View of the World - Masuhiko Hirobuchi

July 01, 2012

「にわかギリシャ通」がふえている -

最近のテレビニュースで、「消費税増税をどう思いますか?」という質問をすると、町中(まちなか)のふつうの人々が「やむをえないんじゃないですか? 日本がギリシャのようになったら困りますから」と答えることが多いのにお気付きのことと思います。去年の今ごろは、ギリシャの財政事情についてほとんど関心も知識もなかった人々が、にわかにいっぱしの「ギリシャ通」になって、堂々と(?)自分の意見を述べているのです。これを聞いたべつの人は「そうだ。そのとおりだ。日本はギリシャのようになってはいけない。増税はやむをえないのだ」ということになり、自分の周囲の人にこの「説」を吹き込んでいるのが今の日本の実情です。しかしこうした論や説を口にする人は、ギリシャが本当のところどうなっているのかはまず知りません。すべては「受け売り」です。ではこうした論や説の出所(でどころ)はどこでしょうか? それはまぎれもなくマスメディアです。有力な全国紙もテレビ局も、実に不思議なことに、「増税やむなし」「ギリシャのようになってはいけない」という考えに塗りつぶされています。まさに「全体主義国家」のようで、異論を言う者は許さないと言わんばかりです。これは非常に危険な兆候だと思いませんか? そして、こうした論のさらに「大元」を辿っていくと、霞ヶ関の巨大官庁に行き着きます。日本最強の官僚群が総力を挙げてマスコミや有力政党をひとつの価値観に染め上げているのです。「ご進講」という形で、「増税やむなし」説がメディアの幹部に浸透しています。今回の一連の政局の裏に、こうした巨大なプロジェクトが隠されていることを、考えてみる必要があると思います。

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COMMENTS

1 : 悠々 : July 1, 2012 05:31 PM

日本の官僚は強かだし、組織力も予算も握っていますから、民主党が政治主導で!なんて言って政権についても官僚はそんな発言を完全に無視して民主党を窮地に陥れました。
ろくに勉強もしていない政治家達が官僚に操られるのは仕方ないとしても、マスコミが官僚に操られていては困ります。
マスコミはマスメディアという強力な武器があるのだし、それぞれ頭の良い人の集まりだと思うからです。
マスコミから反骨精神を取ってしまったら何も残らないのではないでしょうか?
筆は剣よりも強い、と言うのですから官僚の奸智にも負けないで欲しいです。

2 : 湖の騎士 : July 3, 2012 02:59 PM

悠々様 コメントありがとうございます。政治家には今後いくら勉強しても必要な知的水準に届かないという人がたくさんいます。マスコミの場合、有害なのは「社論」であり、職場の「空気」です。Aという実力者の言うことが間違っていると思っても、これに逆らうと社内で干されたり、出世に差し支えると思うと大勢に従うサラリーマン記者がふえているのです。日本の場合、自分の良心やジャーナリスト魂の命じるままに正しいと信じる道を突き進むのはきわめてむずかしくなってきました。とくに某経済背専門紙の「画一的価値観」が目に付きます。まるで政権にべったりです。この社の場合も上層部は官僚のご進講を受けてすっかり増税賛成論に凝り固まっているようです。一つの記事の背後にある、恐るべき「思想の一元化」に気付く人がふえてほしいものです。