久しぶりです。コメントありがとうございます。仰るとおり、街頭インタビューなどで、もっともらしく庶民の声を並べていますが、かならず「消費増税はやむをえない。このままではギリシャのようになってしまう」などという、したり顔の意見をいう人が入っています。有名人が10人くらい集まってがやがやと意見を交わす番組では、「民主もダメだが自民もひどかったからね」などという論客がいます。こうした発言は「民主・自民供にダメ」ということで、両党を「引き分け」に持ってゆくだけです。つまりは「民主を利している」のです。問題は視聴者が、そうした催眠術に気付かないことです。もっと情報の裏を読む教育が必要です。アメリカの小学校ではそういう教育をしています。大人には、せめてもう少し疑い深くなってほしいものです。

6 : 湖の騎士 : March 11, 2012 08:39 AM

泥田の落武者様 再度のコメントをありがとうございます。「民主党は民主主義というものを分かっていない」と思います。旧い社会主義に憧れ、いまだにその時代に郷愁を感じている幹部も相当います。自由な言論の大切さも何も分かっていないのです。

7 : 団塊世代 : March 11, 2012 07:59 PM

民主主義は新聞、テレビ等マスコミが情報を事実に基づいて報道する姿勢がないと成り立たないと思います。本当に民主主義が最良の制度なのか最近疑問を感じます。中東、リビア等欧米の一方的な価値基準の報道姿勢に疑問を感じています。日本でも・・・

8 : 湖の騎士 : March 12, 2012 11:11 PM

団塊世代様 コメントをありがとうございます。マスコミが世論操作をするというのは、私も許せません。どうも明治時代から、愚民を正しく導くのが我らの務めだと錯覚している新聞人間が多すぎたのが原因だろうと思います。昨年の欧米によるリビア攻撃はひどいものでした。まさに19世紀の「列強」のおもい上がりを思わせました。自分たちの価値基準に合わないものは排除するという姿勢が露骨で、これでは彼らが輸出したがっている「民主主義」も胡散臭く見えてきます。