View of the World - Masuhiko Hirobuchi

August 31, 2012

カワウソはなぜ消えたか? -

日本の風土から、ニホンカワウソが絶滅したとマスコミは大きく伝えましたが、それから4,5日も経つと人々の関心は薄れているようです。昔なじみの水辺の小動物の消滅は本当に残念です。河川を管理する担当の役人たちに、もっとデリケートな神経があれば、カワウソは生き延びられたと思います。イギリスではテムズ川などの護岸工事にコンクリートなどを用いず、柳の枝を用いて網をつくり、それを修復個所にかぶせたと言います。こうすれば網の目をくぐってカワウソや微生物などが堤に出入りできました。小動物やウナギなども共生でき、堤が決壊することもなく、自然を保護しながら災害も防げたのです。微生物のおかげで川の水もきれいに保てました。それを無神経に、一律にコンクリートで岸を固めてしまったのが、旧建設省の役人たちです。テムズの護岸方法は、日本のマスコミでも伝えられていました。他国の知恵に学ぼうという謙虚さがあれば、日本でも実行できたはずです。国土交通省にも言い分はあるでしょうが、私にはすべては「デリカシーと謙虚さの欠如」が原因と見えます。カワウソの消滅も残念ですが、同時に昔はあった日本人の精神の美徳、世界に誇るべきすばらしい「心の宝」も失われつつあるような気がしてなりません。

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COMMENTS

1 : 悠々 : September 1, 2012 06:24 AM

建設省の役人はテムズ川の工法も熟知していたはずです。
優秀な頭脳集団のお役人がそんな情報を知らないはずはありません。日本の河川を隅々までコンクリートで固め、川をダムでせき止めたのは予算を多く獲得する官僚が優秀な官僚で、金を使えば後々自分たちの天下り先になるからです。
政治家と結託して片や地盤固めとリベート(政治献金)先を確保し、役人は政治家に恩を売り、馬鹿を見るのは国民だけという構図が続いて居ました。
民主党が政治主導を唱えては見たものの、役人に小手先であしらわれてしまったのは、民主党の中にもこの美酒に酔いしれて居た者も多かったのだろうし、役人の頭脳の方が格段に上だったからでしょう。
これからも野生生物がどんどん姿を消して行くことでしょうね。

2 : 湖の騎士 : September 1, 2012 09:27 PM

悠々様 コメントありがとうございます。日本の役人がテムズの護岸工事法を知っていたかどうかは別として、いちばん許せないのは「先祖から受け継いだ美しい自然をいかに守るか」という理念が欠落していたことです。「かけがえのない風景と生態系を守るのが自分たちの義務だ」という観念もありませんでした。ふるさとの海岸の白砂青松はほとんど見られなくなり、少女たちが貝殻を拾い集めて楽しんだ砂浜は消えてしまいました。経済成長はどうしても必要でしたから、ある程度はこうしたことはやむを得なかったでしょうが、そこに「美意識」が欠けていたこと、歴史と自然を愛するという「教養」が欠けていたことが、かえすがえすも残念です。