View of the World - Masuhiko Hirobuchi

July 16, 2012

「侮り」が招く戦争ーー丹羽大使一日帰国の大誤算 -

政府は尖閣諸島問題について、日本の国益を損なう発言をした丹羽宇一郎駐中国大使を一時帰国させましたが、帰国は1日だけで、16日には再赴任させるそうです。全く何をやっているのか。すでに「一貫性を欠く」という批判も出ていますが、一日だけの帰国では中国に対する抗議にもならないし、丹羽大使の「反省」を促したことにもなりません。今回の「一日帰国」が生み出したものは、「日本政府に対する侮り(あなどり)」だけです。外交というのは、時に乗るかそるかの神経戦を必要とします。世界に向けて堂々と日本の立場を延べ、日本支持を広めること、他国に隙を見せたり侵略の口実を与えないことがどうしても必要です。こういうことが民主党政権には分かっていません。。世界の歴史をひもとけば、戦争が「相手への侮り」から生まれている場合がしばしばあります。近いところでは、1979年に中国の鄧小平が「ベトナムを懲罰する」と称して、友誼関から攻め込んだ「中越戦争」があります。隣の独立国を「懲罰する」というのは、とんでもない思い上がりであり、ベトナムを弱小国と侮ってのことでした。しかしアメリカ相手に戦ってきたベトナムは、兵器も兵士たちも近代化されており、旧式の武器を携えた中国軍に手痛い反撃を加えました。この誤算により、中国は兵器の近代化を猛スピードで達成しました。日本も中国も相手を侮ってはいけません。言葉による恫喝に屈してもいけません。ちょっと恫喝すればたちまち腰くだけになる日本を、中国もロシアも侮っています。これは非常に危険な兆候です。「多くの戦争は侮りから生まれる」のです。日本はどんなに苦しくとも、「終始一貫」した外交姿勢を貫くべきです。せめて一か月だけでも丹羽氏を日本に留めおくべきでした

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COMMENTS

1 : 泥田の落ち武者 : July 21, 2012 02:49 AM

湖の騎士様、

日本もそろそろ腹を決める頃間ではないでしょうか?尖閣列島を日本の領土として天下に知らしめるか、領土紛争の係争地として世界に認識させるか。

そもそも、中国の利権にずぶずぶの人士を在中国大使に選ぶこと自体が間違いで、その後の親中国的発言を見逃してきた現政権の外交音痴、親中毒の回り具合は、病膏肓に入るレベルでは無いでしょうか?

この様な無様な外交姿勢を見て、いかなアメリカとて、尖閣の為にアメリカ人を犠牲にするのは如何なものか、と腰が引けるのは当然でしょう。

尖閣列島など、対艦ミサイル、対空ミサイル装備の歩兵1個連隊と、護衛艦8~10隻、潜水艦の4~5隻も張り付ければ、中国には手も出せないはずです。

誰も戦争を始めろというつもりは有りません。自国領土を守るに誰に何を憚る理由があるのか、そのような領土なら捨ててしまえ、守るべき理由があるならそれだけの態度を示せ、と私は考えますが。

レーダーサイトの構築と、ヘリポートの設置と監視ヘリ4機程度の常駐、巡視艇用の岸壁に、自衛隊の1個中隊と、民間漁業施設が展開すれば、解決する問題でしょう。

最大の敵は日本国内の、中国の恫喝にビビりあがる、腑抜けの政治家モドキでしょう。


2 : 悠々 : July 21, 2012 06:02 AM

日本が平和惚けしているのか、兎に角今の政治家達には気迫とか、信念と言ったものが見えません。
オスプレイの搬入については、「アメリカがやることに日本として言うべきことはない、」なんてシャアシャアと言ってのける首相には唖然としました。
都知事が尖閣諸島を買うと言ったら、急に国が買うと言い出したのも、おかしな話です。
島は国が借りているそうですが、おそらく涙金程度の金で「借りてやっているんだ、」と言う態度だったのでしょう。だから所有者は国には売らない、と言っているのだと私は推測しています。
今の内に尖閣諸島に自衛隊を配置するのは国内への配備ですから憲法違反にはならないけど、もし中国が先に軍隊を尖閣諸島に配備してしまったら、そこへ自衛隊を派遣するのは。国際問題に武力行使はしないという憲法条文に違反してしまいます。
先生の仰る通り即時自衛隊を配備するべきです。
中国は相手が温和しくしていれば際限なく主張をエスカレートさせる国です。
早急に強面の政策をとらねばなりません。

3 : 湖の騎士 : July 21, 2012 10:20 AM

泥田の落ち武者様 コメントありがとうございます。外交というのは、駆け引きもあれば恫喝もあるのが当たり前です。恫喝されれば、笑って相手の恫喝の隙を突き、言葉だけでも何らかの痛手を相手に与えるのも常識です。民主党にはそうした「教養」が欠けています。若い日に「孫子」や「マキアヴェリ」や「クラウゼヴィッツ」「マハン」などを読んだことがあれば、発言の端々にそれなりの素養が滲み出るものです。それが前外相にも現外相にも全くないと思います。元首相も前首相も現首相もその点は同じです。何も中国と事を構える必要はありません。世界の常識に照らして事を進めればよいのです。繰り返しますが、「民主党政権には国の安全(もちろん経済を含む)を守るだけの教養がない」のです。

4 : 湖の騎士 : July 21, 2012 10:34 AM

悠々様 コメントをありがとうございます。私は今すぐに尖閣に自衛隊を派遣せよと言っているわけではありません。もっと賢明で穏やかな対策が他にもあります。これについては、項をあらためて書きます。大切なのは「ぶれない」こと「終始一貫性を保つこと」です。中国の意思を代弁するような大使を、なぜ即刻更迭できないのか、それが問題です。決断ができないのは、泥田の落ち武者さんへのコメントへのお礼でも書きましたが、「政権に教養がない」からです。チャーチルの自伝でも、マキアヴェリの『君主論』でも『孫子』でも読んでみてくれ、外交というのは君たちが考えているようなものではないのだ、と言いたい気持ちです。

5 : 2008915 : July 21, 2012 02:08 PM

何がどうあっても武力による戦争は頂けません。
無力ではあっても、未来ある国民が困窮します。

ここは、言葉による(教養ある)冷戦で均衡を保つのが良策でしょう。
あちらの政府も決して交戦を望んでいるのではないのは明白です。

ただ、残念ながら、湖の騎士様のおっしゃる通り、無教養な泥中首相や現政府にはとうてい務まりません。智恵ある官僚も見あたりません。そろそろ根底から国造りを考え直さないといけない時期に来ているようですね。

6 : 湖の騎士 : July 21, 2012 05:17 PM

2008915様 コメントありがとうございます。ここは国が始まって以来の国難と捉え、必死の策をめぐらすべき時です。しかし同じ頭で考えても新しい策は見つかりません。民主党はこういう問題を考える能力はないことを露呈してしまいました。政権を変えるしかないのです。では受け皿をどうするか? 谷垣禎一自民党総裁がもっとダイナミックな発想のできる人だったら、消費税増税に賛成などしなかったでしょう。増税法案に賛成したために民主との対立軸がぼやけてしまいました。それでもなんとか早く民主との対立軸を鮮明にし、政権を奪回することです。外交は選挙では票にならないと言われますが、今度ばかりは票になると思います。次期政権を目指す党は、平和で台湾の漁民たちも漁ができるような尖閣(もちろん日本の管理下でですが)、アジアや欧米の人々から祝福され支持される尖閣諸島のイメージを、一日も早く構築し世界に向けて発信すべきです。

7 : 2008915 : July 21, 2012 07:59 PM

湖の騎士様
ご返答ありがとうございます。

谷垣自民党総裁に欠けているものは、国民が求めているものを知らないことです。これに尽きます。。
谷垣氏に限らず、大半の政治家が献金企業の様子を伺い、その要望を実現することが国家・国民のためであるかように装い、また自らも錯覚しています。

日本国憲法の前文には、

「そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであって、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する、、、、、」

とあります。

このことを忘れ去った愚か者に国民の信託が得られるはずもありません。これがすべてであると思います。

8 : 泥田の落ち武者様 : July 29, 2012 12:53 AM

湖の騎士様

先日のでか頭総理の「尖閣に自衛隊」の発言は余計でしたね。

相手が中国だろうが、宇宙人だろうが、我が国の領土主権は守られるべきで、国が尖閣を買うとかほざくなら、自衛隊の国境警備としての配備は当然で、あたかも中国の挑発に対する反応と捉えかねられない発言は、不用意極まりないものです。

石垣島と尖閣列島は、我が国の西方の守りの最前線です。駐在さんの拳銃2丁で防衛できるものではありません。

国境を防備するのは国家の義務であり、他国の行動に云々されるべき事柄ではありません。

日本国が先島諸島を日本領と認識するなら、国境防備の備えをするのは、国家としての義務、国境に住む日本人に対する、当然の責任でしょう。

これに反対する日本人は、国境に住む日本人の、生命財産の権利、思想信条の自由、健康で文化的な生活を営む権利を保護する、具体策を提案するべきでしょう。