View of the World - Masuhiko Hirobuchi

July 08, 2012

尖閣国有化を言うなら、まず駐中国大使の更迭を -

野田佳彦首相は突如「尖閣諸島の国有化」を言い出しました。これについて石原慎太郎東京都知事は「思いつきだ」「人気取りを狙っているに過ぎない」と批判しています。民主党政権には、これらの島々についての確固とした歴史観も知識もありません。中国や台湾が予想外の行動に出た場合に、どう対処するかの哲学もなければ、国際社会の世論を日本支持に向けるだけの力量もないのが現状です。そういう政府が尖閣の「名目だけの国有化」をはかってどうしようというのですか? それよりも何よりも、首相が国有化を口にするからには、丹羽宇一郎駐中国大使をまず更迭しなければなりません。丹羽大使は、尖閣問題に対する日本人の意識は「おかしい」という失言をし、これが大問題になったことは、記憶に新しいところです。野党や識者の間からは「即刻更迭せよ」という意見も出ました。しかし首相は彼をかばいました。国のトップと出先の大使との間に、尖閣をめぐる決定的な意見の違いがあるのです。国有化を言うのなら、真っ先にこの大使を更迭すべきでしょう。自分がしていることの大いなる矛盾に、首相は気付いていないのです。

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COMMENTS

1 : 悠々 : July 9, 2012 08:23 AM

尖閣諸島の所有者は国には売らない、と言っているようです。
私の想像ですが、国が賃借しているというのもおそらく涙金程度の金額で借りてやっているという態度だったのだと思います。
都が「尖閣諸島」を買い取るというのもおかしな話ですが、それに多くの国民が喝采を送り寄金しているのは、国の煮え切らない態度に相曽が尽きたからでしょう。
野田総理が唐突に「尖閣諸島」の国有化を言い出したのは、都知事が言うとおり、思いつきの人気取り政策に過ぎません。
先生がご指摘のとおり、国にはこの問題についての理念も信条も見当たりません。中国大使の更迭は、失言問題が発覚した時点で即行うべき事です。失言なんていうものではなく利敵行為ですからね。
こうゆう問題意識の欠如した首相には退陣して貰うしかありません。

2 : 湖の騎士 : July 9, 2012 03:59 PM

悠々様 コメントありがとうございます。国の根幹にかかわる領土問題について、総理大臣が見識も理念も持っていないといのは、本当に困ったことです。今日たまたま20年以上前の「文藝春秋」に載せたポール・ケネディ教授(エール大学)の日本人への激励論文(拙訳)を読み返していました(「日本人よ自信を持て」)。チャーチル、ルーズベルト(FDR)といった指導者がいかに「歴史」を勉強していたかを強調し、歴史というのは単に過去に起きたことを知るためのものではなく、未来へと向かってゆく大河を下るのに不可欠の知識だと言っていました。ケネディ教授は私の親友です。日本の現役の政治家で、欧米やアジアの一流の人々と対等に歴史を語れる人物がどれほどいるでしょうか? 情けない思いはヨコに置いて、10年、20年がかりで世界に通用する歴史観を備えた若者を育てなければこの国は保ちません。楽しく歴史を語り、外国語で自分の見識を自由に延べ、時に激論を交わせるような世代を育て上げたいです。いま、50代、60代の先生方に期待するところ大です。